F1世界選手権 全日本GT選手権ロードレース世界選手権スーパーバイク世界選手権全日本ロードレース選手権モトクロス世界選手権全日本モトクロス選手権AMA スーパークロストライアル世界選手権全日本トライアル選手権ル・マン/マン島/鈴鹿8耐
Honda ホームページへ
MotorSports
HondaRacing Topへ
Honda Racing CART
スケジュールへ ランキングへ
2001 CARTチャンピオンシップシリーズ
  第16戦 ジャーマン500(ドイツ)
 
  2001年 9月15日開催 前のレースへ | 次のレースへ  
  天候:曇り時々晴れ 気温:20℃  
     
  CART初開催のドイツ、ユーロスピードウェイでアンドレッティが4位入賞  
 
 
アンドレッティはHonda勢最高位の4位 初めてのCARTヨーロッパ開催のスタート ド・フェランは8位フィニッシュでランキング2位へ 苦戦の中野は無念のリタイヤ
 
 

第16戦はドイツのユーロスピードウェイで開催。一周2マイルのトライオーバルを154周するレースは、アメリカで起きたテロ事件で多数の犠牲者がでたことから“The American Memorial”と改名された。初日は雨となったために予選は行われず、ポイントランキングをもとにグリッドが決定。午後1時56分にスタートしたレースで、2列目からスタートのマイケル・アンドレッティが中盤のフルコースコーション下でピットストップのタイミングを変更し、上位に進出する。しかし終盤に最後のピットストップを終えたアレックス・ザナルディがピットアウト直後に他車と激突し、レースはフルコースコーションのままチェッカー。マイケル・アンドレッティがHonda勢最高位の4位でフィニッシュした。

 
   

第16戦は舞台を初開催となるヨーロッパへ移し、ドイツ・ラウジッツに新設された一周2.023マイルのユーロスピードウェイで開催された。サーキットのあるラウジッツはドレスデンの街から約60キロ北に位置する。コースは3つの長い直線で構成されたトライオーバルで、コース幅が広く路面もスムーズ。最高速度は380キロを超える。

予選 9月14日(金)
あいにくの雨となった初日、予定されていたプラクティスはすべて中止となった。このため2日目をプラクティスに充てる事となり、予選は行わずに現在のランキング順でスタートすることが決まる。しかし翌日の金曜日も朝から雨となってしまい、午後3時30分になってやっと初めてのプラクティスがスタート。2時間に渡って行われたこのセッションでは、トニー・カナーンがトップタイムをマークし、チームメイトのアレックス・ザナルディも2番手に入るなど、モー・ナン・レーシングがワンツーを独占する。スターティング・グリッドはポールポジションがポイントリーダーのジル・ド・フェラン。グリッド2列目にはランキング3位のエリオ・カストロネベスと4位のマイケル・アンドレッティが並ぶ。今回、9月11日にアメリカで発生した同時多発テロの影響で、アメリカから出られなかったマイケル・アンドレッティはチャーター便を利用し、金曜日の朝7時に現地入りしていた。

決勝 9月15日(土)
初めてのCARTヨーロッパ開催とあって、約8万7千人もの大観衆が詰め掛ける。スタート前、アメリカの同時多発テロで亡くなった方々への黙祷が捧げられ、午後1時56分にレースがスタート。オープニングラップでポールポジションのジル・ド・フェランが出遅れるが、4番手からスタートのマイケル・アンドレッティが2番手にジャンプアップする。

レース序盤、マイケル・アンドレッティはチームメイトのダリオ・フランキッティと2位争いを展開。その後方ではプラクティスで好調だったトニー・カナーンとアレックス・ザナルディのコンビが勢い良く追い上げて来る。トニー・カナーンは各マシンが予定のピットストップを終える頃にはすでに6位までポジションアップ。その後64周目のフルコースコーションが出た時点で5位に上がり、チームメイトのアレックス・ザナルディも6位まで躍進してきた。この時点でHonda勢がトップ10に6台も入る健闘ぶりを見せる。

レースも半分以上を消化した80周目、この日2度目のフルコースコーションでマイケル・アンドレッティとダリオ・フランキッティ、中野信治らが早めにピットインを行う作戦に出る。そして95周目にはついにトニー・カナーンがトップに浮上し、アレックス・ザナルディが2位。Hondaのワン・ツー体制が実現した。

トップのトニー・カナーンは106周目にピットイン。114周目に今度はマイケル・アンドレッティがトップに立つといった具合に、順位が何度も入れ替わる。だがこのあとトップグループが予定のピットストップを行うと、124周目にはアレックス・ザナルディがトップに上がった。ここから19周もの間レースをリードするなど、今シーズン一番の活躍を見せる97、98年のCARTチャンピオン、アレックス・ザナルディ。

