カナダGPの予選で、ベンソン&ヘッジズ・Jordan Hondaのヤルノ・トゥルーリが2列目4番手。またラッキーストライク・BAR
Hondaのオリビエ・パニスが、3列目6番手のグリッドを獲得した。いずれも、今季自己ベストの予選結果だった。またフリー走行でトラブルに苦しんだジャック・ビルヌーブも、9番手と健闘した。
一方トゥルーリのチームメイト、ハインツ・ハラルド・フレンツェンは、初日のクラッシュ後軽いめまいを訴え、2日目からテストドライバーのリカルド・ゾンタに交代した。突然の抜擢にもかかわらず、ゾンタは12番グリッドを獲得した。ポールポジションは、フェラーリのミハエル・シューマッハだった。
雲ひとつない快晴下のスタート。ジャック・ビルヌーブがあやうくエンジンをストールしかけるが、なんとかスタートする。しかしこれで9番グリッドから18番手まで順位を落としてしまう。それ以外は、ほぼ順調なスタート。ポールポジションのミハエル・シューマッハを、弟のラルフが追う。
6周目。5番グリッドから3位まで順位を上げていたルーベンス・バリチェロが、ヘヤピンで単独スピン。大きく順位を落としてしまう。これでトゥルーリは4位。そしてすぐ後ろにパニスが迫る。ゾンタも8位につけている。
15周目をすぎ、トップ2は依然としてシューマッハ兄弟。ミハエルは最速ラップを何度か出すが、弟を振り切ることはできない。一方3位のクルサードを追うトゥルーリとパニスは、マクラーレンと変わらぬ快調なペースだ。8位のゾンタは、ハッキネン、モントーヤを押さえて走っている。そしてすぐ後ろには、スピンで大きく出遅れたバリチェロが迫る。
20周目。モントーヤがコーナー立ち上がりでアウト側の壁に接触。すぐ後ろを走っていたバリチェロがそれを避けようとしてスピン。ともに止まってしまう。2台のマシンをコース上から排除する間、セーフティカーが導入される。ビルヌーブはこれで11番手に上がった。
3周後にレース再開。上位陣の順位は変わらない。2回ストップのマシンが、ピットに入り始める。トップのシューマッハ兄弟は交互に最速タイムを叩き出し、3位のクルサードは10秒以上離されてしまう。そしてクルサードから10位のビルヌーブまでの8台も、ほぼ数珠つなぎの展開だ。
ほぼ中盤の35周目。ビルヌーブが最終コーナーを立ち上がったところでスローダウン。そのままコース脇にマシンを止めてリタイヤ。ドライブシャフトのトラブルだった。ジャックは地元GPで、またも結果を出せずに終わってしまった。この前後から、トップの2台が激烈なバトルを繰り広げる。一方4位のトゥルーリも、クルサードのすぐ後ろに迫る。
5位を走行していたパニスに、ブレーキトラブルが発生し、36周目にピットイン。ピットアウトするも、すぐに戻ってきてしまう。その後再びコースに出ていくが、結局リタイヤを喫する。
レースがほぼ3分の2を終えた46周目。コース上には12台しか残っていない。この周、トップのミハエルがピットインし、2位で復帰。そしてトップに立ったラルフが猛然とスパート。その5周後にピットインしたラルフは、ミハエルの前でコースに復帰し、首位を奪った。Honda勢は、ジョーダンの2台だけが残っている。この時点でトゥルーリは5位。ゾンタは10位だ。
57周目。4位を走っていたクルサードのマクラーレンが、白煙を上げながらピットインしてそのままリタイヤ。これでトゥルーリが4位に。3位のハッキネンを追う。ところがチェッカーまであと5周というところで、トゥルーリがペースダウン。数周後にピットインしてリタイヤを喫する。やはりブレーキトラブルだった。
Honda勢でただ1台残ったゾンタは、7位まで順位を上げる。そしてそのまま、チェッカー。入賞こそ逸したが、フレンツェンの代役を十分に果たした。
優勝は、ラルフ・シューマッハ。サンマリノGPに続く、今季2勝目を挙げた。2位に兄のミハエル。そしてハッキネンが、今季初表彰台を獲得した。
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