高山植物のプリンセスを探しに
ついに礼文島の香深港に到着。キャンプ場も気になるところだけど、楽しみは後にとっておいて、まずはレブンウスユキソウを探しに桃岩展望台に行ってみよう!
展望台の近くの駐車場に車を停めたら、トレッキング用のシューズに履き替えて、いざ出発。
トレイルに一歩足を踏み入れると、ここはもう特別保護地区。日本の国立公園はアメリカなど他の国とは違って私有地を含んでいることが多く、基本的にゲートもなければスタッフが常駐しているわけでもないので、わたしたち一人ひとりの姿勢が大切。だからとっていいのは写真だけ!
一面の緑!緑の絨毯のような草原が、風でサワサワと波打ってる。見たことないお花もたくさん。写真を撮るのに夢中でついつい足を止めてしまう。
展望台に到着。目の前のこの巨大な丸い岩が桃岩なんだね。それにしても、ほんと日本離れした景色。さっきまでいた香深港も見下ろせるし、島の反対側の海まで見えてる。こんなに細長い島なのに、スケールが大きく見えるのはどうしてだろう。
この花はなんだろう? 一つひとつ気になってつい調べちゃう。
最近はキャンプの延長でよくテント泊登山をするようになった。だっていい景色を前にテントを張れる場所を探していたら、条件的に山の上が多かったんだもん。でもどれだけ山に登っても、わたしはピークを目指すことよりも、こうやってお花や珍しい植物を観察しながら寄り道を楽しむほうが好き。
それにしても、お目当てのレブンウスユキソウがなかなか見つからない……。
7月の礼文島の主役とも言われてるのに、最近ずっと暑い日が続いてたからもう終わっちゃったのかな。
あった! これが“日本のエーデルワイス”、レブンウスユキソウなんだね。
真ん中の茶色い部分がお花(頭花)で、白い花びらのように見えるのは実は葉っぱ(包葉)。この綿毛に覆われた葉っぱが、薄雪が積もったように見えるからウスユキソウなんだって。
実際に見てみると、この美しい姿を一目見ようとたくさんのお花好きな人がこの島を目指してくるのもわかる気がする。
子どもの頃に見て大好きになった映画『サウンド・オブ・ミュージック』の影響で、エーデルワイスはどうしても咲いているところを自分の目で見てみたかったんだよね。エーデルワイス柄のバンダナも持っているくらいビジュアルが好き。
でも、せっかくならもっとたくさん咲いているところを見てみたいな。どうせならあの、映画のようなお花畑を見てみたい! 予定とちょっと違うけど、せっかく来たから欲張りたい。レブンウスユキソウの群生地まで行ってみよう!
「レブンウスユキソウ群生地」はトレイルを2kmほど歩いた先にあるみたい。汗だくになりながら林道を登った先には、再び絶景が! 海から吹く風が気持ちいい。標高はたった200mくらいしかないのに、なんだろうね、この迫力は。緯度が高いから?
歩けば歩くほど、日本じゃないみたいな景色に出会える。この島には、わたしがキャンプ旅に求めていることがぎゅ〜っと詰まってる気がする。
レブンウスユキソウの群生地を示す看板のところまで歩き切ると……たくさん咲いてる! 形も一つひとつ全然違うんだね。咲き終わる前に見れて本当によかった!道中絶景も楽しめたし、大満足。