予選は気温10℃前後という、4月中旬のイタリアにしては例外的な寒さの中で行なわれた。上空に黒雲が出ていたことから、雨を恐れた各マシンが次々に序盤からアタックを開始する。しかし結局は、終始ドライ路面。セッション終了ギリギリまで待ったドライバーが、おおむね好結果を得た。ヤルノ・トゥルーリもその一人で、マレーシアGPと並ぶ今季最高の5番グリッドを獲得した。オリビエ・パニスも今季自己最高の8番グリッド。ハインツ・ハラルド・フレンツェンは9番手。ジャック・ビルヌーブは11番手だった。
ポールポジションは、デビッド・クルサード(マクラーレン)。ミカ・ハッキネンらと大接戦を繰り広げた末の、今季初めてのポールだった。
この週末初めて、朝から快晴に恵まれた日曜日のイモラサーキット。風は若干強いながらも、気温16℃の好条件でレースが始まった。
レッドシグナルがすべて消えた瞬間、ポールポジションのクルサードが、ホイールスピンという痛恨のミスを犯してしまう。その隙にすぐ後ろにいたラルフ・シューマッハが、2番手のミカ・ハッキネンも押さえて、トップに。5番手のトゥルーリも、クルサードに続いて3位に上がる。さらに3周目には、最終コーナーの立ちあがりでミハエル・シューマッハが遅れ、パニスが6位につける。その後数周は、後続のフェラーリ2台をなんとか押えたものの、9、10周目にリバッツァの入り口で相次いで抜かれて8位に後退してしまう。
ほぼ3分の1が過ぎた20周目。トップは依然として、ラルフ・シューマッハ。2位クルサード、そして3位にはトゥルーリが続く。ラルフはその後も2位との差をジリジリと広げていく。
23周目、パニスのペースが遅くなって、12位に後退する。そして次の周、7番手を走っていたシューマッハが、左前輪のパンクチャーでピットイン。これでビルヌーブが7位に浮上する。その後25周目のトゥルーリを皮切りに、上位陣が次々にピットに入っていく。シューマッハは2度目のピットインで、そのままリタイヤ。32周目には、8番手を走っていたビルヌーブが、突然コース脇にマシンを止めてしまう。原因はエンジントラブルだった。
全員が1回目のピットインを終えたレース中盤の時点で、トップは、なおもラルフ・シューマッハ。2位クルサード、そして3位にはルーベンス・バリチェロが続く。Honda勢はトゥルーリ、フレンツェンが6、7位。ペースの戻ったパニスは11位から追い上げる。
後半は、ほぼ順位固定の膠着状態が続く。動き始めたのは、残り3分の1を切った44周目。まず6位のトゥルーリが、2度目のピットイン。続いてフレンツェン、クルサード、ラルフが入っていく。ラルフはトップを堅持。ところが暫定4番手で48周目にピットインしたチームメイトのファン・モントーヤは、給油装置を抜くのに手間取り、その間にエンジンストール。大幅なタイムロスの後いったんコースインするものの、結局リタイヤしてしまう。これでトゥルーリ、フレンツェンが5、6位に浮上する。
終盤にはクルサードがラルフとの差をやや詰めたものの、結局ラルフが逃げ切って、トップのままチェッカーを受ける。Jordan
Hondaの2台も、そのままのポジションでチェッカーを受け、揃って入賞を果たした。
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