寝袋で寝る時の服装は何がいい?
サーモカメラで検証してみた

更新日:2020.09.02

こいしゆうか
服装で暖かさがどれくらい変わるのか、
調べてみました!

こんにちは!こいしゆうかです。

みなさんは、寝袋で寝るときどんな格好をして寝ていますか?
わたしはリラックスした格好で寝るのが好きなんですが、ちょっと肌寒い時は朝方の冷えが心配でダウンジャケットを着て寝ることもあります。でも、ダウンの寝袋なら服装は最低限の防寒で十分とか、ダウンジャケットを着てもあまり効果がない、なんて話を聞いたこともありますし、正直何が正解なのかよくわからない。
そこで今回は、ダウンの寝袋で寝る際、服装でどのくらい暖かさが変わるのかを調査。家で寝る時みたいに最低限の防寒でいいのか、できるだけ暖かい格好をして寝た方がいいのか調べてみることにしました!

今回教えてくれたのは

nap produced by NANGA
スタッフ
加藤一治さん

質の高いダウンシュラフを生産する国内メーカー・NANGAが直営するコンセプトショップ 「nap produced by NANGA」 のスタッフ。登山用品店での勤務経験もあり、海外の展示会などにも足を運ぶアウトドアのプロフェッショナル。

肌着1枚とダウンジャケット、
どれくらい違いがあるかサーモカメラで比較!

ライターの佐久間さんに被験者になってもらい、ダウンの寝袋に肌着だけで寝た場合と、肌着の上にダウンジャケットを着て寝た場合でどのくらい温度差が出るのかを調べます。

私の予想では、ダウンジャケットを着て寝た方がダウンの量が多いから暖かくなると思うけど、どれくらい差が出るんだろう?
サーモカメラで比べてみたいと思います!

計測方法は、肌着・ダウンジャケット、それぞれを実際に着た状態で寝袋に入り、

10分後の肌着表面の温度をサーモカメラで測ります。

計測終了

サーモカメラで撮影した両者の画像を比べてみると…

※表示温度は、中心点の表面温度

あれ?
ダウンジャケットの方がすごい暖かくなると思ったのに、あんまり差がないかも?

ダウンの寝袋もダウンジャケットも、外気をシャットアウトしつつ、体から発せられる熱を逃さないようにすることで保温されます。
ダウンジャケットを着た場合は、ジャケット自体の保温性能によってジャケットの中は暖かくなりますが、その熱が外に出ないから寝袋まで届かないんです。
そのため、実は寝袋自体の保温性能はあまり活かせていないんですよ。

単純にダウンの効果が2倍になるわけではないってこと?

確かに、ジャケットは上半身はとても暖かかったんですけど、どちらかというと肌着だけの方が体全体に暖かさを感じたような気がします。

肌着の方が、体から発せられる熱がより寝袋に伝わったからでしょうね。下の寝袋に入る前と後の各服装の表面温度の比較を見てください。

肌着の表面温度の比較

ダウンジャケットの表面温度の比較

※表示温度は、中心点の表面温度

あっ、本当だ!肌着の方が変化が大きい。
ダウンジャケットの方はファスナー部分(中心点部分)とかはちょっと暖かくなっているけど、全体的にあまり変わってない!

ファスナー部分など表面温度が少し上がっているのは、外気よりも暖かい寝袋内の熱により、表面が外から温められたからでしょう。ダウンジャケットの中の熱は外に出ていないはずです。
きっと寝袋内の温度も、そんなに上がっていないと思いますよ。

寝袋内の温度??

服装で寝袋内の温度が変わる?
調べてみた!

ダウンジャケットを着て寝ると、寝袋内の温度が上りにくい?
服装で本当に寝袋内の温度が変わるのか、次は、いろいろな服装(重ね着)で寝袋に入り、中の温度を調べてみたいと思います。

実験した服装

今回試してみた服装は下記の4パターン。着る物を重ねていって、寝袋内の温度に差が出るのか実験します。

・肌着のみ
・肌着+フリース
・肌着+ダウンジャケット
・肌着+フリース+ダウンジャケット

それぞれを着用して寝袋の中に入り、10分後の寝袋内の温度を計測します。
より違いがわかりやすいように、使用するダウンの寝袋もより高スペックなものにしてみました。

使用した寝袋
NANGA「オーロラライト600DX」(comfort -4℃)

実験の結果はこちら!

寝袋内の温度

・実験前:29.0℃
・肌着のみ:38.1℃
・肌着+フリース:37.2℃
・肌着+ダウンジャケット:35.0℃
・肌着+フリース+ダウンジャケット:34.9℃

うおぉっ!
着ている服装で本当に寝袋内の温度に差が出た!
フリースの時の温度がダウンジャケットより高くなったのは、熱を通すからですか?

