MONTHLY THE SAFETY JAPAN●2002年11月号


OPINION


交通事故は社会の縮図
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PROFILE
1980年神奈川新聞社入社。報道部部長、経済部長を経て、2002年7月から川崎総局総局長、論説委員。現在に至る。

神奈川新聞社
1890年「横浜貿易新聞」として創業。1940年に「横浜新報」と合併、42年に「神奈川日日新聞」と合併して神奈川新聞に改名。現在、神奈川県内を中心に25万部を発行する。本社・横浜市、支社・東京、大阪、横須賀、総局は川崎、湘南、県央、県西、支局14カ所。
 SJ11月号では、三好さんが設立段階から関わってるボランティア団体、神奈川被害者支援センターの話なども紹介しています。
 入社以来ずっと、事件・事故畑を歩き続けてきた。神奈川県警の記者クラブ、事件担当デスク、所轄担当など、三好さんは「警察との接点がない時期はほとんどなかった」と笑う。扱うのは、殺人、強盗、火事、そして交通事故。
 日常的に起こる交通事故は、数行のベタ記事(小さな記事)で済まされてしまうことも多い。全国紙では取り上げられない事故もある。三好さんは、そうしたベタ記事の背後にあるストーリーまで読み解く目が必要だと言う。
 たとえば、2000年8月に横浜市磯子区で高齢ドライバーが起こした転落事故。ドライバーは78歳の女性で、脳硬塞の入院歴があり、杖をついて歩く状態だった。88歳の夫の通院のために自宅を出たところで、下り坂のカーブを曲がり切れず、フェンスを突き破ってJR根岸線の線路上に転落した。反対列車が車両を発見して急停車したため、夫婦ともに奇跡的に軽いけがで済み、大惨事を免れたが・・・。
 「あわや大惨事!」と各紙が報道したが、神奈川新聞は「老々介護」の問題や、高齢ドライバーの精神的・肉体的な衰えから免許更新の問題まで踏み込んだ記事に仕上げた。「交通事故は社会の縮図。事故の背後までしっかり伝えていきたい」と三好さんは力をこめる。



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