ドイツGPの予選で、ベンソン&ヘッジズ・Jordan Hondaのヤルノ・トゥルーリは、セッション中に2回しかアタックできなかったことが響いて、10番グリッドに終わった。ハインツ・ハラルド・フレンツェンに代わって出場したリカルド・ゾンタは、15番手。またラッキーストライク・BAR
Hondaのジャック・ビルヌーブ、オリビエ・パニスは、12、13番グリッドからのスタートとなった。
ポールポジションは、ウィリアムズのファン・パブロ・モントーヤが獲得。デビュー12戦目の初ポールだった。また2番手にもラルフ・シューマッハが入り、同チームがフロントローを独占した。
決勝レースのスタート直後、いきなり大波乱が発生する。2列目のミハエル・シューマッハが1コーナー手前で突然スローダウン。ほとんど止まってしまったところへ、16番グリッドのブルティ(プロスト)が突っ込んで、2台は大破してしまう。ブルティのマシンは宙を舞い、2台のアロウズの間にからくも着地。幸い2人のドライバーにケガはなかった。
すぐにセイフティカーの導入サインが出るが、コース上に破片が散乱しており、結局赤旗中断となる。いったんはレースをあきらめていたシューマッハは、これでピットに猛ダッシュ。スタートやり直しとなったため、スペアカーに乗り換えて元のグリッドに復帰できた。
再スタートでは、全車きれいに1コーナーに向かう。しかし第1シケインで、ハイドフェルド(ザウバー)とデ・ラ・ロサ(ジャガー)が絡んでともにリタイヤ。1周目を終えたところで、Honda勢はトゥルーリ、ビルヌーブが9、10番手。トップ2はグリッド通り、ウィリアムズの2台が占める。そして3周目には、フェラーリの2台がこれに続く。
10周目を過ぎて、2ストップ作戦のパニスがペースを上げる。フェルスタッペン(アロウズ)を抜いたあと、1ストップ作戦をとるビルヌーブをパス。続いて12周目の第1シケインで、トゥルーリを抜いて、9番手に浮上する。トゥルーリは次のシケインで抜き返そうとするが、スピン。17位まで順位を落としてしまう。一方のゾンタは、6周目にフェルスタッペンと接触。フロントウィングを破損してピットイン。ウィングを交換したものの、フロント・サスペンションにダメージを負っており、3周後に再度ピットに入って、そのままリタイヤを喫する。
13周目にはアーバイン(ジャガー)がピットイン。そして次の周、5位を走っていたハッキネンがスローダウンしてリタイヤ。これでパニス、ビルヌーブは7、8位に上がる。そして6位を走っていたライコネン(ザウバー)がスローダウン。直後にはアーバインが再度ピットインして、ともにリタイヤ。レースはサバイバル戦の様相を見せてきた。パニスは、17周目に1回目のピットイン。代わってビルヌーブが、6番手に。5位を走るルーベンス・バリチェロと、ほぼ変わらぬペースで周回を重ねる。
この間、1−2を形成するウィリアムズの2台は絶好調。トップのモントーヤは20周目の時点で、3位のミハエル・シューマッハを20秒以上引き離している。そして22周目。2位のラルフに10秒以上の差をつけて、モントーヤがピットイン。ところが給油が上手く出来ずに30秒以上とどまり、5位に転落してしまう。これで2位に上がったミハエル・シューマッハだが、ピットインしてコースに復帰した直後にスローダウン。痛恨のリタイヤだ。
波乱はさらに続く。26周目には、1コーナーを立ち上がったモントーヤのマシンが、白煙を吐いてストップ。さらにその2周後には、給油を終えて出ていったばかりのクルサードが、やはり白煙を上げてリタイヤ。これでビルヌーブは、3位に躍り出る。パニスも5位、すぐ前を行くジャンカルロ・フィジケラ(ベネトン)を追う。そしてトゥルーリは8位だ。
30周目、コース上には11台のマシンが走るのみ。トップはラルフ・シューマッハ。そしてビルヌーブは、依然3位を快走する。2度目のピットインを終えたパニスは、7位。その後ろにトゥルーリがつける。しかしトゥルーリは、残り10周となった35周目、コース上にマシンを止めてリタイヤを喫してしまった。原因は電気系トラブルだった。
残る10台は、結局そのまま52周を走り切り、ビルヌーブは第5戦スペインGPに続く、2度目の3位表彰台を獲得した。これでドライバーズ選手権において、モントーヤに次ぐ7位。コンストラクターズ選手権でも、BAR
Hondaは5位に上がった。
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