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家庭菜園に耕うん機? みんなの耕うん機体験家庭菜園に耕うん機? みんなの耕うん機体験

ふだん耕うん機を使わずに野菜作りを楽しんでいる方々に、
耕うん機を使わない理由や実際に初めて耕うん機を使っていただいた感想などを聞いてみました。
野菜作りの実践を通して栽培技術の研究、開発を行っている東京農業大学 園芸学研究室のメンバー。
野菜作りの実践を通して栽培技術の研究、開発を行っている東京農業大学 園芸学研究室のメンバー。将来的に農や食に関わる仕事に就く学生のほか、趣味や自家消費のために野菜作りを続ける学生も多く、耕うん機への関心は高い。
そこで、実際に耕うん機を使ってもらい感想や驚き、また土づくりの大切さなどを伺いました。
※このコンテンツの内容は、2023年3月に行った取材を基に構成されています。年齢等は取材当時のものとなります。
発言は個人の感想であり、耕うん機の機能を示すものではござません。
座談会参加メンバー
高畑 健 教授
高畑 健 教授
東京農業大学農学部教授。実用的な野菜栽培技術の開発を研究テーマとしている。講義に加えて農業実習も担当し、キャンパスにある多くの圃場の耕うんをトラクターで行っている。
松澤 能大さん
松澤 能大さん(22歳)
東京育ちで農業との関りは薄かったが、大学での経験を経て2023年春から千葉県の有機栽培農家に就職。研修先の農家で耕うん機の使用経験あり。
村田 千遥さん
村田 千遥さん(22歳)
埼玉県出身。2023年春から実家の花卉(かき)農家に就職。実家の古い耕うん機を動かしたことがあり、扱いにくいイメージを持っている。
伊藤 朱里さん
伊藤 朱里さん(21歳)
祖母が季節の野菜を栽培して地元の直売所に卸していることもあり、子どもの頃から野菜作りにはなじみがある。耕うん機の使用経験はなし。
大黒 那奈子さん
大黒 那奈子さん(21歳)
大学入学後、本格的に園芸を学ぶ。実習を通して農作業の大変さは実感しているが、機械には苦手意識があり、耕うん機を使うのも今回が初めて。
Section.1

野菜の特性を解明し、生産に役立つ実用的な技術を開発

みなさんの所属する園芸学研究室では、具体的にどのような活動や研究をしているのですか? また、実習で耕うん機や農業機械を使うことはありますか?
高畑教授
1年を通して野菜を栽培し、農家や生産現場に直接役立つ技術の開発や有益な情報になるための研究をしています。例えば、トマトを甘くする新しい栽培方法の開発とか、トウ立ちを抑える条件の調査とか、発芽しやすくするための種子処理方法の検討といった実用的価値の高いものですね。それも特別な施設や多額の費用を要するものではなく、一般的な農家が取り組めるものを野菜に特化して研究しています。そういう研究室なので、卒業後の進路としても農業は選択肢のひとつです。
伊藤さん
いろいろな環境や手法で野菜の生育や収量、見た目、味、管理の仕方などを解明する感じなので、顕微鏡をのぞくような研究ではなく畑での作業が中心です。
大黒さん
堆肥をすきこんだり、畝を立てたり、マルチを張ったりといった作業もしますから、やっていることは農家や家庭菜園に近いかもしれません。
松澤さん
私は卒業後、千葉県の有機栽培農家に就職します。就職先での研修中に、耕うん機を使わせてもらったのですが、研究室でもちょっとした耕うんや畝立てができる小型耕うん機があれば、作業をもっと効率化できるんじゃないかっていう興味はありますね。
村田さん
手作業だとちょっと畝を立てるだけでも大変ですから。
大黒さん
私は腰痛持ちなので、鍬(くわ)で耕すのって腰にくるんですよ。
伊藤さん
そうそう、体はきついよね。とは言っても耕うん機は使ったことがないので、引っ張られたり暴走したりしたら怖いなっていうイメージがあるんですよね。
村田さん
実家が花卉農家をやっていて古い耕うん機があるので、それを使ったことがあるのですが、重くて、取り回しに苦労したのを覚えています。
野菜を作るには、その前に土を耕さなくてはいけません。その大変さはみなさん実感している様子。耕うん機を使えば楽なのは想像しながらも、一方で機械に苦手意識を持つ学生も。では、実際に耕うん機を使ったら、そのイメージは変わるでしょうか?
Section.2

