第1日目
'01年世界選手権は最終戦を迎えた。会場はチェコの西部にあるKramolineという町、昨年も世界選手権に使用された会場である。しかも昨年と同じく今回も雨が降り続いており、土はたっぷりと水分を含み、滑りやすいセクションになっていた。
雨のために、セクションは易しい設定がされた。しかしトップライダー達には易しすぎるものだった。したがって、ちょっとしたミスが順位に大きく響くことになる。1点たりともミスできない精神戦が続いていった。
雨の降り注ぐ1ラップ目。既に今シーズン、5度目の世界タイトルを確定しているドギー・ランプキン(Montesa-HRC)は、得意のスリッパリーなセクションを誰よりも確実なテクニックでクリーンを続けていた。
藤波貴久(Montesa-HRC)は好調に1ラップ目を終えようとしていたが、最終の人工セクションでセクションテープから飛び出してしまい5点をとってしまう。
1ラップ目終了時、ランプキンは僅か2点で終了する。続いてダビデ・コボス(Montesa-HRC)、マーク・フレイシャ(Sherco)が7点、アルベルト・カベスタニー(Beta)が8点、アダム・ラガ(GasGas)、グラハム・ジャービス(Sherco)が9点と続く。簡単なセクションだけに僅差で並んでいる状態だ。
2ラップ目も変わらず雨は続いた。セクションは相変わらず良く滑るので気を抜けない。そして2ラップ目に予想外の展開が起こった。ランプキンは何と2度も5点をとってしまい、2ラップ目を計15点で消化、合計17点でゴールしたのである。
その隙をついて2ラップ目をトップで回ったのは4点のラガである。ラガは合計13点でゴールし優勝を決定した。ラガの優勝は今季2度目である。
続いてジャービスが6点でゴール、合計15点で2位に。そしてカベスタニーが合計16点で3位となった。
17点でゴールした者はランプキンと藤波を含めて4名。順位はクリーン数と1点の数で順位が決められた。
第2日目
2日目、易しすぎるという選手側の指摘から、主催者はセクションを難しく手直しをする。しかし競技途中から雨が上がり、グリップが回復したことも重なり、変わらずイージーセクションの神経戦が続いた。
1ラップ目のスコアは、トップが1点のカベスタニー、2番手は2点のジャービス。3番手は3点のランプキンだ。そしてラガと黒山健一(Beta)が5点、藤波貴久が6点と続く。このスコアから、2日目もいかに精神戦が続いたかが想像できよう。
2ラップ目に入ってすぐ、第1セクションでトップだったカベスタニーが5点になり、優勝争いから脱落。この後にミスしない者が表彰を争う図式となった。
今日のジャービスは実に冷静で確実なライディングを続けている。そしてランプキンも昨日のようなミスはなく、いつものランプキンらしい集中力を発揮している。このイギリス人2人に優勝争いは絞られていった。1ラップ目のジャービスの1点リードをランプキンがどう詰めるかが焦点である。
結果的にランプキンとジャービスは2ラップ目を同点の2点で消化。1ラップ目に1点差でリードしたジャービスが優勝を決定。ランプキンは僅か1点差で2位となる。
1ラップ目にトップにいながら、脱落してしまったカベスタニーは合計8点で3位。合計12点のラガが4位、同じく12点の藤波がクリーン差で5位となった。
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