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2001 トライアル世界選手権シリーズ
  第9戦 アンドラ
 
  2001年 7月14〜15日開催 前のレースへ | 次のレースへ  
  天候:晴れのち雨/雨のち晴れ 観客:5,000人/3,000人  
     
  最終戦を前に、ランプキンがシリーズチャンピオン獲得!
Montesa-Hondaで2連勝、自身5度目の世界タイトル!
 
  D.ランプキン、史上初の5年連続シリーズチャンピオン獲得!  
 
 
5度目のチャンピオンを確定したランプキン 両日とも4位になった藤波貴久 2日目のゴール直後、チャンピオンを決定したばかりのランプキン 1日目の表彰式、ランプキン(左)
 
 

イタリア大会にもまして難易度が高かった土曜日のアンドラ大会は、マーク・フレイシャが2勝目をあげた。セクションがやさしくモディファイされた日曜日は、グラハム・ジャービスが優勝した。しかし両日ともに2位に入ったのがランプキン。ランプキンはランキング2位の藤波に63点のポイント差をつけ、残り1大会を残して世界チャンピオンとなった。藤波は、両日ともに4位となっているが、日曜日については、抗議を提出、審議中だ。

 
   

第1日目
フランスとスペイン国境、ピレネー山脈山中に位置するアンドラ。この小さな国で、世界選手権第9戦は開催された。アンドラのこの会場は、ここ数年使われ続けているが、今回の大会に限っては極端に難易度が高く、観客にとってもセクションが遠く観戦しにくい等、さまざまな問題を抱え込んだ大会となってしまった。

金曜日におこなわれたセクションの下見では、選手からセクション設定に対しての不満の声が上がっていたが、オーガナイザーはこれを聞き入れず、セクション変更は行われないまま、土曜日の大会が始まった。

競技前半は水の流れる沢のセクション群である。第1セクションは極端にイージーだったが、第2セクション以降は難しすぎた。トップライダーこそ、まれに3点以内で脱出することができたが、ほとんどのライダーは5点。5点でないとすれば、ベタ足の3点がやっと。世界選手権といえど、むずかしければいいというものではない。これは無用な難易度と思われた。

セクション後半は、沢を離れて乾いた岩と急斜面が舞台となっていたが、ここには多くの危険が待ち受けていた。ほとんど不可能に近い登りは、ライダーにとって危険なだけではない。特に第11セクションは多数の落石があって、観客にとってもたいへん危険なセクションとなった。セクション脱出がまったく不可能と判断した多くのライダーは、セクション入り口に前輪を入れただけで、誰も最後までトライしようとしない。ドギー・ランプキン(Montesa-HRC)とグラハム・ジャービス(Sherco)だけが第11セクションをきちんとトライしたが、しかしあっさりと5点である。

第13セクションもまたハードな登りだった。多くの観客が見守る中、ほとんどすべてのライダーがエスケープ。ランプキンはチャレンジしたが、これまた5点となる。

こんな大会にあって、1ラップ終了時点でトップに立ったのが減点36点のマーク・フレイシャ(Sherco)だった。続いて39点のジャービス、さらにマーク・コロメ(Gas-Gas)が41点。ランプキンは42点、藤波貴久(Montesa-HRC)43点と続く。藤波はイージーな第15セクションで5点をとってしまったのが響いてこの途中経過である。

第2ラップ目に入ったところで、雨が降り始めた。雨はまたたく間に豪雨となり、セクションをシャワーのような勢いで洗い流していく。乾いていたセクションはみるみるスリッパリーに変化した。第2ラップの減点が増えているのはこのせいだ。

こうして条件が悪化する中、ランプキンは持ち前の集中力をもって後半戦に挑み、2ラップ目を40点で消化した。これは2ラップ目のベストスコアとなった。

1ラップ目トップだったフレイシャの2ラップ目は42点、トータル78点はこの日のベストスコアとなった。フレイシャが今季初の優勝。これで世界選手権2勝目となった。ランプキンの追い上げは届かず2位に。そして前戦で優勝したばかりのジャービス(Sherco)が3位となった。藤波はジャービスに遅れること3点で4位となり表彰台を逃してしまった。

第2日目
前日のセクション設定の不手際に反省したか、主催者は8個にも及ぶセクションに変更を加え、セクションは誰にとっても可能性が見えるものとなった。

前日に降り始めた雨は、一晩中激しく降り続いて、朝になってもなお残っていた。こんな中で、この朝の主催者は、いい仕事をしたというべきだ。

前日のトップ4、フレイシャ、ランプキン、ジャービス、藤波の4人は、第3、第4セクションで、多くの時間を割くことになった。というのも、この頃になって雨が上がり、たっぷり濡れたセクションが太陽の力でぐんぐん乾いていたからだ。

