今季3度目の開催となるアナハイムには、またしても多数の観客が押し寄せ、恒例のチケット完売という事態となった。シリーズはこの第5戦を一区切りとして、西海岸を離れて東部へ向かう。カリフォルニアのモトクロスファンにとっては、今大会を最後に最終戦のラスベガスまで観戦の機会がなくなるので、これが見納めとなるレースだ。
ライダーには、一ヵ月余りロサンゼルス近郊に陣取った「キャンプ」から打って変わり、翌週からは移動の連続が待ち受けている。ラスクやラ・ロッコのような東部出身のライダーにとっては、いい形で一区切りをつけて、地元へ帰りたい気持ちが大きく作用するラウンドでもあった。
決勝レースは、マクグラスのホールショットで始まった。1コーナーの後に控えるフープスでマクグラスと並びかけ、2番手につけたのがラスク。3番手にはやはり好スタートのウィンダムが控え、この3台が後続を徐々に引き離していく序盤となった。ラ・ロッコは1周目8番手、トーテリは12番手から追撃を開始した。
4周目を迎えると、スタートで出遅れていたカーマイケルがトップグループに追い付き、上位4台による接近戦が繰り広げられるようになる。リーダーのマクグラスと2番手のラスクは、終始1秒前後の間隔を保ったまま。マクグラスは序盤のスパートで独走を築く勝ちパターンに持ち込めず、追う立場のラスクの方が優勢に見える場面もあった。
マクグラス、ラスク、ウィンダム、カーマイケルの間隔が詰まり、混戦の様相を呈し始めた10周目、ラスクがフープスで単独クラッシュするアクシデントが発生した(原因の詳細は不明だが、石などの異物を噛み込んでチェーンが外れた可能性が有力と思われる)。ラスクのリタイアによって、上位陣はマクグラス、これを追走するカーマイケルとウィンダムというオーダーに変わった。
決勝レース20周の半分を消化した時点で、マクグラスのリードは4秒強あったが、2番手カーマイケルは徐々にこれを切り詰め、17周目にはついに前に出た。カーマイケルの先行を許してしまったマクグラスはここで力が尽き、レースは今季3勝目となるカーマイケルのものとなった。
ラ・ロッコはトップグループからはるか後方の4位でフィニッシュ。前週に左足の指を骨折したまま臨んだこのレースでの上位入賞は、持ち味の堅実なレース運びがもたらしたものだ。また、肩の負傷から快方に向かっているトーテリは、今季ベストの6位入賞を果たした。
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