ワイルドカード出場の玉田誠が、PPスタートから2レース連続のパーフェクトウィン。世界の舞台でその速さを見せつけた。伊藤真一は4位/9位と、あと一歩で表彰台に届かず。エドワーズと岡田は、セッティングに苦しみながらも貴重なポイントをゲットした。
前戦オーストラリア大会で1、2フィニッシュを飾ったHonda勢。今季2勝目を挙げたエドワーズ、そして初表彰台に立った岡田に加えて、今大会は、ワイルドカードの出場枠で、玉田誠と伊藤真一の2人が加わる強烈なラインナップ。豪雨に見舞われたフィリップアイランドとは打って変わり、連日、絶好のコンディションの中、Honda勢が大活躍を納めることになった。
予選初日は、ワイルドカード玉田の快走で始まった。フリー走行でいきなり世界の強豪の度肝を抜くトップタイム。予選でもワールドスーパーバイクのサーキットベストタイムをあっさりと塗り変える快走で、暫定PPを獲得。伊藤が2番手と、スポット参戦組が、強烈なパフォーマンスを披露することになった。
対照的に、前戦オーストラリア大会で快走を見せたエドワーズと岡田は、このコースで圧倒的なアドバンテージを持つダンロップ勢の前に苦戦。ディフェンディングチャンピオンのエドワーズは6番手、岡田12番手と出遅れることになった。
そして、2日目2回目の予選と上位16位の選手によるスーパーポールでも、玉田の勢いは止まらず。予選、スーパーポールともに、一度も首位の座を譲らず、見事、ポールポジションを獲得。以下、井筒仁康(K)、T.コルサー(A)、B.ボストローム(D)と続き、伊藤真一が5番手と健闘。タイヤのチョイスに苦しんだエドワーズは8番手、岡田16番手と苦しいポジションからのスタートとなったが、PPスタートの玉田は、予選タイムに匹敵する1分29秒台の好タイムでロングディスタンスを刻むなど、万全の体制で決勝を迎えることになった。
第1レースは、予選3番手のコルサー(A)のホールショットで始まった。以下、ボストローム(D)、井筒(K)と続き、PPスタートの玉田はやや遅れて4番手。しかし、ジリジリとポジションを上げて5周目にトップに浮上。以後、25周のレースで圧倒的な速さを見せて、最後は2位のコルサー(A)に約4秒のリードを築いて、世界戦初優勝を飾った。
その後方では、コルサー(A)と井筒(K)の激しい2位争い。スタート直後の1コーナーの混雑で、オープニングラップ16位と大きくポジションを落とした伊藤が猛烈な追い上げを見せたが、2位争いには届かず、惜しくも4位に終った。
予選でタイヤと路面のマッチングに苦しんだエドワーズは、序盤から苦しい戦いで12位フィニッシュ。そのエドワーズの後方につけた岡田は、レース中盤に、シケインで痛恨のスリップダウン。27番手にポジションを落としたが、猛烈な追い上げで20位でフィニッシュすることに成功した。
第2レースは、第1レースで9位に終ったボストローム(D)がホールショットを奪ったが、すかさず井筒(K)が首位に浮上。芹沢太麻樹(K)、コルサー(A)、玉田と続いた。
第1レースに続いて、第2レースでもやや出遅れた玉田は、第2レースでは落ち着いた戦いぶり。じっくりと追い上げる作戦。中盤まで、井筒、芹沢とトップ集団を形成したが、終盤にさしかかった16周目にトップに浮上。第1レースに続いて、第2レースでも圧倒的な強さで2連勝。ワイルドカードながら、パーフェクトウィンを飾る、非凡な走りを見せつけた。
その後方では、第1レースで惜しくも表彰台を逃した伊藤が、井筒と芹沢に肉薄。18周目に芹沢を交わして3番手に浮上したが、その直後に痛恨のコースアウト。惜しくも9位に終った。
第1レースで苦しい戦いを演じたエドワーズと岡田は、第2レースでも苦悩のレース。岡田12位、エドワーズ13位と、前戦の快走を披露出来ないままレースを終える悔しい一日。しかし、両レースで貴重なポイントをゲットしたエドワーズは、我慢の走りでランキング3位を堅持。岡田も今季ドライコンディションでは初のポイントを獲得して、次戦からの巻き返しに期待を繋いだ。
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