シーズン開幕戦前にはキャンセルとなっていたイタリアGPだったが、シーズン半ばには、プロモーターとイタリア・モーターサイクル協会の話し合いが進み、当初に予定されていたミサノ・サーキットから、カステリオーネ・デルラゴに移され、無事に開催となった。会場はフィレンツェの南に約200キロ、ちょうどローマとの中間地点から、やや東に入った町で、過去にも幾度もグランプリが開催されている。コースコンディションはイタリアらしいハードな土質で、大小のジャンプが多く組み込まれている。
金曜日には雨が降り続き、気温も低めであったが、土曜日の予選には青空が顔を見せて、絶好調のコンディションとなった。ハード路面を得意とするボレーは、予選が始まって15分前後に、1分55.899秒のトップタイムを叩き出した。しかし、30分過ぎにはC.フェデリッチ(Yamaha)が、地元イタリアの声援を受けてトップを奪うも、更にM.ピション(Suzuki)がタイムをアップ。しかしラストラップに、再びフェデリッチがポールポジションを獲得した。トップはフェデリッチの1分54.541秒、2番手にピションの1分54.765秒、そしてボレーは3番手の決勝グリッドを獲得する。
決勝
土曜日の夜、コースには大量の水撒きが行われ、決勝の朝にはマディでスリッピィなコンディションと一変した。主催者はコース場のマディを取り除いたが、コースサイドにはマディ部分が残る。
ホールショットを奪ったのは、ボレーが所属するTeam UFO Honda MartinのチームメイトのJ.ロドリゲス。そしてフェデリッチ、P.バイラー(Yamaha)、ピションと続く。ボレーは、第1コーナーを9番手前後で通過した後にも、ポジションを6番手前後までアップと、オープニングラップから激しいプッシュを見せた。しかし1ラップ目に上位で通過する筈のボレーだったが、ほぼラストポジションに後退と、大幅に遅れて周回する。ボレーは他車と接触して転倒となり、ラストからの再スタートだった。しかし3ラップ目には23番手まで追い上げたが、今度は4ラップ目にエンジンがストップするハプニングに見舞れて、再びラストポジションに逆もどりとなる。
不運続きのボレーだったが、それでも何とか気を取り直して2度目の再スタートを切りレースに復帰する。中盤過ぎには18番手まで追い上げ、更に終盤までにはポイント圏内の15位まで追い上げてゴールしたが、悔しいレース展開を強いられたボレーであった。レースでは5ラップ目にトップを奪ったピションが逃げきり、そして2位には終盤にポジションをアップしたC.リード(Kawasaki)、3位にフェデリッチの順でゴール。
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