初開催となったラウジッツリンクでエドワーズが快進撃。第1レースは好スタートを切ると一度も首位を譲らずにフィニッシュ。ウエットになった第2レースではスタートに出遅れたが、猛烈な追い上げで3位。ランキングも3位から2位に浮上。2連覇に向けて大きく前進した。岡田忠之は、第1レースで3位と健闘して、今季2度目の表彰台をゲット。第2レースでは好スタートを切るも、タイヤチョイスに失敗して9位。しかし、ランキングでは9位に浮上と後半戦に向けて好スタートを切った。
昨年、オープンしたばかりのラウジッツリンク。総工費310万ドイツマルクを掛けて建設された新サーキットは、ふたつのオーバルコースと、インフィールドにロードコースを持つという独特なレイアウト。スーパーバイクが開催されるのは、オーバルコース内側に作られたロードコースで、開幕2日前に合同テストが実施されたが、その独特なレイアウトと安全性など、選手たちからは好評の声が上がっていた。
しかし、予選初日は、朝から断続的に雨が降り続く生憎の天候。初開催のサーキットだけに、選手たちにとっては、厳しいスタートとなった。
そんな状況の中で、フリー走行では、T.ベイリス(D)がトップタイムを叩き出し、以下、エドワーズ、R.シャウス(D)、岡田忠之と続き、Honda勢が好調な出だしを見せた。
そして午後の予選は、目まぐるしく変わる天候に、選手たちは手を焼くことになる。開始早々はウエットだったが、次第に路面が乾いていく。そしてセッション中盤に再び雨が降り始めるという慌しさ。
インターミディエイトからスリック、そしてレインへと、目まぐるしくタイヤ交換が必要なセッションとなり、N.ホジソン(D)が暫定PP。岡田は3番手。エドワーズは10番手につけたが、トップから最下位までが22秒のタイム差という大荒れの初日。タイヤ交換のタイミングがポジションに大きく影響することになった。
2日目は、時折り、日が差すという天候。午前中に行われた2回目の予選では、T.コルサー(A)がトップタイムを叩き出し、T.ベイリス(D)が続く。初日10番手のエドワーズはセッション中に転倒を喫したが、6番手に浮上。岡田はセッティング変更が裏目に出て3番手から10番手にダウン。しかし、トップから12位までが1秒差以内という僅差の中で、スーパーポールに挑むことになった。
そして上位16位までの選手で行われるスーパーポールでは、これまでスーパーポールを苦手としていた岡田が好走。今季初フロントロー獲得の4番手。エドワーズも3番手に浮上と、Castrol
Honda勢としては、今季初めて、二人揃ってのフロントロースタートとなった。
迎えた決勝日。朝から厚い雲に覆われたラウジッツリンクは、小雨がぱらつく微妙な天候だったが、第1レースは、かろうじてドライコンディション。
全車スリックタイヤでグリットについたが、シグナル点灯を待つ間に3列目スタートのG.ラビッラ(K)がエンジンストールというハプニング。このために第1レースは、1周減算の23ラップで再スタートが切られることになった。
しかし、この中断にもかかわらず、3番手スタートのエドワーズは、集中を切らすことなくホールショットを奪うことに成功。追いすがるベイリス(D)に一度も首位を譲ることなく、完璧なレース運びで今季3勝目。スタートに出遅れて、序盤に6番手までポジションを落とした岡田もジリジリとポジションを回復。最後はエドワーズから約3秒遅れの3位でフィニッシュすることに成功した。
この優勝でエドワーズは、ランキング2位に浮上。ランキングトップのベイリスとの差を14点と縮め、今季2度目の表彰台をゲットした岡田も、11位から9位にランキングを上げた。
こうして、第1レースはドライコンディションで行われたが、レース終了後に雨が落ち始める。第2レースは、冷たい雨が降る中での戦いとなった。
その第2レースでホールショットを奪ったのは、PPスタートのホジソン(D)。第1レースでエドワーズに抑えられたベイリス(D)と続いた。
一方、第2レースでも優勝を狙ったHonda勢は、エドワーズがスタートに失敗して混戦の中にもまれる。岡田は5番手とまずまずのポジションにつけたが、タイヤの選択に失敗、ペースを上げられず、苦しい序盤戦となった。
その間に、ベイリス(D)がトップに立ち、ホジソン(D)と続く。ペースの上がらない岡田は、苦しい戦いの中で9番手までポジションを落としたが、一周目12番手と大きく出遅れたエドワーズは、周回を重ねる毎にポジションアップ。トップの2台には大きなリードを許すことになったが、猛烈な追い上げで3番手に浮上。2レースともに表彰台に立つことに成功した。
2レースともに表彰台に立ったエドワーズは、ランキング2位を堅持。ベイリスとの差は再び23とわずかに開いたが、2度目のタイトル獲得は完全に射程圏内。9位の岡田も、ランキング9位をキープして、シリーズ後半戦での反撃体制を築くことに成功した。
|