デイトナスーパークロスは、シリーズの中で最もユニークなラウンドだ。野球やフットボール用のスタジアムで、ナイターで行われる他のラウンドとは異なり、唯一ここだけはサーキットで日中に開催される。会場となるのは、デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ。ここは30年前にスーパークロスの原形が発祥した地であり、その伝統により30台という出走台数など、昔ながらのレース形式が今も守られている。サーキットのグリーンに設けられたコースは、ラップタイムが通常のスーパークロスの1.5倍になる長さで、テクニックだけでなく体力が求められるレースである。
長く苦しい決勝レースは、カーマイケルのホールショットで始まった。2番手以下にはトーテリ、フェリー、ビーラマン、ラスクと続く。ラ・ロッコは8番手と出遅れ、背後にマクグラスのマークを受けながらの追撃開始となった。好スタートを切ったトーテリだが、序盤のトップグループのハイペースに合わせることができず徐々に後退、5周目には8位までポジションを落としてしまった。
トップのカーマイケルは早々と独走態勢を築き、2位争いはフェリーとラスクによって展開される。このバトルが激しくなったのが、8周目から10周目にかけて。一度前に出たラスクをフェリーが抜き返すシーンもあったが、10周目にはラスクが2番手の座をひとまず確保。その頃には追い上げてきたラ・ロッコが3番手に浮上し、ラスクを視界に捉えていた。
終盤に入り、依然としてトップを快走するカーマイケルは、16秒のリードを得てクルージングに入る。一方ラスクとラ・ロッコの間隔は15周目あたりから接近し、激しい2位争いとなった。そして迎えた18周目のコーナー手前で、ラスクがあわや転倒というミスを喫し、ベストラインを外した隙をラ・ロッコが突く。残る2周でラスクの反撃を振り切ったラ・ロッコが2位、ラスクが3位でフィニッシュした。
Honda勢が表彰台に2人並び立つのは、今季初めての戦果。ポイントリーダー、カーマイケルの連勝を止めるのは、この2人のどちらかだ。
|