西部での5戦を終え、いよいよ東へ移動したシリーズが、モータースポーツの聖地インディアナポリスを訪れた。温暖だったウエストコーストから一変して、真冬の内陸部では最低気温が氷点下になるほど寒い。そんな中、RCAドームには5万6000人近いファンが詰めかけた。ここ、インディアナポリスはラ・ロッコの地元でもあり、これまでの彼の好調ぶりが観客動員に貢献した面もあるようだ。
決勝レースは、カーマイケルのスタートダッシュで始まった。フェリー、マクグラス、ラスク、ビーラマンと続くトップグループ。1周目トーテリはセカンドグループの8番手、地元の期待を背負うラ・ロッコは、出遅れて12番手からの追撃を開始した。
西部とは異なり、軟質土で造成されたインディアナポリスのコースは轍が出来やすく、今回は特に走行ラインが限定されて抜きどころが少なかった。3番手につけたマクグラスが、フェリーを抜くのに苦労する間に、カーマイケルは着々とリードを広げていく。
上位に変動が起きたのは、20周のレースが後半に差しかかってからだった。11周目、マクグラスがようやくフェリーをかわし、2位に浮上する。一方、中団から追い上げてきたトーテリは5番手、ウィンダムを挟んだ7番手にはラ・ロッコも上がってきた。
13周目にはラスクがフェリーを抜いて3位。16周目、フェリーはトーテリの餌食になり、これでHonda勢はカーマイケルとマクグラスを追う3・4位までポジションアップを果たした。トップのカーマイケルは、すでに10秒ものリードを保って独走態勢。終盤は2位マクグラスをラスクとトーテリが追いかける展開となった。
マクグラスとラスクの差は2秒ほど。手の届く距離ではあったが、ラスクの意識は背後をぴたりとマークするトーテリにも向けられていた。ラスト2周、果たしてラスクとトーテリはテールトゥノーズになる。最終コーナーでは、チームメイト同士がインとアウトに分かれてラストスパート。わずかに前でチェッカーを受けた3位ラスクと、4位トーテリの差は、コンマ2秒という接戦だった。
ラ・ロッコは結局6位に留まり、念願だった地元での優勝は果たせなかった。しかし状況は2週間前に左足を骨折したままの出場だったので、6位という結果は賞賛に値するだろう。
カーマイケルの3連勝、そしてマクグラスの3戦連続2位という結果に終わった今大会、Hondaにとっての収穫はラスクが表彰台に戻ってきたことと、トーテリの復調だろう。2位マクグラスと、3位ラスクを隔てた差は2秒ほど。チャンピオン争いに加わるポテンシャルを、ラスクは示してくれた。翌戦アトランタは、そのラスクのホームラウンドである。
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