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2001 CARTチャンピオンシップシリーズ
  第17戦 ロッキンガム(イギリス)
 
  2001年 9月22日開催 前のレースへ | 次のレースへ  
  天候:曇りのち晴れ 気温:15℃  
     
  ジル・ド・フェランが最終ラップで大逆転、今季初優勝!
HondaV8ターボ勢は6台がトップ10入りを果たす大活躍!
 
 
 
今季初優勝でイギリス戦初のウイナーに輝いたド・フェラン 各チーム一斉のピットイン 4位、カストロネベスの走り ポディアムで喜びのド・フェラン
 
 

第17戦はイギリスのロッキンガム・モータースピードウェイで開催。路面から水が湧き出るトラブルのため、初日と2日目のプラクティスと予選が中止となり、決勝当日のレース前に90分間のプラクティスが行われる。そのため午後4時45分にレースがスタートし、直後からジル・ド・フェランがトップを走行。途中2位に順位を落とすも、99周目のフルコースコーション下でのピットストップで逆転、トップへ返り咲く。迎えた終盤、ラスト2周で周回遅れに詰まったジル・ド・フェランがK.ブレックに先行を許すが、最後まで諦めずに最終ラップの最終ターンでブレックをパス。見事な大逆転でチェッカーを受けたジル・ド・フェランが嬉しい今季初勝利を飾った。

 
   

ドイツで行われた第16戦のあと、CARTチームはドーバー海峡を渡り、第17戦の舞台となるイギリス・コービーのロッキンガム・モータースピードウェイへ移動。首都ロンドンから北に120kmほどに位置する同コースは、4つのコーナーからなる台形のレイアウトで、バンク角も最大7.9度と浅いのが特徴だ。

予選 9月21日(金)
本来ならば木曜日にプラクティスが2回行われる予定だったが、朝まで降り続いていた雨で路面が乾かずドイツ同様中止。また金曜日に予定されていた午前中のプラクティスと午後の予選も、コース上の数箇所でアスファルトの下に溜まった水がにじみ出るという状態にみまわれ中止となる。そのためスターティンググリッドはドイツ同様ポイントランキングを元に決定され、Honda勢はジル・ド・フェランがフロントロー2番手からスタート。そのうしろのセカンドローにはマイケル・アンドレッティが3番手、エリオ・カストロネベスが4番手につける。地元スコットランドのダリオ・フランキッティが6番手、トニー・カナーンが10番手とHonda勢は5台のマシンがトップ10のポジションからスタート。以下ポール・トレイシーが11番手、エイドリアン・フェルナンデス17番手と続き、中野信治は25番グリッドからのスタートだ。

決勝 9月22日(土)
木曜日、金曜日とまったく走行セッションがなかったことで、CARTオフィシャルは決勝が予定されている土曜日の朝にプラクティスセッションを設定。しかし路面の修復が終わってセッションが始まったのは午後12時15分で、90分間のプラクティスにおいてトニー・カナーンがトップタイムをマーク。前回のドイツに引き続きプラクティスから好調振りを見せた。

プラクティスの時間がずれ込んだため、決勝レースは午後4時45分にグリーンフラッグでスタート。オープニングラップで2番グリッドからスタートしたド・フェランが前を行くK.ブレックをフロントストレートでパス。今シーズンのオーバルレースで初めてトップを走行する。その直後、フロントストレートで4台のマシンが絡むアクシデントが発生。レースはいきなりフルコースコーションとなり、中野信治を含む5台のマシンがピットへ向かった。

9周目にレース再開となると、トップのジル・ド・フェランと2位K.ブレックがトップ争いを展開。3位のマイケル・アンドレッティ以下を引き離し始める。徐々に2位との差を広げるかに見えたトップのジル・ド・フェランだったが、30周目を過ぎたあたりから2位のK.ブレックに追いつかれ、46周目に先行を許してしまう。

92周目、エイドリアン・フェルナンデスがスローダウンしたために出されたフルコースコーションで各マシンが一斉にピットイン。迅速なピットワークにより一足先にコースへ復帰したジル・ド・フェランがトップを奪回。この前にCARTオフィシャルは徐々に迫る日没の時間を考慮し、周回数をさらに減らして140周へと短縮することを決定する。

すべてのドライバーはもうこれで燃料補給をする必要がなくなり、残りの周回数を猛然とダッシュ。トップを行くジル・ド・フェランに、追いすがるK.ブレック。二人の激しい攻防が続く中で迎えたラスト2周、ジル・ド・フェランは目の前に迫る周回遅れのK.ブレックのチームメイトに行く手を阻まれ、一瞬失速した隙を突いてK.ブレックにトップを奪われてしまう。

しかし最後まで勝利を諦めなかったジル・ド・フェランは、ラストラップのターン3で外側からK.ブレックに並び、最終ターン手前でパス。そのままトップをキープしてチェッカーを受け、今季初優勝で記念すべきイギリス戦初のウイナーに輝いた。見事な逆転勝利をものにしたジル・ド・フェランは、これでチャンピオンシップポイントでもトップのK.ブレックにあと僅か6ポイントへと迫る。

一方、25番手グリッドからのスタートとなった中野信治は序盤からアンダーステアに悩まされ、なかなか思い切って走ることができない。序盤のフルコースコーション下でピットストップのタイミングをずらす作戦に出るが、それもうまく行かず苦戦。フラストレーションの溜まるレースを強いられ、17位でのフィニッシュとなった。

