これまでの2戦、4台すべてがトップ10内のグリッドを獲得してきたHonda勢だったが、ここではパニスが11番手、ビルヌーブが12番手と苦戦。ジョーダンにしても、午前中のエンジントラブルが響いて、トゥルーリ7番手、フレンツェン8番手に終わった。
ポールポジションは、7戦連続してフェラーリのミハエル・シューマッハ。隣には弟のラルフ(BMWウィリアムズ)が並び、兄弟初のフロントロー独占が実現した。
グリッドに着く前のラップで、ルーベンス・バリチェロのフェラーリがストップ。走って戻ったバリチェロは、Tカーでかろうじてスタートに間に合った。ところがレッドシグナルが消えた瞬間、グリッド3番手のミカ・ハッキネンがクラッチトラブルでエンジンストール。止まってしまったマシンの片付けに手間取ったために、セイフティカーがコースに出る。
スタートの混乱で、Jordan Hondaのヤルノ・トゥルーリが4番手。そしてハインツ・ハラルド・フレンツェンも6番手に上がる。さらに久々に素晴らしいロケットスタートを決めたジャック・ビルヌーブが、8番手にジャンプアップ。
そしてセイフティカーが引き上げた2周目。4コーナーのブレーキングで、バリチェロがラルフ・シューマッハに追突してしまう。これでHonda勢はトゥルーリ以下、4、5、6位の編隊飛行。さらにスタートで出遅れて13位まで落ちていたオリビエ・パニスも、ザウバーの2台を次々抜くなどして、8周目にはビルヌーブの後ろに付ける。
レース開始後5分には、パラパラと雨が落ちてきたが、走行にはほとんど支障はない。
10周目の時点で、トップはBMWウィリアムズのホアン・パブロ・モントーヤ。3周目の1コーナーでシューマッハに一歩も引かず、首位をもぎ取った。その後も上位陣は、この順位のまま膠着状態が続く。
15周目。やはり1コーナーで、パニスが今度はフレンツェンを抜いて、5番手に上がる。その後もラップあたり1秒のペースで、前を行くトゥルーリとの差を縮めていく。そして21周目の1コーナーで、トゥルーリもパスして、4番手に。一方ビルヌーブは12周目に、早過ぎるピットイン。18位まで順位を落としてしまう。
ほぼレースが3分の1進んだ、25周目。2位を走るシューマッハが最初のピットイン。これでパニスは表彰台圏内の3番手に上がるが、その3周後に同様にピットに入る。ほぼ半分の36周を終わった時点で、トップは依然ノンピットストップのモントーヤ。続いてデビッド・クルサード、シューマッハが続く。そして4、5位にトゥルーリ、フレンツェンが続く。パニスは8位に後退。ビルヌーブは11位。
39周目、独走態勢に入ろうとしていたモントーヤが、周回遅れのフェルスタッペン(アロウズ)に追突されリタイヤという大波乱が発生。トゥルーリ、フレンツェン、パニスが3、4、5位を形成する。その後ジョーダンの2台がようやく相次いでピットに入り、再びパニスが3位に上がる。
ここで雨が本格的に降り始める。ドライタイヤでの走行はあっという間に不可能になり、次々にピットへ。同一チームのクルマが同時に飛び込んで来て、ピットは大混乱に陥った。
ほぼ全員がタイヤを履き替えた時点で、トップはシューマッハ、2位クルサード。ところが50周目の1コーナーで、周回遅れのマシンを真ん中に挟んで両者のブレーキング競争となり、イン側にいたクルサードが、トップを奪う。3位はフレンツェン、4位にトゥルーリが付ける。さらにパニスがジャン・アレジを抜き、6位に。しかし終盤、トゥルーリはペースが落ちて、5位に後退。さらに残り5周の時点で、表彰台目前だったフレンツェンがスローダウン。痛恨のリタイヤを喫してしまう。
残り2周。5位に付けていたパニスが、1コーナーでトゥルーリをパス、4位に上がる。結局そのままチェッカーを受けて、チームに貴重な今季初ポイントをもたらした。トゥルーリもシーズン初入賞。ビルヌーブも終盤追い上げたが、惜しくも入賞に届かず7位だった。
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