ランプキンは集中力を乱して第4セクションで5点。藤波は第6セクションでクラッシュし、川の中に転落してしまった。すべてのセクションが新しくなってしまって、土曜日の経験は生きなかった。日曜日は、また新たな挑戦となったのだ。

ダイビングからの、藤波の復旧はすばらしかった。その後の藤波の集中力と冴えたライディングは、この日のハイライトの一つだった。1ラップを終えて、藤波のスコアは12点、これにマーク・コロメ(Gas-Gas)が14点で続き、ランプキン、ジャービス、フレイシャが16点の同点で並んでいる。

藤波の災難は、今回もっとも簡単だった2ラップ目の第1セクションでの5点となってしまったことだ。藤波のライディングに対し、オブザーバーはマーカーを飛び越したとして5点を宣告したのだ。

理不尽な判定だったが、抗議をしている時間が藤波にはなかった。他のトップライダーと同じく、藤波も2ラップ目は脱兎のごとくセクションを消化していかなければいけなかった。そして他のトップライダーといえば、ほとんどが減点10点以下で2ラップ目をこなしていた。

驚くべきはランプキンの2点、さらにはジャービスの1点だった。2ラップ目のこの結果は、ジャービスが1点差でランプキンを破って優勝を決めたことを意味していた。そしてランプキンはこの入賞で5度目の世界タイトルを決定したのだった。3位はフレイシャで、藤波はフレイシャに続いての4位だった。

藤波は、第1セクションの判定に対し、プロテストを提出した。現時点では、藤波のプロテストが受け入れられたかどうかは明らかになっていない。抗議の結果如何では、藤波は3位、あるいは2位になる可能性もある。

 
 

DAY 1
D.ランプキン(2位)

チャンピオンを決定することを意識した一日だった。決して調子が悪いわけではなかった。しかし、オーガナイザーが、我々のセクション変更の提案をなぜ聞き入れてくれなかったのかは疑問だ。沢のセクションは全体的に難しすぎた。そして後半セクションは難しいどころか不可能だった。誰もトライしない競技なんておかしいと思わないか?

藤波 貴久(4位)
簡単な第15セクションで失敗したことが致命的でした。しかし何よりもフレイシャに負けてしまったこと悔しいです。第2ラップの雨でセクションがさらに悪化して、最悪のトライアルでした。オーガナイズにいろいろ問題点がありましたね。

DAY 2
D.ランプキン(2位)

主催者はセクションの修正について素晴らしい仕事をした。今日の私は1ラップ目にいくつかのミスをしてしまったが、2ラップ目は完璧といってよかった。ジャービスも、とてもすばらしかった。しかし今日は、世界タイトルが獲得できて、たいへんうれしい。これから3週間、バイクとは離れた生活を送ることにするよ。しばしの休暇ってところかな。

藤波 貴久(4位)
今日のライディングはとてもよかった。2ラップ目の第1セクションでは、岩の上のマーカーがなくなっていて、針金だけになっていた。その上を飛んでいったんだ。なぜ5点を宣告されなければいけないのだろう。プロテスト書類は提出した。今はその結果を待っているところだ。フレイシャに勝つか負けるかだから、このプロテストは非常に重要だ。

 
       
 
     
