第6戦イギリス大会は、3日間ともにぐずついた天候となったが、今年も8万人を超える観客を集め、熱気あふれる大会となった。そしてイギリスに本拠地を置くCastrol
Hondaにとっては、日本大会同様、勝利が欲しい大会。必勝を期して初日の予選を迎えることになった。
しかし、世界でもっともスーパーバイクが盛んなイギリス大会は、サーキットを知り尽くしている地元組が伝統的に上位を占める。いまにも雨が降りそうな曇り空、気温15度で始まった初日のフリー走行では、N.ホジソン(D)がトップタイム。2番手にS.ヒスロップ(D)、J.レイノルズ(D)と地元組が上位につけ、エドワーズが4番手とチャンピオンの意地を見せた。一方、スーパーバイクでドニントンを初めて走る岡田は12番手と、慎重な出だしを見せた。そして、天候がやや回復、時折り青空が覗いた午後の予選では、ワイルドカードのヒスロップ(D)が暫定PPを獲得。フリーで12番手の岡田が、走るごとにタイムを上げて6番手に浮上。一方、エドワーズは、セッション開始早々にシケインの縁石に乗り上げてスリップダウン。その転倒の影響で10番手に終ったが、2日目の挽回に期待を残すことになった。
2日目も、依然として地元組が好走。2回目の予選でヒスロップ(D)がトップタイムをマーク。以下、ホジソン(D)、P.キリ(S)と続き、WGP時代に、250ccと500ccクラスで表彰台に立っている岡田が4番手に浮上。エドワーズはタイヤと車体のセッティングに苦しんで11位。そして上位16人で競われるスーパーポールでは、エドワーズが4番手に大きく浮上して見事フロントローを獲得。一方、今年からスーパーバイクに参戦、スーパーポールを苦手とする岡田忠之が13番手にダウンと、厳しいグリッドからのスタートとなった。スーパーポールでトップタイムを叩き出したのは、ワイルドカードのヒスロップ(D)で、地元の観客の熱い声援を受けていた。
迎えた決勝日。朝方まで降っていた雨の影響で、朝のウォームアップはウエット。その後、天候は次第に回復。正午にスタートが切られる第1レースでは、ほぼドライ。しかし、レースはウエットレースを宣言。雨が降っても中断のないレースとなり、さらに、断続的に降る小雨が、タイヤの選択を難しいものにした。そんな状況の中で、エドワーズはスリックに数本の溝を掘ったカットスリックを選択。ホールショットを奪うと、ぐいぐいとペースを上げた。しかし、路面は次第にドライへと変化。タイヤの消耗に苦しんだエドワーズは8周目にホジソン(D)にトップの座を譲り、その後も滑るタイヤと格闘して最終的に5番手までポジションを落とす苦しい戦いを強いられた。
一方、スリックを選択した岡田は、一周目8番手とトップ集団の後方に埋もれたが、その後、じりじりとポジションアップ。終盤には3台による3位争いに加わったが、表彰台にあと一歩及ばず、悔しい4位に終った。優勝したのは予選2番手からスタート、地元の声援を一身に集めたホジソン(D)。
第2レースは、相変わらず小雨混じりの天候となったが、路面は完全にドライ。そしてエドワーズが第1レースに続いてホールショットを奪い、序盤をリードしたが、4周目にホジソン(D)がトップへ。その後、優勝争いは、キリ(S)、T.コルサー(A)の3台に絞られ、キリ(S)が今季初優勝。ホジソン(D)、コルサー(A)と続いた。
そして序盤トップに立ったエドワーズは、第2レースもタイヤのグリップに苦しみジリジリと後退。セカンドグループの中で6位フィニッシュ。一周目12番手と苦しいスタートになった岡田は、その後ジリジリと追い上げて、最後にはエドワーズの後方に迫り、7番手でフィニッシュ。両選手ともに、両レースで貴重なポイントをゲットすることに成功。エドワーズは、ランキングトップのT.ベイリス(D)に両レースで先着。ランキング3位は変わらないが、これまでの30点差を19点差へと大幅に縮めた。岡田もランキング13位から11位へとポジションアップ。中盤戦の巻き返しに期待が集まった。
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