前戦のデイトナで表彰台の2位、3位を占めたHonda勢は、上昇気運を維持したままミネアポリスSXに臨んだ。常夏のフロリダとは打って変わり、内陸でしかも北部のミネソタは寒さが厳しい。それでもメトロドームの館内は、暖房と5万5千人の観衆の熱気により、ホットなレースを予感させるムードに満ちていた。
決勝でホールショットを取ったのは、ポイントリーダーのカーマイケル。これに続いたフェリー、ビーラマン、ラ・ロッコ、ラスク、マクグラスらが、序盤から激しいポジション争いを展開する。トーテリはスタートに失敗し、1周目のコントロールラインを16番手で通過した。
4周目にはビーラマンが転倒で脱落し、トップグループはカーマイケル、フェリー、マクグラス、ラスク、ラ・ロッコというオーダーに整理される。このポジションから猛烈なダッシュをかけたラスクが、7周目にマクグラスとフェリーをかわし、2番手にジャンプアップ。5秒ほど前を走るカーマイケルに狙いを定め、ラスクの猛追が始まった。
ラスクの早めのアタックがカーマイケルとの差を徐々に縮め、そのマージンは4秒を切るまでに接近した。ミネアポリスには、今シーズンでも最も深い部類に入るフープスがレイアウトされていたが、レースが後半に差しかかり、これからという12周目、この難所でラスクのマシンがコース脇のスポンジバリアに接触。その際にエンジンをストールさせて、後続に抜かれてしまう。その次の周には転倒で8番手まで後退。この2度にわたるミスで、ラスクは今季初優勝のチャンスを逃してしまった。
これでトップのカーマイケルの優勢は決定的となり、2位にはマクグラス、3位にはラ・ロッコと変わる。一時は7秒の大量リードを築いたカーマイケルだが、終盤は余裕のペースダウン。セーフティリードを保ったままチェッカーを受けたカーマイケルに、マクグラスとラ・ロッコが続いた。
ラ・ロッコは今季3度目の3位入賞。ニューオリンズ以来3戦連続の表彰台と安定している。スタートの出遅れを挽回したトーテリが6位、ラスクが7位という結果だったが、ラスクが序盤から中盤に見せたチャージには、十分優勝に手が届くスピードがあっただけに、まさに痛恨のミスだった。
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