このところ表彰台の常連となっているラ・ロッコが、ホールショットのカーマイケルに次ぐ2番手という好スタートを切った。前戦で十八番の猛追撃を見せた際、「あとはスタートだけだ」とコメントしたように、ラ・ロッコの課題がスタートにあったことは本人も認めるところだ。果たして今大会のコースレイアウトは、ゲートから1コーナーまでの距離が短く、スタートで出遅れることが多いラ・ロッコでも比較的得意とする部類だった。
序盤から飛ばすカーマイケルを、ラ・ロッコが離されずに追走する。その背後に続くのは、マクグラス、ラスク、ジョンソン、ボス、ウィンダム……。「レース後半にならないとペースが上がらない」と言われるラ・ロッコだが、この日はスタート直後からベストラップを叩き出す快走を見せた。ちなみにこの決勝レースで54秒台に入れたのは、カーマイケル、ラ・ロッコ、ラスクの3人のみである。
6周目にマクグラスが転倒。代わって3番手にはラスクが上がる。トップを行くカーマイケルは徐々にリードを広げたが、ラ・ロッコも好位置をキープしつつ、久々の優勝を望めるライディングを続けていた。だが後半に差しかかった12周目、ラ・ロッコは前輪のパンクに見舞われてペースダウン。このアクシデントで2番手はラスクに代わり、3番手にはウィンダムが上がった。
ラ・ロッコという強力な追手の脱落で、カーマイケルの独走は決定的となり、ラスクに対するリードは8〜9秒ほど。一方、ラスクは終始背後をマークされてきたウィンダムのラストスパートに屈し、18周目に3位に下がる。カーマイケル、ウィンダム、ラスクの順でチェッカー。パンクの後もスロー走行で周回を重ねたラ・ロッコは、3周遅れの19位に甘んじた。
なお、チームHondaのトーテリは、プラクティスで転倒した際、ヒザに裂傷を負ったため出走を断念。病院で応急処置が施されたが、深い傷がヒザの靭帯に及んでいる可能性もあるため、スーパークロスシーズン中の復帰は難しいかもしれない。
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