驚きと感動の耕うん機体験。
農家のサブ機としても活躍しそう

今回はみなさんに3タイプの家庭菜園向け耕うん機を使ってもらいました。車軸式の「こまめF220」、フロントロータリー式の「サ・ラ・ダFF500」、リアロータリー式の「ラッキーマルチFU700(JRM)」です。それぞれ耕うん爪の位置や取り回しに特徴があります。使ってみた感想や驚き、想像していたイメージとの違い、また特に気に入った機種などもお聞かせください。
196cm3のパワフルなエンジンを搭載し、アタッチメントなしで畝立てや整地もできる「ラッキーマルチFU700(JRM)」(右)、セルフスタータ搭載で簡単に始動でき、パワフルで取り回しにも優れる「サ・ラ・ダFF500」(中)、家庭用耕うん機のベストセラー「こまめ F220」(左)。
村田さん
今回体験した3機種は、実家の古い耕うん機とはまったく別物でした。中でも扱いやすかったのは「サ・ラ・ダFF500」。それなりに大きいので、不安もあったんですが動かしてしまうと重さは感じないし、方向転換も軽々とできました。
緊張の面持ちで耕うんスタート。フロントロータリー式の「サ・ラ・ダFF500」は耕うん爪が機体の前方についているので、足元の空間が広く安心感が高い。
大黒さん
そもそもエンジンをかけられるか心配していたんですが「サ・ラ・ダFF500」はスイッチを押すだけでしょ。これにはちょっと感動しましたね。それでハンドルのレバーを握れば、自走しながら耕してくれるんですから、「こんなに簡単なの!」って思わず声に出ちゃったくらいです。それになんといっても腰が楽(笑)。
操作に力は必要なく、ハンドルのクラッチレバーを握るだけでぐいぐい土を耕してくれる。機械に少し怖いイメージを持っていた伊藤さんもこの表情。
伊藤さん
「感動するよ! 握るだけでいいんだよ!」って言っていたもんね。私も動かしてみるまでは怖かったんですが、クラッチを離せば止まってくれるし、ハンドルから手を離しても倒れたりしないので、使いはじめてすぐに安心できました。
高畑教授
操作系統がシンプルなので初心者でもすぐに理解できそうですね。クラッチレバーを握れば進み、離せば止まるといった安全面もよく考えられています。耕うん機というとレバーがたくさんあって複雑な機能がついている農家向けの管理機やトラクターをイメージする人もいるかと思うのですが、家庭菜園向けのモデルは圧倒的に扱いやすくできていますね。といって、本格的な農家に向かないかと言ったら、決してそんなことはない。トラクターじゃできない細かい作業や狭い場所の耕うんに重宝しますよ。出荷用の野菜とは別に自給用の菜園をやっている農家も多いので一台あると便利です。
松澤さん
農家で研修のときに使わせてもらった古い耕うん機は振動がすごくてハンドルを握っているだけで疲れました。でも、Hondaの耕うん機はパワフルなんですけど、振動はほとんど感じませんし、疲れるどころか耕しているのが楽しくなりました。
高畑教授
松澤さんや村田さんの話にもあるように、農家って大抵はサブ機として耕うん機を持っているようです。
松澤さんの「こまめF220」に対する評価は高い。操作にはちょっと慣れが必要だが、コツをつかめば使い勝手は抜群。離れた畑への持ち運びにも向く。
松澤さん
畑の広さにもよると思うんですが、「こまめF220」は多用途に使えそうだなと思いました。手軽だし、車に積んで運ぶのも楽そう。自走式じゃないからこそ自分でコントロールできる範囲が広くて、自由度の高さを感じました。農家の視点なら「ラッキーマルチFU700(JRM)」ですね。ある程度の広い面積も楽に耕せるし、畝立てや畝間の除草、中耕などの管理作業で活躍してくれそうです。
実際にHondaの耕うん機を使ってみて、みなさんこれまで持っていた耕うん機のイメージが変わったようです。3人の女性には「サ・ラ・ダFF500」が人気。一方、松澤さんは「こまめF220」の使い勝手と「ラッキーマルチFU700(JRM)」のパワフルさに魅力を感じたようです。
Section.3

