今回3月開催となったマレーシアGPは、昨年10月以上に酷暑の週末となった。初日二日目ともに、午前中から灼熱の太陽が照りつけ、午後には40℃近くまで気温が上昇する。そんな過酷な条件下、Jordan
Hondaのヤルノ・トゥルーリが初日フリー走行で、トップタイムを記録。二日目の予選では5番手とやや後退したものの、3列目のグリッドを確保した。また午前中までセットアップに悩んでいたBAR
Hondaのジャック・ビルヌーブも、勝負強さを発揮して7番グリッドを獲得。ハインツ・ハラルド・フレンツェン、オリビエ・パニスも9、10番手と、開幕戦に続いてHonda勢は全員がトップ10内のグリッドを獲得した。
レース開始は現地時間午後3時。この時には、気温は39℃に達していた。ところが、フォーメーションラップを終えてグリッドに付こうとしていたベネトンのジャン・カルロ・フィジケラが立ち往生。スタートは、やり直しに。
約10分後にレースは再スタート。今度はウィリアムズのファン・モントーヤがグリッドから動けずに、Tカーでピットスタート。そしてスタート直後の1コーナーの混乱で、同じウィリアムズのラルフ・シューマッハがスピン。その隙間を縫って、トゥルーリが3番手に、フレンツェンも5位に浮上。
ところが2周目に入ったところで、9番手を走っていたオリビエ・パニスが、マシン後部から火を吹いて止まってしまう。そしてその直後、あっという間に空を覆い始めた黒雲から大粒の雨が。
波乱はさらに続く。1−2体制でトップを走っていたフェラーリのミハエル・シューマッハ、ルーベンス・バリチェロが立て続けにコースを飛び出してしまう。これで3位を走っていたトゥルーリが、待望のトップに。ところが雨は叩きつける勢いになり、路面はまたたくまに川のようになってしまう。セーフティーカーが出動するが、その前後にトゥルーリ、ビルヌーブもスピン、コースアウト。トゥルーリは運良くコースに復帰出来たものの、ビルヌーブはそのままリタイヤとなってしまった。
10周目にレースが再開された時には、コース上には15台しかマシンが残っていなかった。そして上空は、再び晴れ上がっていく。トップはマクラーレンのデビッド・クルサード。そして2位にはフレンツェン。トゥルーリも5位につける。
ところがそれから、ジョーダンの二人はじりじりと順位を下げていく。空は半分が黒雲、半分が青空という状況。ホームストレッチから1コーナー側は路面が乾きかけているが、他の部分は雨が止みきっていない。そんな中、11番手だったシューマッハがものすごい追い上げを見せて、わずか5周で10台をごぼう抜き、トップに立ってしまう。さらにバリチェロもクルサードをかわして、フェラーリが再び1−2態勢に。フレンツェンとトゥルーリは、7、8番手に付ける。
ほぼ中盤。再び雨が降り始めるが、ほとんど走行に影響はない。この頃には、すべてのマシンがドライタイヤに履き替えていた。そして39周目。7位を走っていたフレンツェンが、ハッキネンのミスに乗じて6位に。さらに上を行くラルフ・シューマッハ、ヨス・フェルスタッペンがピットインしたことで4位に浮上する。
フレンツェンはそのまま逃げ切り、4位でチェッカー。開幕戦に続いて連続入賞を果たした。チームメイトのトゥルーリは、8位だった。
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