ベルギーGP予選は、ウェットとドライ路面が交錯する非常にむずかしいセッションになった。そんな中、ラッキーストライク・BAR
Hondaのジャック・ビルヌーブが、今季自己最高の6番グリッドを獲得。チームメイトのオリビエ・パニスは、11番グリッドにつけた。一方ベンソン&ヘッジズ・Jordan
Hondaは、ジャン・アレジが13番手。ヤルノ・トゥルーリはコースインのタイミングが合わず、16番グリッドだった。
前日までとうって変わって、快晴の決勝日朝。しかしやはりスパである。昼過ぎから雲が出始め、各マシンがグリッドに着き終わった頃にはポツポツと雨滴が落ち始めた。それでもドライタイヤで、レースは開始される。
レッドシグナルが点き始めたところで、予選4番手と大健闘したハインツ・ハラルド・フレンツェン(プロスト)、そして最後尾のタルソ・マルケス(ミナルディ)がエンジンストールしてしまう。2人が後方に下がって、約10分後に再スタート。
ところが2度目のフォーメーションラップの直前、今度はポールシッターのファン・パブロ・モントーヤがエンストだ。
2度目のスタートは、全車スムーズに出ていく。モントーヤが最後尾スタートとなり、実質的に4番グリッドとなったビルヌーブだが、1コーナーまでにフィジケラに抜かれ、その後マクラーレンの2台にも先行を許してしまう。トップは、1周目にミハエルが軽々とラルフを抜き去り、みるみる後続を引き離していく。
4周目、後方集団で激しく争っていたアーバイン(ジャガー)とブルティ(プロスト)が接触。2台ともエスケープゾーンを突っ切って、タイヤバリヤに突っ込んでいった。特にブルティのクラッシュの衝撃は激しく、ほとんど減速しないまま4重に組んだタイヤバリヤに激突。マシンが深くめり込んでしまう。コクピットから降りたアーバインもマーシャルとともに、タイヤに埋もれたブルティの救助に向かう。その間にまずセーフティカーが出て、直後に赤旗中断となった。
「ブルティの命に別状はない」と発表があり、赤旗中断時点のポジションで決められたグリッドから、3度目のスタート。ところが2番グリッドのラルフの作業が間に合わず、マシンは台の上に乗ったままでフォーメーション・ラップに出れず、これで最後尾へ。Honda勢はジョーダンのスタートが良く、アレジ、トゥルーリが6、7番手につけた。
フレンツェンをのぞく全員が、1度目のピットストップを終えた15周目。トップは依然としてシューマッハ。そしてフィジケラ(ベネトン)が、20秒以上の差をつけられてはいるもののトップに食い下がり、そして3番手のクルサードにまったく付け入る隙を与えない。
Honda勢では、トゥルーリが6番手。アレジ、ビルヌーブが7、8位と続く。しかしパニスはピット作業後のコースインの際にピットレーンの白線を横切ったとされ、10秒ペナルティ。14位に後退してしまう。
19周目、5位走行中のバリチェロが、シケインでフロントウィングを破損。緊急ピットインの間に、Honda勢の3人がひとつずつ順位を上げる。そして2度目のタイヤ交換を終えた時点で、トゥルーリ、アレジが5、6番手を占める。だがビルヌーブはピットインの間にバリチェロに先行されて、8位に。その後29周目には、ラルフにも抜かれて9位に後退する。
ゴールまであと3周と迫った33周目、5位を走っていたトゥルーリのマシンが、突然白煙を吹き上げて息絶えてしまう。一方アレジはバリチェロには抜かれたものの、背後から猛然とチャージするラルフに対しては、懸命に6位を守る。何度もインを刺そうとするラルフをしのいで、チェッカー。Jordan
Honda移籍後2レース目を、6位入賞。Jordan Hondaに貴重なポイントをもたらした。
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