そうですね。でも、フリースの上にさらにダウンジャケットを着ても、寝袋内の温度はダウンジャケットだけの時とあまり変っていませんよね。つまり寝袋内の温度は、どれだけ寝袋に熱を伝えられるかで変わるということが言えると思います。

肌着で寝た時が一番寝袋内の温度が高くなったということは、寝袋のスペック内であれば、薄着で寝ても暖かさはあまり変わらないってこと?

保温された状態の「寝袋内」ということであればそうかもしれませんね。
でも、今回は快適な室内での実験で、寝る前から寝袋内がすでに温かい状態だったからいいですけど、冷え切った寝袋の中に肌着1枚で飛びこんだら温まるまでの時間は寒く感じると思います。

確かに。寝袋が冷たすぎて、中でブルブル震えたことある。

それにキャンプの場合は、朝起きて寝袋から出た時のことも考えておく必要がありますよね。いくら寝袋の中が暖かくても、外が寒ければ出た瞬間に冷えてしまうので、どうしても肌着がいい人は寝袋の近くに防寒着を用意しておくのがいいと思います。

なるほど。結局は朝晩のテントの中で快適に過ごせる服装で寝るのが一番ってことですかね。

そうですね。性別や年齢をはじめ、暖かさの感じ方は個人差が大きいところでもありますしね。
今回は夏の室内で使うにはオーバースペック気味な寝袋での実験だったので寝袋内の温度がやや高めに出ましたが、外気温が低くなっても近い温度差にはなるかと思います。スペックにもよりますが、ダウンの寝袋は仮に裸で寝たら体温のプラスマイナス2℃くらいの保温性能がありますよ。

ダウンの保温性能ってすごい!化繊の寝袋でもダウンジャケットを着て寝れば、結構暖かく寝れそうですね。
また、寝袋の中が冷たくなっている場合は、湯たんぽなどで寝袋内をあらかじめ温めておくと最初の寒さを感じずに眠れます

各服装の体感的な寝心地は?
実験を終えての感想

感じ方は人それぞれだと思いますが、参考までに被験者の佐久間さんに各服装で寝てみた感想を聞いてみました。

寝心地は?

肌着のみ

体温がじわじわと寝袋の中を温めているのか、じっくりと暖かくなっていく感じでした。窮屈な感じもなく、寝心地は比較的よかったです。ただ、肌の露出が多いため、ちょっと温度が高くなると寝袋内が蒸れて、肌に寝袋がくっついてベタつく感じがありました。

肌着+フリース

暖かさのバランスとフリース特有の着心地の良さが絶妙で、個人的にはこの服装が一番寝心地がよかったです。フリースが適度に熱を通してくれるからか、寝袋の中もじんわりと暖かくなる印象でした。

肌着+ダウンジャケット

体感的には寝袋に入って最も早く暖かくなったと感じたのですが、単純にダウンジャケットの暖かさだったんですね。暖かいことには変わりないのですが、首周りなどが苦しかったり、伸縮性もないので、寝心地でいうとフリースの方がよかったです。

肌着+フリース+ダウンジャケット

これも暖かかったことに変わりはないのですが、ダウンジャケット単体のほうが、すぐに体感温度が高くなった印象ですね。フリースにジャケットを重ね着することって、あまりやったことなかったのですが、着ぶくれするような感じでとても窮屈。寝心地はあまりよくなかったです。

総評は?

肌着のみ
寝袋のポカポカ感を一番感じられて心地よいが、朝晩の冷え込みに注意!

フリース
ほどよいポカポカ感。よほどの寒さでなければ、これで十分!?

ダウンジャケット
包まれるようなポカポカ感はナシ。遮熱性は高いため、冷気を感じる場合の非常手段に。

個人的には、フリースが一番寝心地がよかったです。

長年の疑問が解決!

キャンプをはじめて十数年…、長年の疑問がやっと解決しました!
ただ着込めばいいというわけではありませんでした。一番重要なのは、寝袋の暖かさを感じるには、熱を通す服装で寝る必要があるということ。暖かさは感じるもののダウンのジャケット+寝袋で単純にダウンの効果が2倍になるというわけではなかったのは、目からうろこでした!
個人的には、肌着に近いほうが寝心地がいいけれども、寒いときはフリースと組み合わせるのが寝袋の保温効果も活かせてちょうどいいかなぁと思いました。
肌寒くなる季節、寝袋の性能を活かしつつ快適な睡眠でキャンプをもっと楽しむぞー!

今回登場したクルマ:フィット
撮影協力:NANGA株式会社トウキョウジュウホウ
※このコンテンツは、2020年9月の情報をもとに作成しております。