残り3戦となった全日本も終盤戦に突入、SBは残り3戦。8月に行われた事前テストでは玉田がトップタイムを記録していた。玉田の援護射撃に伊藤を迎えることが決まり、本番前にテストを行いHondaは万全の体制でTIへと乗り込んで来た。伊藤はスーパーバイク世界選手権以来の初のレース参戦ながら金曜日に行われたテストでは4番手に食い込み貫禄を示す。山口は6番手、玉田は7番手、武田8番手でテストを終えた。
予選は快晴となり暑いくらいの陽気となる。その中で激しいポールポジション(PP)争いを繰り広げたのは山口と玉田だった。終盤トップタイムを出した梁を抜き、山口がレコード更新してトップに立つと、直後に玉田がそのタイムを抜き去り今季4度目のPPを獲得した。山口は2番手、伊藤6番手、武田8番手となる。
決勝は朝から雨が降り続く生憎の天気となる。ウォームアップで、ただ一人1分47秒142と47秒台に伊藤が入れ決勝の期待を大きくする。1分49秒台の武田5番手、1分50秒台の玉田と山口がそれぞれ6番手、7番手に付けた。
決勝は山口がシグナルグリーンと同時に好ダッシュでホールショットを奪う。伊藤も好スタートを決めるが1コーナーで痛恨の転倒をしてしまう。山口はトップに立ちレースをリードする。2番手には梁、加賀山就臣のスズキ勢が続く。その後方から芹沢太麻樹、井筒仁康のカワサキ勢、そして6番手に武田、7番手西嶋修(K)、8番手に玉田でオープニングラップを終える。
山口はリードを広げるが周回遅れが絡み梁との差が詰まり、山口の背後に迫った梁が激しく山口をプッシュし8ラップ目に梁がトップとなる。だが山口も離れない。山口が反撃しようとした瞬間、梁がコースアウト。山口は労せずトップに帰り咲くが、今度はペースアップしてきた芹沢との争いとなる。山口はトップを死守する。最終ラップの攻防で芹沢が1コーナーでトップとなるが山口は勝負しようと果敢にアタックするのだが、最後の勝負所で痛恨のミスでマシンから振り落とされそうになり、追撃できずに芹沢が優勝、山口は無念の2位となった。
追い上げて来た武田と玉田が3位争いを繰り広げる。激しくポジションを入れ替えたふたりだが、武田が3位となり、玉田は4位でチェッカーを受けた。武田にとっては98年以来のSB表彰台となった。タイトルを争うランキングトップの梁がコースアウト復帰後に6位となったことで、ランキング2位の玉田との差が4と詰まり、玉田はチャンピオンの可能性を大きいものとした。
Xフォーミュラーは北川圭一(S)が最終戦を待たずにチャンピオンを決定した。
250、125は第9戦SUGO大会が最終戦となるため、残り2戦の戦いとなる。250は今季初のHonda250マシンの優勝となった。PPは関口太郎(Y)となるが2番手に酒井大作が付け期待を集めた。決勝朝のウォームアップで酒井はトップとなり決勝を迎える。スタートから酒井は飛び出しレースをリード、危なげない走りで優勝を飾った。酒井にとっても250初優勝。2位には横江竜司(Y)。3位には青山博一が入り今季初表彰台。タイトル争いはランキングトップの大崎誠之(Y)が転倒リタイヤとなり、ランキング2位の関口太郎(Y)が5位となったことでポイント差が3となった。
125は過去4戦のTIで3勝を挙げている菊池寛幸が優勝。2位には17歳の大野亮が初表彰台となった。3位にランキングトップの仲城英幸がつけた。仲城とタイトルを争っていた高橋裕紀は朝のウォームアップではトップタイムを記録し期待を集めたが、痛恨の転倒でノーポイントに終わりランキング3位に後退。変わって優勝した菊池がランキング2位に浮上。仲城は高橋の転倒で2位菊池とのポイント差を20としタイトル争いに王手を掛けた。
最終戦となったST600は、すでにチャンピオンを獲得した武田雄一が欠場。レースは高橋英倫(Y)が初優勝を飾った。2位には初参戦となった小西良輝。3位には岡田晃範(K)となった。
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