第9/10戦、そして第11戦と3週連続で開催されたドイツ大会は、スツッツガルトの北東に約70キロに位置するガイルドルフ。ヨーロッパ的なナチュラルコースだが、土質が粘土質の為に、晴れればカチカチのハード路面となり、雨が降ると歩くのでさえ困難なほどにツルツルと滑る。しかし今回は、開催前にコース場の土を一旦掘り起こす作業が行われており、水撒きも行われた為に、ホコリも少なく、以前よりはベターなコンディション。またスタート位置も変更されている。土曜日の午前中は、どんよりとした曇りだったが、午後からは天気も回復して、コースは再び固くなり、特に走るライン上は、カチカチのコンディション。
ボレーは、中盤戦あたりからマシンのセッティングも決まり、彼本来の走りが戻りつつあり、タイムも上昇中。しかし今度はコースとのトラクショントラブルが相次ぎ、決勝レースでは苦戦をしいられている。そのため今大会は、練習から色々なタイヤをテストしながら、2回のフリー走行ではトップ2のタイムをマークと、好調な滑り出しを見せた。そして予選では、決勝の35分+2周を想定したタイヤをチョイスして、終盤に2分01.761秒の5番手のタイムをマークして、決勝に挑む。トップタイムはリーダーのM.ピション(Suzuki)が1分59.946秒、2番手には第10戦スイスで初勝利を飾ったC.フェデリッチ(Yamaha)が2分00.492秒、3番手に地元ドイツのP.バイラー(Yamaha)が2分01.064秒、そして4番手には何とオーストリア・ローカルライダーのM.ミラノビッチ(Yamaha)が2分01.421秒と健闘。
決勝
ボレーはスタートの第1コーナー手前で、行く手を阻まれて若干に遅れてしまったが、コーナーの出口から第2コーナーまでアウトラインを抜けて、再びポジションをアップして、オープニングラップは4番手と好位置に付ける。トップはリーダーのピション、そしてC.リード(Kawasaki)、バイラー、そしてボレー。しかし4ラップ目にバイラーがラインを変えて転倒、すぐ後ろにいたボレーは、それを避けようとしたが、スリッピィなコースにフロントが取られて転倒。ポジションは一つ下げて5番手で継続するも、トップとのギャップは5秒に広がる。そして次の5ラップ目に再びスリップダウンを強いられたボレーは、ポジションを14番手まで後退してしまう。しかし、ここからボレーの追い上げが凄かった。2ラップで4人をパスして10番手にアップ、そして中盤には8番手、更に終盤には6番手まで追い上げる激しいプッシュを見せてゴールした。トップは逃げ切ったピションが8勝目、そしてランキング2位のG.クロカードはスタートの第2コーナーで転倒して12位のゴールとなり、2人のポイント差が92ポイントとなって、ピションは残り3戦を待たずに初タイトルを決定した。
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