焼きトウモロコシの一番おいしい
焼き方は?!徹底検証してみた!

更新日:2021.09.08

こいしゆうか
糖度計を使って、
焼き上がり後の糖度を比べてみました!

こんにちは!こいしゆうかです。

キャンプやBBQとも相性バッチリの焼きトウモロコシですが、みなさんは、どうやって焼いていますか? わたしはもっぱら焚き火派!皮付きのまま豪快に焚き火に入れて焼くのが、「キャンプ」って感じがして大好きです。

トウモロコシは生で食べてもおいしい食材なだけに、焼き方はあまり気にしていない、という方も多いと思います。でも、インターネットなどで調べてみると「皮が付いたまま直火で焼く」とか「皮をむいてから遠火で焼く」とか、「皮をむいてからアルミホイルで巻いて焼く」とか、いろいろな焼き方が紹介されています。実際、焼き方でどのくらい味に違いが出るのでしょうか?

そこで今回は、同じ種類のトウモロコシをいろいろな焼き方で焼いてみて、焼き方による味の違いを検証!結果をわかりやすく比較するために、糖度計で焼き上がり後の糖度を測って比べてみたいと思います。

今回教えてくれたのは

宮原 悠さん

農業、狩猟、釣漁まで、自らの手で食の探求を行う、自然遊びのオールラウンダー。発酵食を中心としたワークショップを多数開催、親しみやすい科学の知識で、自然の大切さ、生物多様性の重要さを発信している。

3種の焼き方 × 皮付きや皮なしなど
5パターンでチャレンジ!

今回検証する焼き方は「直火」「網焼き(遠火)」「鉄板(強火)」の3つ。さらに焼き方によって、皮付きや皮なし、アルミホイルに巻くなど、トウモロコシのバリエーションも加えた計5パターンで検証します!

直火 × 皮付き、アルミホイル

焚き火に直接トウモロコシを入れる焼き方。皮なしだとすぐに実が焦げてしまうため、皮付きとアルミホイルに巻いた2パターンで検証します。

網焼き(遠火)× 皮付き、皮なし

定番の網焼き。トウモロコシを網の上に置き、遠火でじっくり焼きます。こちらは皮付きに加え、皮なしでもチャレンジ。

鉄板(強火)× 皮なし(カット)

BBQでよく見る鉄板スタイル。丸のままだと満遍なく火を通すのが難しいので、皮なしのトウモロコシを切り分けて焼きます。

おいしいトウモロコシの選び方

おいしいトウモロコシの選び方は、「ヒゲの量が多く、ヒゲの先が茶色に染まっていること」と「皮と実に張りがあること」。トウモロコシのヒゲはその1本1本が雌しべで、つまりヒゲが多いほど実がついている証拠です。張りのないものは萎れている可能性があるので要注意。皮を軽く指で押してみて、弾力があればOKです。

検証前に、今回使用するトウモロコシの糖度を生の状態で測ってみたら、なんと15度もありました!
これは甘いイチゴくらいの糖度だそうです。焼くことでどれだけ変化するのか、楽しみ!

生の状態:糖度15度

検証①:直火 × 皮付き

はじめに検証するのは、焚き火の中に直接入れる調理法。まずは皮が付いたままのトウモロコシをそのまま焚き火へ。

直火に直接入れるなんて大胆な調理法だよね。手間もかからないし、これでおいしくなったら最高だね。

わたしはいつもこの焼き方です。
実が焦げないように時々転がしながら焼きますね。

焼くときのポイント

焚き火の中で時々転がして満遍なく焼く
皮全体が焦げる程度、7分ほど焼いたら完成

できあがり!

大成功!
中は全然焦げてないし、色も濃くなっていておいしそう!

空気と水分を含んだ皮が上手く働いて、蒸し焼きのような状態になったね。早速食べてみて。

甘い!!
それにプリップリ!!

糖度を測ってみようか。

……16.5度くらい?
あれ、食べた印象はすごく甘かったけど、糖度は生の状態からあまり変わってない?

そうだね、あくまで簡易的な糖度計の指標だけど、大きなズレはないと思う。
サツマイモなど多くの野菜は、60℃くらいの温度で加熱するとでん粉が糖化して甘くなるんだけど、現在流通しているトウモロコシの多くは品種改良が進んで、生のままでも甘いものが多いんだ。そのため、熱を加えてもトウモロコシ自体の甘味はあまり変わらない(糖化しない)と言われているよ。

甘くなったと感じたのに…。

人間の舌は温かい方が甘味を感じやすいから、生より甘く感じたんだろうね。

なるほど…。そうなると、他の焼き方でも糖度はあまり変わらないのかなぁ?