  トライアル世界選手権 第9戦 結果表  
 
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■DAY 1
POS RIDER MAKER LAP 1 LAP 2 PEN. CLE. TOTAL
1 M.FREIXA Sherco 36 42 0 6 78
2 D.LAMPKIN Montesa Honda 42 40 0 6 82
3 G.JARVIS Sherco 39 47 0 5 86
4 T.FUJINAMI Montesa Honda 43 46 0 6 89
5 M.COLOMER Gas-Gas 41 49 0 4 90
6 D.COBOS Montesa Honda 45 46 0 5 91
7 A.RAGA Gas-Gas 46 46 0 5 92
8 J-M.ALCARAZ Montesa Honda 46 48 0 4 94
9 K.KUROYAMA Beta 50 51 0 3 101
10 S.COLLEY Gas-Gas 54 52 0 3 106
11 M.JUSTRIBO Sherco 54 52 0 2 106
12 J.PASCUET Gas-Gas 58 49 0 3 107
13 J.MANZANO Sherco 56 52 0 3 108
14 A.CABESTANY Beta 55 53 3 5 111
15 A.BILBAO Montesa Honda 59 58 0 3 117
16 A.NILSSON Gas-Gas 57 62 0 3 119
17 S.CONNOR Gas-Gas 66 57 0 1 123
18 I.ESCALERA Gas-Gas 65 62 0 1 127
19 J-M.SAEZ Montesa Honda 67 61 0 0 128
20 T.BLAZUSIAK Gas-Gas 65 65 0 0 130
21 S.NAVARRO Montesa Honda 68 62 0 0 130
22 B.HEMINGWAY Beta 67 64 0 1 131
23 V.BAUCE Beta 67 64 0 1 131
24 J.FAJARDO Gas-Gas 66 66 0 1 132
25 F.BOCHET Beta 65 67 0 0 132
26 P.AGOSTONI Montesa Honda 67 66 0 0 133
27 J.BETHUNE Gas-Gas 67 67 0 0 134
28 S.DE RIZZO Gas-Gas 68 68 0 1 136
29 X.LEON Gas-Gas 71 65 0 0 136
30 D.MAURINO Gas-Gas 70 67 0 0 137
31 M.ORIZIO Beta 71 67 0 0 138
32 J.SVOBODA Montesa Honda 71 67 0 0 138
33 A.ANTON Sherco 68 71 0 1 139
34 S.LEON Beta 75 65 0 0 140
35 J.GARCIA Beta 73 67 0 0 140
36 D.THORPE Gas-Gas 70 73 0 1 143
37 D.CUERDO Gas-Gas 73 71 0 0 144
38 O.VILA Gas-Gas 70 75 0 0 145
39 C.BRUAND Beta 73 72 2 0 147
 
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■DAY 2
POS RIDER MAKER LAP 1 LAP 2 PEN. CLE. TOTAL
1 G.JARVIS Sherco 16 1 0 22 17
2 D.LAMPKIN Montesa Honda 16 2 0 22 18
3 M.FREIXA Sherco 16 5 0 23 21
4 T.FUJINAMI Montesa Honda 12 10 0 19 22
5 M.COLOMER Gas-Gas 14 9 0 15 23
6 D.COBOS Montesa Honda 24 10 0 16 34
7 A.CABESTANY Beta 23 12 0 16 35
8 J.PASCUET Gas-Gas 21 14 0 16 35
9 K.KUROYAMA Beta 26 11 0 14 37
10 A.RAGA Gas-Gas 21 21 0 14 42
11 M.JUSTRIBO Sherco 27 17 0 15 44
12 J-M.ALCARAZ Montesa Honda 28 18 0 13 46
13 S.COLLEY Gas-Gas 35 24 0 12 59
14 A.BILBAO Montesa Honda 30 29 0 10 59
15 J.MANZANO Sherco 41 26 0 10 67
16 B.HEMINGWAY Beta 43 29 0 7 72
17 S.CONNOR Gas-Gas 46 30 0 7 76
18 A.NILSSON Gas-Gas 31 48 0 8 79
19 T.TANAKA Beta 44 36 0 6 80
20 B.CAMOZZI Gas-Gas 37 45 0 5 82
21 S.NAVARRO Montesa Honda 47 38 0 6 85
22 I.ESCALERA Gas-Gas 48 38 0 2 86
23 J-M.SAEZ Montesa Honda 49 40 0 4 89
24 V.BAUCE Beta 47 44 0 6 91
25 J.FAJARDO Gas-Gas 50 44 0 4 94
26 S.LEON Beta 57 39 0 1 96
27 T.BLAZUSIAK Gas-Gas 58 40 0 3 98
28 X.LEON Gas-Gas 54 47 0 2 101
29 P.AGOSTONI Montesa Honda 58 47 0 2 105
30 J.GARCIA Beta 59 47 0 2 106
31 F.BOCHET Beta 60 49 0 1 109
32 D.MAURINO Gas-Gas 59 51 0 1 110
33 J.BETHUNE Gas-Gas 61 49 1 1 111
34 M.ORIZIO Beta 65 47 0 1 112
35 J.SVOBODA Montesa Honda 60 53 0 1 113
36 D.THORPE Gas-Gas 58 60 0 2 118
37 S.DE RIZZO Gas-Gas 62 57 0 0 119
38 C.BRUAND Beta 67 53 0 1 120
39 A.ANTON Sherco 66 56 0 2 122
40 D.CUERDO Gas-Gas 65 61 0 0 126