前戦イギリス・ブランズハッチから4週間、長いインターバルを経て開催された第11戦ドイツ大会は、ベルリンとハノーバーのほぼ中間に位置するオシャーズレーベンで開催された。
初開催となった昨年は、エドワーズが予選でPPを獲得、決勝では2レースともに優勝して、タイトル獲得を確実にした大会。今年はランキング2位で、この大会を迎えることになったが、3週間前の鈴鹿8時間耐久レースで優勝しているだけに、開幕前から気合満点。チームメートの岡田忠之も、その鈴鹿8耐でエドワーズとし烈な優勝争いを演じて2位と、ともに登り調子でオシャーズレーベン入りすることになった。
予選初日、フリー走行は雨の中で始まり、ウエットからハーフウエットへと路面が変化する難しいコンディション。ポイントでトップに立つT.ベイリス(D)がトップタイム。そのベイリス(D)を53点差で追うエドワーズが2番手と、し烈なチャンピオン争いを演じる二人が、難しいコンディションのフリー走行から熱い火花を散らした。一方、このサーキットを走るのが初めてとなる岡田は、コースに慣れるために多くの時間を費やし、ウエットという路面もあって15番手で最初のセッションを終えた。
しかし、午後の予選は、ときおり陽が差すまでに天候は回復。路面もドライコンディションの中で行われたが、セッション開始早々に多重クラッシュが発生、オイルがコース上に出たために約45分間の中断。コース上のオイルを処理して予選は再開されたが、この路面状況が走りに大きく影響、選手たちを苦しめることになった。
暫定PPを獲得したのはT.コルサー(A)で、以下、ベイリス(D)、B.ボストロム(D)、R.シャウス(D)と続き、このコースのレコードタイムを持つエドワーズは5番手、初めてドライコンディションでこのコースを走ることになった岡田も6番手に浮上。鈴鹿8時間で優勝争いを演じ、登り調子をアピールすることになった。
予選2日目は、朝からドライコンディション。気温も前日の18度前後から22度前後まで上がり、まずまずのコンディションの中で始まった。そして2回目の予選でトップに立ったのは、ボストロム(D)。以下、コルサー(A)、シャウス(D)、ホジソン(D)、ベイリス(D)と続き、エドワーズは6番手、岡田7番手。ともに決勝に向けてのセッティングを重点的に行い、上位16台によるスーパーポールへと挑むことになった。
そのスーパーポールは、5人の選手が走行した時点で雨となり、50分間12ラップのスーパーポールへと変更。ウエットからドライへと変わる難しいコンディションの中で、ホジソン(D)がPPを獲得。以下、コルサー(A)、シャウス(D)と続き、エドワーズが今季8回目のフロントローにつける4番手。岡田はタイムアタックのタイミングを逃し10番手へとポジションを落とすことになった。
迎えた決勝日。時折り、青空がのぞく天候となったが、第1レース開始時点では気温18度とやや肌寒いコンディション。決勝前に行われたウォームアップではエドワーズがトップタイム、岡田3番手と、本番でのHonda勢の活躍に期待が集まった。
その期待通り、第1レースでホールショットを奪ったのは予選4番手スタートのエドワーズ。昨年の大会でも両レースで優勝と、このコースを得意とするだけに、序盤からぐいぐいとペースアップ。28周のレースで一度も首位を譲ることなくトップでフィニッシュ。今季4勝目を飾った。
その後方では、セカンドグループから抜け出したシャウス(D)が約3秒遅れで2位、3番手にはボストロム(D)。岡田は5台で繰り広げられた4位争いの中で5位でフィニッシュ。10番手という予選グリットと、抜きにくいサーキットの中で大健闘を見せた。
このレースで4勝目を挙げたエドワーズ。対して、ポイントリーダーのベイリス(D)はリタイヤに終わり、二人のポイント差は53点から28点へと縮まり、エドワーズはポイントで3番手のボストロム(D)にも先行、12点差へとリードを広げることに成功した。
第2レースは、第1レースの優勝で勢いに乗るエドワーズがホールショットを奪うが、第1レースの雪辱に燃えるシャウス(D)が好走して今季初優勝。スーパーバイク2連覇に賭けるエドワーズは、第2レースでは深追いせず、手堅く2位を堅持。第1レースでリタイヤしたベイリス(D)が3位に入ったが、ベイリスとのポイント差をさらに縮めて24点差にすることに成功。4位に終わったボストロム(D)には、19点差へとリードを広げた。
一方、岡田は6台に膨れ上がった第3集団でし烈な5位争いに加わり、5位から8位までが1秒差以内という戦いの中で8位でフィニッシュ。表彰台には立てなかったが、好調をアピールして、ラスト2戦に期待を繋いだ。
|