ヨーロッパから舞台は再びアメリカに戻り、テキサス州ヒューストンのダウンタウンで第18戦が開催。市街地に特設されたコースは大小10のコーナーを持つ一周1.527マイルのストリートコース。パッシングが難しいコースであり、予選順位、ピットタイミングが重要となる。
予選 10月6日(土)
午後1時45分からポイントランキング順に、二つのグループに分けて予選が行われた。昨年のポールシッター、ジル・ド・フェランが59.421秒を記録して2年連続、今年4度目のポールポジションを獲得。チームメイトのエリオ・カストロネベスがセカンドローとなる4番手に着き、1998年のヒューストン初開催時のウイナー、ダリオ・フランキッティが6番手の3列目。10番手にトニー・カナーンが入り、トップ10にHonda勢が4台を占める。マイケル・アンドレッティは12番手、エイドリアン・フェルナンデスが15番手と続き、16番手は雨となった初日午後のセッションで見事トップタイムをマークした中野信治。1999年のヒューストン戦ウイナー、ポール・トレイシーは21番手からのスタートとなり、この第18戦からアレックス・ザナルディの替わりとして、モーナン・レーシングから参戦することになったケーシー・メアーズは、初のストリートコースのレースを25番グリッドからスタートする。ジル・ド・フェランのポール獲得で、Hondaは今シーズン8回目のポールポジション獲得となった。
決勝 10月7日(日)
金曜、土曜と曇り空だったヒューストンだが、日曜日は雲ひとつない青空となり、絶好のレース日和となる。午後1時3分、バックストレートでグリーンフラッグが振られ、100周のレースがスタート。ポールポジションからジル・ド・フェランがパーフェクトなダッシュを見せ、トップを維持したままターン5へ入っていく。
初日からトップタイムを連続していたジル・ド・フェランはレースでも他の追従を許さず、見る見るうちに後続との差を広げる。35周目には2位に10.567秒もの大差をつけ、その4周後の39周目に余裕を持って1度目のピットインを敢行。チームクルーが完璧な仕事をこなし、ジル・ド・フェランをトップのままコースへと送り出した。
ジル・ド・フェランが快調にリードを広げる中、その後方では6番手スタートのダリオ・フランキッティがポジションアップ。ポイントリーダーのK.ブラックを10周目にパスして4位まで上がってきた。現在ランキング6位のダリオ・フランキッティは、得意なストリートコースでなんとしても上位でフィニッシュしたい。
レースの折り返し点を迎えた50周目も、相変わらず独走態勢のジル・ド・フェラン。52周目に発生したイエローコーションで上位陣の一部がピットインしたため、ここでダリオ・フランキッティが2位に浮上する。Honda勢のワンツーのままレースは終盤に突入し、そろそろ2回目のピットインのタイミングが迫ってきた。
どちらが先にピットへ入るか注目が集まる中、77周目にダリオ・フランキッティがピットイン。ところが80周目にコーションとなったことで、そこまで燃料を維持することができたジル・ド・フェランはトップのままでレースに復帰したが、ダリオ・フランキッティは3番手にダウン。しかし残り6周で前を行く2位のマシンがクラッシュを喫し、幸運にもダリオ・フランキッティは2位にカムバックすることができた。
危なげない走りで最後までリードを守りきったジル・ド・フェランは、ダリオ・フランキッティとともにワンツー・フィニッシュ。イギリス戦に続く2連勝を遂げ、見事ポイントリーダーに返り咲く。一方のダリオ・フランキッティもランキング5位に上がり、レースを5位で終えたエリオ・カストロネベスもランキング3位に躍進した。
16位スタートとなった日本期待の中野信治は、44周目のリスタート時にポール・トレイシーにヒットされ、その影響でチームメイトのエイドリアン・フェルナンデスに追突。その4周後に再びポール・トレイシーと接触するなど、アクシデントが続いたが最後まで生き残って15位でフィニッシュした。
今シーズンの7勝目を記録し、マニュファクチャラーズポイントを300にしたHonda。1週間後の第19戦の結果次第では、2001年のマニュファクチャラーズタイトルが決定する。
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