直火 × 皮付き:糖度16.5度

検証②:直火 × アルミホイル

続いてアルミホイルに巻いたパターン。皮をむいたトウモロコシをアルミホイルで包み、先ほど同様、焚き火の中に直接入れます。

アルミホイルが熱で溶けないように、ぴっちり巻くのがポイント。破れやすいから2重にしても良いね。
あと、皮付きより熱がダイレクトに伝わるから、常に動かしながら焼くこと。焼き時間も皮付きより短くて大丈夫だよ。

わかりました!
あっ、さっそく香ばしい香りがしてきました。

焼くときのポイント

アルミホイルはぴっちり2重にして巻く
火の中で常に転がして焦げすぎないようにする
約5分焼いたら完成

できあがり!

わー!すごく香ばしい香り!
焦げ具合もちょうど良い!

上手く焼けたね。目を離さず、常に転がしたのが良かったね。味はどう?

香ばしくておいしい!
それに、皮付きより甘いかも??

本当だ、糖度は17度ある。皮付きよりほんの少し上がったね。焦げた見た目からもわかるように、皮付きよりも少し水分が蒸発したんだね。

水分?

さっき、現在流通しているトウモロコシの多くは熱を加えてもあまり糖化しないって言ったけど、トウモロコシ自体が持つ甘さは変わらなくても、水分が減れば、その分甘味が凝縮されて相対的に糖度が高くなるんだ。

煮詰まって味が濃くなる…みたいなものですかね。でも水分もほどほどにあって、すごくおいしいです!

直火 × アルミホイル:糖度17度

検証③:網焼き(遠火)× 皮なし

次は、遠火にした焼き網の上でトウモロコシをじっくり焼きます。

続いては定番の網焼きだね。これは皮付き、皮なしを一緒に焼こう。どちらも20分くらいで火が通るかな。

これも時々転がして焼いてみます。焦げにくいので、直火より忙しくなくて良いですね。

転がすのは5分ごとでOKだよ。

焼くときのポイント

遠火(炭火でも可)で網に乗せる
5分に1度転がして20分焼いたら完成

できあがり!

まずは皮なしの方から食べてみます。

!!!!!

これはすごく甘い!
お菓子みたいな甘さです!!

糖度もすごいよ。なんと27度もある。時間をかけてじっくり熱を加えたことで、焦がさずに多くの水分を抜くことができたね。食感はどう?

正直、食感は…。
今までのみずみずしさから比べると微妙ですね。ちょっとパサパサする。

少し焼きすぎてしまったかな?
水分を蒸発させれば糖度は高くなるけど、その分みずみずしさが損なわれてしまう。ここは好みがハッキリわかれるところだね。
でも、なるべく甘くしたい場合は、皮なしでじっくり焼くのが良さそうだね。見た目で焼け具合がわかるから調整がしやすい。粒にシワが寄りすぎないくらいで止めるのが良いかもね。

網焼き(遠火)× 皮なし:糖度27度

検証④:網焼き(遠火)× 皮付き

皮付きはどうかな?

おいしいです!
皮なしよりも甘さは感じないけど、みずみずしい!
わたしはこっちの方が好きです。直火 × 皮付きの味に近い。

糖度は17度。直火より少しだけ高いね。時間をかけた分、少し水分が抜けたんだね。

忙しいときは調理中の手間がかからない遠火、早く食べたいときはすぐに焼ける直火が良いですね!

そうだね、状況に合わせて使い分けるのも良いね。

網焼き(遠火)× 皮付き:糖度17度

検証⑤:鉄板(強火)× 皮なし(カット)

最後は、皮をむいたトウモロコシを鉄板の上で転がしながら焼きます。

丸のままは難しいから、切ってから焼いてみよう。

鉄板に触れている面がすぐに焦げちゃいます!

鉄板自体の温度が高いから、触れている面はすぐに焼ける。常に転がして満遍なく焼く必要があるね。

今までで一番忙しいかも。

焼くときのポイント

満遍なく熱が伝わるよう、切り分けて焼く
常に転がして焦げないように注意する
約5分で完成

できあがり!

場所によって少し焦げすぎちゃったところもあるけど、結構うまく焼けました。
味は…、意外と甘い!それに香ばしい!みずみずしさもあるかも!?