サツマイモ向けの高畝も、ジャガイモやネギの土寄せも楽にできる

畝立てや除草も体験してもらいました。
松澤さん
耕うん機で楽にきれいな畝が立てられれば、畝の違いによる生育比較などの研究もやりやすそうです。
村田さん
かなり高い畝が立てられることに驚きです。手作業でこれだけの土を盛り上げるのって大変。耕うん機の使い方やアタッチメントで畝の形や幅、高さも変えられるし、野菜に合わせた畝が立てられそう。
培土器は耕うんした土を左右に盛り上げて畝を立てるアタッチメント。今回使用したのはブルー溝浚機。
「ブルー溝浚機」で立てた畝。耕うん機をまっすぐ進ませるだけで高さ15~25cmの台形型畝があっというまにできる。
伊藤さん
この畝でサツマイモを育てたら、形のいいイモがたくさんできるね。過湿が苦手なので、高畝にして通気性と排水性をよくするのがコツなんですよ。耕しながら畝を立てるから土も柔らかくなって、イモもよく太りそう。
「ラッキーマルチFU700(JRM)」はロータリーカバーを開けることで、耕した土を左右に跳ね上げ、畝立てや土寄せができる。
高畑教授
「サ・ラ・ダFF500」や「こまめF220」は培土器をつけて、耕うんした土を左右に盛り上げていきますが、「ラッキーマルチFU700(JRM)」はアタッチメントなしで畝立てや整地ができるし、ロータリーカバーを開けることで、土を左右に跳ね上げて土寄せもできるのですね。ジャガイモやネギは土寄せが必須ですから、これは助かりますよ。特に畝間の土を寄せる場合は踏まれて硬くなっていることが多いので、耕うん機で耕して柔らかくなった土を上げられれば楽ですね。同時に除草もできて一石二鳥。トラクターじゃできないことです。
除草用ローター「ブルースパイラル」をつけた「こまめF220」で畑の除草。土の表面ごと草を削りとっていく。
松澤さん
実際、野菜作りで何が大変かといったら耕うんや畝立て、土寄せ、除草といった作業なので、特にあまり体力がない女性や高齢者は、耕うん機があると野菜作りがずっと楽にできると思います。
除草した草を手に持つ大黒さん(左)と伊藤さん。手作業では何時間もかかりそうな広い面積もあっというまに除草できる。コンパクトで見た目もかわいいと、「こまめF220」は初めての耕うん機としても人気が高い。
大黒さん
「こまめF220」による除草は操作に慣れないと難しいところもあるんですが、ホーや鎌でやるより早いし、腰を曲げずに立った姿勢でできるので腰痛持ちの私には助かります。
高畑教授
広い場所なら、トラクターで一気に草をすきこめますが畝間や通路はそうはいきません。といって草刈り鎌やホーでやる大変さはみんなが知るところ。耕うん機で除草ができれば効率的です。除草は、草が根付く前の小さなうちに土の表面ごと根を削り取ってしまうのがコツ。耕うん機で除草する場合もそういう使い方をすることで、より高い除草効果を発揮できそうです。
野菜作りの大変な作業を、楽に、効率よくこなしてくれる耕うん機。草が少なく、まっすぐきれいな畝が並ぶ畑は、見た目もいいし、野菜も元気に育ってくれそうです。
Section.4

