北海道和寒町わっさむサーキットで開催された全日本トライアル選手権第4戦。夏の好天の中、10セクション×3ラップ、持ち時間5時間で行われた。
土の斜面に多数配置された大岩、コンクリートの人工セクションがわっさむのセクションの特徴。今年もテクニカルな連続ステアケースが勝負どころとなった。
第1セクションでハプニングが起こった。黒山健一のクリーンを見届けた藤波貴久が、セクションインしてわずかのところで、後輪を振りライン修正した途端、セクションテープを切り5点になったのである。ライバル黒山がクリーンした直後だけに、藤波は動揺を隠せない。
続く第2セクションでは、先にトライした黒山が3点、そこを藤波がクリーン。第3セクションでは2人共5点になるが、以降2人揃って1ラップ目の全セクションをクリーンしたことにより、黒山が計8点でトップに立った。藤波は10点で2番手。3番手には小川友幸(ベータ)と渋谷勲(ヤマハ)が19点で並んだ。
トップ争いをする藤波と黒山は、相手の走行ラインを確認しようと、なかなか先にセクションインしない。先に入れば相手にラインを見られてしまうし、かといって限られた持ち時間の中、次へ進まなければならない。張りつめた緊張感の中、2人のセクショントライを多くの観客達が見守った。
そこで、第2ラップ目の第3セクションで藤波が本領を発揮する。全員5点の難セクションを見事に1点で走破。(この第3セクション、3ラップ目に成田匠(ヤマハ)も1点を出すが、5点以外で抜けたのは2人のみ)
第3セクションの1点通過をきっかけに、藤波の逆転リード体制に入る。藤波のライディングは、この第3セクションをきっかけに生き生きと見えてくる。さらに、黒山が2ラップ目のイージーな第6セクションで5点のミス。黒山との差はより広がって行った。
完全に勝利へのペースをつかんだ藤波は、3ラップ目でもさらに点数をつめて行き、合計21点でゴール。黒山健一は11点差の32点でゴール。藤波の圧勝となった。小川友幸は合計46点で3位をキープ。4位に渋谷勲、5位に野崎史高、6位成田匠と続いた。
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