スーパークロス最終戦、ラスベガスに臨むチームHondaは、いつもとは趣が異なっていた。まずエースのラスクが、ウィークデーの練習中に転倒で胸を強打し、万全のコンディションでなかったこと。ラスクはプラクティスを2回走ってみたが、大事を取って出走を見合わせることになった。この判断には1週間後にAMAナショナルの開幕戦を控えている事情もあり、ラスクの復帰について心配はなさそうだ。
AMAナショナルには、4ストマシンのCRF450Rが投入されることになっているが、今大会にはその話題のマシンがシェイクダウンを兼ねて一足早くお目見え。ライダーは予定されているフューズではなく、トッププライベーターのボスがCRFのデビューを担った。
また、トーテリのマシンには、前日(5月4日)に封切りされたばかりのユニバーサル映画“The Mummy
Returns”のカラーリングが施され、オールブラックにサソリをあしらった外観が異彩を放っていた。ユニバーサルスタジオにスポンサードされているチームHondaは、今後も同様のスペシャルカラーを採用する方針で、夏にはラスクのマシンが“ジュラシックパーク3”のカラーリングで登場する予定だ。
決勝レースでは、オープニング早々ボスのCRFがトップを快走することとなった。ホールショット賞こそフェリーに取られたが、ボスは1コーナーの立ち上がりでトップに立ち、観衆の注目を浴びる。ボスの背後には、フェリー、マクグラス、カーマイケルといった、いずれもスタートを得意とする面々が控える。1周目を終える頃には、マクグラス、フェリー、カーマイケル、ボスというオーダーに変わるが、ファクトリーライダーと互角に渡り合うボスの健闘は、序盤の見ものとなった。
黒いマシン、黒いウエアが際立つトーテリは、7番手でレースを始めた。一方ラ・ロッコは、1周目のフープス出口で振られた際に追突され、19番手からの再スタートとなってしまった。
レースは途中までマクグラスがリードしていたが、7周目にスピンでバランスを崩すミスがあり、そこを突いたカーマイケルが中盤以降のリーダーとなる。一時はセーフティマージンを持っていたカーマイケルだが、終盤は周遅れをかわすのに手間取り、マクグラスの接近を許しながらの優勝。単独で3位をキープしたフェリーが続いた。
注目のCRFを駆るボスは、11周目にジャンプ着地で手首を負傷してリタイア。トーテリは5位までポジションアップ、ラ・ロッコは7位まで挽回した。
全16戦を終了したスーパークロスシリーズ、Honda勢のランキングはラ・ロッコが3位、ラスクが5位、トーテリが10位という結果となった。
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