よい土が、よい野菜を育てる

土づくりや畑の管理に欠かせない耕うん機ですが、そもそも野菜にとって土とは何でしょうか。土づくりの大切さを教えてください。
高畑教授
簡単に言えば、根が張り巡らされる場所ですね。植物の根というのは、人間でいえば大腸や小腸などの栄養を吸収する器官です。植物が健康的に育つには、何よりも根が健全じゃなくてはいけません。そのために大切なのが土壌環境。微生物のエサとなる有機物がたっぷりと含まれていて、通気性、排水性に優れ、肥料を入れなくても野菜が育つような地力の高い土です。感覚的な言葉でいえばふかふかの土ですね。とはいえ、最初からそういう畑はなかなかないし、作物を作り続けて収穫物を持ち出せば地力は落ちていきます。そこで、地力を回復させるために堆肥を入れたり、硬くしまった土を耕して柔らかくしたりする土づくりが必要なのです。そのために農家はトラクターを使いますし、限られた広さであっても鍬より耕うん機で耕したほうがずっといい土ができます。それはもう耕したあとの土を手に取ってみれば一目瞭然です。
管理機にも劣らない多彩な作業に対応する「ラッキーマルチFU700(JRM)」は、農家に就職する松澤さんも一押し。大排気量エンジンで硬い土も細かく、さらさらに耕す。
松澤さん
就職する有機栽培農家でも、土づくりはとても大切にしています。よく耕して土に酸素を含ませてやることで、微生物の活動が活発化するんです。それによって土がふかふかになるし、本来野菜が持っている甘さやうま味が引き出せるといわれています。
村田さん
ダイコンやニンジンを作ってみると土の良し悪しがわかりやすいですね。土が硬いとまっすぐ伸びないし、丁寧に耕しておかないと堆肥が塊になっていたりして又根の原因にもなります。畝の表面が均一じゃないと発芽もそろいません。野菜作りをしていれば土づくりの大切さは痛切に感じます。
「サ・ラ・ダFF500」は、簡単なレバー操作で耕す深さを5段階に調整可能(移動時除く)。最大耕深は約20cm。
高畑教授
耕すといってもそんなに深く耕す必要はないのですよ。トラクターでも耕深は20cm程度ですから、実は家庭用耕うん機とあまり変わらないのです。
大黒さん
土づくりはもちろんのこと、耕うん機って畑がきれいになるのも嬉しい。野菜作りのモチベーションが上がります。
伊藤さん
わかる、わかる。まだ種もまいていないのに耕したあとの畑を見ると達成感に浸っちゃうよね。
耕うん機で耕した土を手に持つ松澤さん(左)と村田さん。畑を歩くと足が沈むような柔らかい土なら根もストレスなく伸び伸び広がる。
松澤さん
土がよくなって、作業時間も短くなれば、新しいことにも挑戦できるし、耕うん機があることで、野菜作りの可能性ってすごく広がると思うんですよ。
「え、こんなに簡単なの!?」「土がふかふか」「この仕上がりはモチベーション上がるでしょ!」体験中のそんな声から、みなさんの驚きと感動が伝わってきました。
トラクターじゃできない細かい作業をこなしてくれるのも耕うん機のいいところ。
農家のサブ機としても太鼓判を押してくれました。
きっとこれからも野菜作りを続けていくであるだろうみなさんが耕うん機を手にする日はそんなに遠くないかもしれません。

今回体験した耕うん機
はこちら!

パワフル耕うんで効率よく、
畝立てや整地も手軽に
ラッキーマルチFU700(JRM)
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耕す速さは手作業とどのくらい違う?
実際に畑で比べてみました!
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