ワールドスーパーバイク第9戦アメリカ大会は、ヨーロッパからアメリカ大陸へと舞台を移し、カリフォルニアのラグナセカサーキットで開催された。
この大会は、日本大会同様、地元アメリカ勢と、ワイルドカード組が、地元の利を生かしてライバルを圧倒する。8戦を終えてチャンピオンシップをリードしているベイリス(D)。それを47ポイント差で追うエドワーズにとっては、是が非でも負けられない大会。今季のチャンピオンシップを見据え、ホームグランプリでの熱い走りに期待が集まった。
一方、岡田忠之は、94年のWGP250cc以来、ラグナセカを走るのは7年振り。スーパーバイクでは初めての走行となるが、登り調子ということもあって、エドワーズ同様、その走りに注目が集まった。
予選初日、暫定PPを獲得したのは、B.ボストロム(D)で、以下、ボストロムの弟でスポット参戦のE.ボストロム(K)、ベイリス(D)と続き、エドワーズが4位。エドワーズは、マシンのセットアップがうまくいかず苦労したが、セッション終了間際に好タイムを出し、辛うじて4位に入った。
対して、久しぶりのラグナセカとなった岡田の初日は、そのほとんどが、サーキットに慣れることに費やされた。ラグナセカは、起伏の大きな難コースで、攻略するのに時間がかかるサーキット。それだけに初日は13番手と出遅れたが、それまで苦労して来たフロントのグリップの感触が徐々に良くなっており、2日目のタイム更新に大いに期待が持てる内容だった。
そして迎えた2日目の予選。暫定PPのB.ボストロムが依然として好調。2回目の予選、スーパーポールともに完璧な走りで今季2回目のPPを獲得。以下、N.ホジソン(D)、T.コルサー(A)、E.ボストロム(K)がフロントローを獲得。エドワーズ6位。2日目になってタイムを上げてきた岡田が8番手と、優勝を狙える位置でスーパーポールに挑むことになった。
そのスーパーポールで、エドワーズはポジションアップを果たせず6番手。しかし、決勝に向けマシンのセットアップも進み、地元の大会で最高のレースを見せると、自信をみなぎらせていた。
岡田は、予選初日の13位から2回目の予選で8番手に浮上。スーパーポールでは9位にポジションダウンしたが、決勝に向けて好感触。本番での巻き返しに期待が集まった。
迎えた決勝日。快晴に恵まれたラグナセカは、気温こそ20度前後とあまり暑くはならなかったが、陽射しが強く、路面温度は50度前後まであがることが予想された。そして決勝前のウォームアップではエドワーズがトップタイム。岡田5番手と、本番での快走に期待が集まった。
第1レース、ホールショットを奪ったのは、N.ホジソン(D)。T.ベイリス(D)、T.コルサー(A)、B.ボストロム(D)と続いた。2列目スタートのエドワーズは7番手、3列目からスタートを切った岡田は、1コーナーで他車と接触して13番手までポジションを落とす苦しいスタート。2周目には、5番手を走行していた柳川明(K)がスリップダウン、それにP.キリ(S)が巻き込まれてともにリタイヤするという激しい戦いとなった。
そしてレースは、中盤までホジソン(D)がリード。コルサー(A)、ボストロム(D)と続き、この3台がトップ集団を形成。終盤になってコルサー(A)はペースが上がらず優勝戦線から脱落。その後方にいたボストロム(D)がコルサー(A)を交わすと、首位を走るホジソン(D)も抜き去ってトップに浮上。そのままトップを守りきって優勝を飾った。
その後方で4位争いをしていたエドワーズは、中盤に、ラグナセカ名物のコークスクリューでオーバーランでポジションを落とし、6位でフィニッシュ。序盤出遅れた岡田は、最終的に8位までポジションを上げてゴールすることになった。
第2レースは、第1レースの優勝で勢いに乗るボストロム(D)が、序盤からペースを上げて2レース連続で地元アメリカ大会を制した。エドワーズは、思うようにペースが上がらず、序盤から苦しい戦いで6位。岡田は予選3列目から好スタートを切って序盤はトップグループの後ろにつけたが、中盤にコークスクリューでオーバーラン。悔しい11位に終わった。
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