予選では、Jordan Hondaのヤルノ・トゥルーリが、5番手グリッドを獲得した。トゥルーリが3列目からレースをスタートするのは、今シーズン6戦のうち実に4度目となる。Honda勢は、BAR
Hondaのオリビエ・パニスとジャック・ビルヌーブが、それぞれ10番手と12番手。トゥルーリのチームメイト、ハインツ・ハラルド・フレンツェンが11番手と、トゥルーリ以外はやや揮わない結果になってしまった。ポールポジションは、前戦に続いてミハエル・シューマッハ(フェラーリ)だった。
素晴らしい快晴に恵まれたA1リンク。スタートからとんでもないハプニングが起こった。レッドシグナルが消えた瞬間、各車いっせいに飛び出していく。ところがニック・ハイドフェルド(ザウバー)、ミカ・ハッキネン(マクラーレン)、そしてJordan
Hondaの2台が、グリッド上で立ち往生してしまったのだ。ハイドフェルドとトゥルーリは1周遅れでなんとか出て行くが、フレンツェンはリタイヤ。ハッキネンもかなり遅れて再発進するものの、1周しただけでピットに戻ってきてしまう。これで2周の間、セーフティカーが先導する。
一方上位陣は、ウィリアムズの2台が、ポールポジションのミハエル・シューマッハを1コーナーまでに出しぬいて、ファン・モントーヤがトップに。ラルフ・シューマッハ、ミハエルがあとに続く。BAR
Hondaの2台は、パニス9番手、ビルヌーブ10番手。
7周目、パニスがアーバインを抜いて8番手に。そして11周目には、2位を走っていたラルフが突然ペースダウン。ピットまでなんとかたどり着くが、ブレーキトラブルでそのままリタイヤしてしまう。これでパニスは7番手に。次の周には、最速タイムも叩き出した。一方トゥルーリは、ピットロードから出ていく際、赤信号を無視したために、黒旗失格となってしまう。
14周目。トップを行くモントーヤとシューマッハが、激烈なバトルを展開する。ほとんどあらゆるコーナーで隙を突こうとするフェラーリ。一歩も引かないウィリアムズ。その間に7番手のパニスまでが、ほとんどダンゴ状態になる。
そして16周目。2コーナーのブレーキング競争となったトップの2台は、そのまま譲らず、ともにアウト側に出てしまう。その間にルーベンス・バリチェロ以下パニスまでが、彼らの前に出る。これでトップは、バリチェロ。2位は、アロウズのヨス・フェルスタッペンだ。
5位を走るパニスをシューマッハが猛追するが、パニスはこれをしのいで快走する。その後フェルスタッペンのピットインで、一時は4位までポジションアップ。アーバインを抜こうとして接触、順位を落としていたビルヌーブも、9番手まで上がる。
25周目。パニスがシューマッハにかわされてしまう。そのシューマッハは続いてライコネンも抜き去って、3位に。さらに2位のクルサードを追う。
42周目。パニスを抜いて5位に上がっていたモントーヤが、スローダウン。そのままレースを終える。これで再び、パニスは5位。ビルヌーブも8位に。上位のバリチェロ、クルサード、シューマッハの3台は、ほとんど1秒の間隔しかない。
レース中盤を過ぎ、45周目のパニスを皮切りに、上位陣が続々とピットに入っていく。これでトップに立ったのが、クルサード。50周目までピットインを遅らせたのが、功を奏した形だ。ビルヌーブはピットロードでのスピード違反で、10秒ペナルティを受けるも順位は8位のまま。
結局クルサードがそのまま逃げ切って、今季2勝目を挙げる。パニスはブラジルGPに続く入賞を果たした。また、クルサードを追っていたバリチェロは、チェッカー直前にポジションを譲り、シューマッハが2位でゴールした。
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