MONTHLY THE SAFETY JAPAN●2001年9月号

楽しみながら安全を学ぶ実践型教育

 免許取得の年代である高校生の交通安全教育は、交通社会の責任ある一員として自他の生命尊重と交通社会に貢献できる健全な交通社会人の育成を目指して行なわれています。SJ9月号では実践的な交通安全教育に取り組んでいる4つの高校にスポットを当て、二輪・四輪の実践的教育を中心に、地域との連携を含めた高校の交通安全教育のいまを探っていきます。

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 福岡県公立古賀高校は7月23日(月)、交通教育センターレインボー〈福岡〉で免許取得前の生徒を対象に原付の安全運転研修会を行ないました。古賀高校は1983年から毎年春休みと夏休みを利用して、この研修会を実施しています。
 朝9時スタート。この日のカリキュラムは取り回し、発進・停止、慣熟走行、死角の確認、ブレーキングなど。午後3時を回る頃、研修会は終了しました。
ph  参加した生徒たちは暑さでやや疲れ気味でしたが、「楽しく走れた」と満足そうでした。誕生日になったらすぐに免許が取りたいので参加したという8月生まれの大竹あゆみさんと山崎美代子さん。「四輪車のコースは坂道で風を切って走るのがとても気持ちよかったです。とても楽しかったけど、今日は外の道路と違って、クルマがなかったから怖くなかったんだと思います」と大竹さん。山崎さんは、「乗り始めは少し怖かったけど、乗っていくうちにどんどん楽しくなりました。特にカーブは何度も乗るにつれ、小さく回れるようになりました。(死角の体験では)クルマの死角に入るとバイクは全く見えないのに驚きました。自分の存在をアピールしないといけないと痛感しました」といいます。
ph  引率した米原光章教諭によると、古賀高校ではこうした安全運転研修会のほかに学期ごとに2回、年6回の交通安全に関するビデオ上映や、交通指導員の講話(事故予防、危険予測など)を実施。自分から事故に遭わないように自己防衛の重要性を教えています。また、免許取得者を対象に安全運転テストも行なっています。「この研修会は、子どもたちが隠れてバイクに乗って事故を起こすよりも、マナーや実技など免許取得前にしっかりと勉強させるほうが安心ということで、保護者の方にも好評です。生徒たちには、今日学んだことをこれからの運転に活かして、絶対に事故を起こさない、自分は絶対に人に迷惑をかけないという意識で原付に乗ってほしい」と、米原教諭は強調しました。
 
 今号では、このほかにも実践的な二輪・四輪の参加体験型教育を行なっている静岡県立浜松工業高校(定時制)と神奈川県立相模台工業高校、家庭・学校・地域との連携を重視した交通安全教育を展開する栃木県立栃木商業高校の事例を紹介します。

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