糖度は20度!全体的なみずみずしさは残しつつ、鉄板に触れたところだけ水分が一気に抜けて甘味が増したんだね。
時間もかからないし、上手に焼けば良いとこ取りができそうだね。

鉄板(強火)× 皮なし(カット):
糖度20度

焼きトウモロコシのおいしい焼き方、結果発表!

5つの検証方法を試した結果、焼き上がり後の糖度は次の通りに。

糖度ランキング

1位 27度:網焼き(遠火)× 皮なし
2位 20度:鉄板(強火)× 皮なし(カット)
3位 17度:直火 × アルミホイル
      網焼き(遠火)× 皮付き
5位 16.5度:直火 × 皮付き

(参考)生の状態:15度
※それぞれの糖度は測定温度を揃えて計測しています。

すごい!
糖度は「網焼き(遠火)× 皮なし」がダントツ!
全体的に皮なしで焼いた方が糖度が高くなっていますね。

包んでいない状態で焼くと、水分が抜けやすいから糖度が上がったんだね。

でも逆に、みずみずしさという点では、皮付きやアルミホイルの方が上でした。わたしはこっちの方が好み。
ちなみに、今回検証した中でのこいし独断の「みずみずしさランキング」はこちら。

みずみずしさランキング

1位:直火 × 皮付き
2位:網焼き(遠火)× 皮付き
3位:直火 × アルミホイル
4位:鉄板(強火)× 皮なし(カット)
5位:網焼き(遠火)× 皮なし

皮付きのまま焼くと、皮が水分を含んでいるため蒸し焼きのような状態になって、みずみずしさを保てる。アルミホイルで巻く手法は、直火に入れたこともあり、皮付きと比べると水分が少し抜けたね。

面白い!
皮なしでじっくり焼くほど甘くなって、皮付きで時間をかけずに焼くほどみずみずしさが保てる!
アルミホイルはバランス型ですね!

「甘さ」と「みずみずしさ」は好みがわかれるところだから、好みや気分に合わせて焼き方を変えるのも楽しいかもね。

こいし流おすすめの焼き方

「甘い」のが好みの方は「網焼き(遠火)× 皮なし」

なんといっても、ダントツの糖度!転がすのが5分に1回くらいで良いので、調理中の手間がかからないのも嬉しい。しかも、見た目で焼け具合がわかるから失敗もしにくい!
鉄板の方がみずみずしさとのバランスは良かったけど、ずっと転がしていなければいけないので忙しいし、すぐに焦げてしまって失敗するリスクも高いのが減点ポイント。

「みずみずしい」のが好みの方は「直火 × 皮付き」

そのまま焚き火に突っ込んで、すぐに焼ける手軽さが魅力!炎に包まれて皮が焦げていく様子がワイルドで、さらに焼き上がってから「上手く焼けているか」ドキドキしながら皮をむくのも楽しい。
甘さや香ばしさも含めたバランスでいうとアルミホイルの方が良かった気がするので、アルミホイルに巻く手間は増えますが、バランス重視の方は「直火 × アルミホイル」がおすすめです。

ただ焼くだけなのに奥が深い!!

ひとつ目の検証が終わった時点では「あまり差が出ないかも」と思っていたので、この結果にはビックリ!
同じ食材をただ焼くだけなのに、「甘さ」や「みずみずしさ」がこんなに変わるなんて、改めて料理の奥深さを感じました。

ちなみに、すでにお察しの方も多いかもしれませんが、今回検証した中でわたしが一番好きな焼き方は、

検証前から変わらず「直火 × 皮付き」。焚き火で焼き上げたあと、さらに遠火でちょっと焼いてコゲを付けると、香ばしさがアップします!

とはいえ、好みは人それぞれ。ぜひみなさんも、好みに合わせて色々な焼き方で焼きトウモロコシを楽しんでみてくださいね!

【おまけ】トウモロコシのおいしい茹で方

ご家庭でトウモロコシを食べるときは、茹でることが多いと思います。
おいしく茹でるポイントは、熱湯に入れるのではなく、水から茹で上げること。中火~強火で火にかけて、ふつふつ沸騰しはじめたら火を弱火にし、3分ほど茹でればできあがり。お湯が沸くのを待つ必要がないので、時短にもなります。
ぜひお試しあれ!

今回の遊び場

赤城山オートキャンプ場
〒371-0247 群馬県前橋市三夜沢町425−1
https://autocamp-akagi.com/

今回登場したクルマ:フィット

※このコンテンツは、2021年9月の情報をもとに作成しております。