 
 

G.ド・フェラン(優勝)
先週のテロ事件やアレックス(ザナルディ)の事故のことを思うと、素直に優勝を祝えない気持ちもある。しかし我々はみな前進して行かなければならない。そんな中、レースそのものが開催できたことはうれしい。みんな全力を尽くしてレースに挑んだ。特にピットストップは素晴らしかった。妻の母国であるこのイギリスで勝利できたことはとても嬉しいよ。

H.カストロネベス(4位)
最後のピットストップがカギだった。チームは瞬時の判断で燃料補給を少なくしてピット作業を早めたんだ。そのために最後の方は全開できなかったことがちょっと苦しかった。でもなんとかフィニッシュできて良かったよ。

M.アンドレッティ(5位)
まずこのような状況下でレースが開催できたことがなによりだった。特に決勝前夜からチーム全員が一丸となって乗り切ったという感じだ。コース上では比較的パッシングが難しかったけど、それも思った程ではなかった。イギリスのファンにプラクティスから決勝までを観てもらうことができて良かったよ。

P.トレイシー(6位)
長いレースウィークだったように感じるよ。とにかくプラクティスと決勝を一日でこなさなくてはならないことが、誰にとっても大変だったと思う。レース中は一度シャシーバランスを調整したあとはハンドリングが良くなった。このサーキットはレースが楽しめるコースだね。

T.カナーン(8位)
レース終盤までは好調だったんだ。でも最後はポール(P.トレイシー)とジミー(J.バッサー)にパスされてしまった。このコースはパッシングが困難だね。もっと前のグリッドからスタートできたら結果は違っていただろう。とにかくレースウィークが終わってホッとしたよ。

D.フランキッティ(9位)
多くのレースファンが初めてのCARTのレースを楽しんでくれたと思う。序盤はマシンのバランスは良かったけど、後半気温の低下によってバランスが崩れてしまったようで、コーナーごとに違う動きが出てしまった。最後のピットストップでもタイムロスしてしまったようだ。

中野 信治(17位)
やはり最後尾からのスタートだと厳しいですね。序盤は前を行くマシンに行く手を阻まれ、アンダーステアもあったのでパッシングが困難でした。そうこうしているうちに周回遅れとなってしまい、なかなか順位を上げられないまま最後まで走るしかありませんでした。

A.フェルナンデス(23位)
最後のピットストップまではマシンは好調だった。ところがピットアウトしたあと、急激にエンジンの調子が悪くなっていき、最後は壊れてしまったようだ。これもレースだから仕方がないけどやっぱり悔しいね。とにかく残りのレースで好結果を出すしかない。

朝香充弘HPD副社長
今日はパワーレースとなり、我々の力強さを十分に見てもらうことができました。アレックスのことをはじめ、このヨーロッパでは色々なことがありましたが、最後に良い締めくくりができて良かったと思います。ヨーロッパでも素晴らしいCARTのレースを見てもらえて良かったですね。この勝利をアレックスにプレゼントしたいと思います。

 
       
 
     
  CARTチャンピオンシップ 第17戦 結果表  
 
POS DRIVER ENTRANT/ENGINE STATUS
1 G.DE-FERRAN Marlboro Team Penske/Honda 153.408mph
2 K.BRACK Shell Team Rahal/Ford Cosworth 0.634sec
3 C.DA-MATTA Newman/Haas Racing/Toyota 14.663sec
※4 H.CASTRO-NEVES Marlboro Team Penske/Honda 6.335sec
5 M.ANDRETTI Team Motorola/Honda 17.056sec
6 P.TRACY Team KOOL Green/Honda 18.919sec
7 J.VASSER Patrick Racing/Toyota 19.060sec
8 T.KANAAN Mo Nunn Racing/Honda 19.740sec
9 D.FRANCHITTI Team KOOL Green/Honda 20.281sec
10 O.SERVIA Sigma Autosport/Ford Cosworth 26.431sec
11 M.PAPIS Miller Team Rahal/Ford Cosworth 26.794sec
12 T.BELL Dale Coyne Racing/Toyota 1Lap
13 R.MORENO Patrick Racing/Toyota 1Lap
14 A.TAGLIANI Player's/Forsythe Racing Team/Ford Cosworth 1Lap
15 B.HERTA Forsythe Championship Racing/Ford Cosworth 1Lap
16 P.CARPENTIER Player's/Forsythe Racing Team/Ford Cosworth 2Laps
17 S.NAKANO Fernandez Racing/Honda 2Laps
18 M.GIDLEY Target Chip Ganassi Racing/Toyota 3Laps
19 M.JOURDAIN Jr. Herdez Bettenhausen/Ford Cosworth 3Laps
20 M.GUGELMIN PacWest Racing Group/Toyota 5Laps
21 M.WILSON Arciero-Blair Racing/Ford Cosworth 5Laps
22 S.DIXON PacWest Racing Group/Toyota 34Laps
23 A.FERNANDEZ Fernandez Racing/Honda 48Laps
24 C.FITTIPALDI Newman/Haas Racing/Toyota 88Laps
25 B.JUNQUEIRA Target Chip Ganassi Racing/Toyota 139Laps
26 T.TAKAGI Derrick Walker Racing/Toyota 139Laps
※CARTルール10.3.6により1ポジションション ダウンのペナルティ
(参考:1mile=1.609344km)