スーパークロスがソルトレークシティで開催されるのは、今回が初めてのことだ。会場となるユタ大学のライスエクルズ・スタジアムは、海抜1,400mほどの所にあって、高地の希薄な空気は、マシンにとってもライダーにとっても初めて直面するファクターだった。また、大学が管理するスタジアムという制約からコース設営が遅れ、金曜日に予定されていたプラクティスがキャンセルされたため、各チームとも当日の短いプラクティス時間のほとんどをキャブセッティングに費やすことになった。
決勝レース、オープニングをリードしたのはマクグラスだった。1コーナーでは、このところ好調だったラスクが転倒し、19番手からの再スタートというハプニングがあった。2番手以下にはカーマイケル、ウィンダム、フェリー、ロンカダ、ラ・ロッコ、トーテリらが控え、トップグループは序盤から激しいトップ争いを繰り広げることになる。
上位陣の中で際立っていたのは、4ストマシンを駆るフェリーだ。3周目にウィンダム、5周目にカーマイケル、6周目にはマクグラスと立て続けにかわしてトップに浮上。その過程はまれに見る激しさで、転倒者こそなかったものの上位4台が接触するハプニングがあったほどだった。6周目のオーダーは、フェリー、ウィンダム、マクグラス、カーマイケルが間隔を置かずに並び、その直後にはラ・ロッコが控えていた。
セクションごとにポジションの奪い合いが行われている上位4台のグループに、ラ・ロッコが食い込んだのが8周目。マクグラスをかわして4番手に浮上したラ・ロッコは、フープスのスピードを武器にカーマイケルに迫った。リーダーは9周目にウィンダム、次の周にはカーマイケルと目まぐるしく入れ替わり、2位にはいったん下がったフェリーが返り咲く。
レース後半になると、カーマイケル、フェリー、そして3位に上がったラ・ロッコという形に落ち着いたが、カーマイケルも独走には持ち込めず、予断を許さない展開が続く。終盤になると、フェリーとラ・ロッコがカーマイケルに接近したが、カーマイケルがラストスパートで逃げきり優勝。2位フェリー、3位ラ・ロッコのポジションも変わらないままチェッカーとなった。
1コーナーの転倒から挽回を図ったラスクは、終盤にはセカンドグループまで這い上がり、ウィンダム、マクグラスと立て続けにかわした末に5位でフィニッシュした。
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