ところが終盤にピットインして燃料を補給し、再び追い上げようとしていたその直後、アレックス・ザナルディはピットレーン出口で突如マシンのコントロールを失い、スピンしながら本コースに飛び出してしまったところへ他車が激突。時速200マイルにもおよぶ衝撃で、両足に大きなダメージを負ったアレックス・ザナルディだったが、奇跡的に一命は取りとめる。

これでレースはフルコースコーションとなり、そのままチェッカー。最終的にマイケル・アンドレッティが4位入賞を果たし、ポイントランキングでも3位に着けることとなった。

今回25番グリッドからスタートした中野信治は、スタートからポジションアップを試みるが、なかなか順位を上げられず苦戦。それでも粘り強く122周目には18番手まで上がる。しかし143周目に電気系のトラブルでスローダウン。無念のリタイヤを余儀なくされた。

 
 

M.アンドレッティ(4位)
チームの作戦はうまくいったね。スピード的には常にライバル達と対等だったが、燃費で多少の差がついてしまったようだ。今日のレースは誰が一回目の給油までに一番長く走れるかがカギだったと思う。でもまずまずの位置でフィニッシュでき、ポイントを得ることができて良かった。

G.ド・フェラン(8位)
厳しい一日だった。ハンドリングの方がいまいちで思うようなバランスが得られなかった。前半はアンダーステア、後半はボトミングする状態だったんだ。レースが終わったあとでもアメリカで起きたテロ事件のことや、今日のクラッシュのことなど、色々な心配事が絶えないよ。

P.トレイシー(10位)
最初から最後まで気の抜けないレースで、決して楽な一日ではなかったね。最初の作戦では3ストップだった。そのため常に燃料を節約して走らなければならなかったんだ。苦しい状況だったけど、いったんタイヤの圧が上がり、燃料が軽くなったら、多少スピードアップもできた。

H.カストロネベス(12位)
自分にとってはターン2が悪夢だった。特にアンダーステアがひどくなり、ライバル達にどんどんパスされていったのは悔しかったよ。こんな風にレースが終わるのは残念。それにアクシデントで重症となったザナルディのことが心配だ。

中野 信治(22位)
マシンが止まったのは電気系統のトラブルでした。それよりアレックス(ザナルディ)のことが心配です。みな彼のことを思っています。とにかく良くなることを願うしかありません。

A.フェルナンデス(24位)
アレックス(ザナルディ)のご家族もさぞかし不安だと思う。それにしてもひどい事故だった。いま自分たちにできることは、ただ祈ることだけだ。我々はエンジン系統のトラブルで戦線を離れたが、それもアレックスの事故に比べたら、どうってことないことだよ。

D.フランキッティ(25位)
メカニカルトラブルに見舞われ、成す術がなかった。チームの作戦も良かったし、好結果が期待できたレースだっただけにとても無念。観客は素晴らしかったし、レースもコンペティティブな内容だった。これですこしでもアメリカの人達の心が安らいでくれることを願うよ。

 
       
 
     
  CARTチャンピオンシップ 第16戦 結果表  
 
POS DRIVER ENTRANT/ENGINE STATUS
1 K.BRACK Shell Team Rahal/Ford Cosworth 155.319mph
2 M.PAPIS Miller Team Rahal/Ford Cosworth 0.154sec
3 P.CARPENTIER Player's/Forsythe Racing Team/Ford Cosworth 2.804sec
4 M.ANDRETTI Team Motorola/Honda 4.699sec
5 O.SERVIA Sigma Autosport/Ford Cosworth 5.225sec
6 T.TAKAGI Derrick Walker Racing/Toyota 6.410sec
7 T.KANAAN Mo Nunn Racing/Honda 6.647sec
8 G.DE-FERRAN Marlboro Team Penske/Honda 9.262sec
9 S.DIXON PacWest Racing Group/Toyota 9.893sec
10 P.TRACY Team KOOL Green/Honda 10.324sec
11 B.JUNQUEIRA Target Chip Ganassi Racing/Toyota 12.987sec
12 H.CASTRO-NEVES Marlboro Team Penske/Honda 14.929sec
13 T.BELL Dale Coyne Racing/Toyota 18.469sec
14 M.GIDLEY Target Chip Ganassi Racing/Toyota 1Lap
15 J.VASSER Patrick Racing/Toyota 1Lap
16 M.GUGELMIN PacWest Racing Group/Toyota 2Laps
17 M.JOURDAIN Jr. Herdez Bettenhausen/Ford Cosworth 3Laps
18 M.WILSON Arciero-Blair Racing/Ford Cosworth 5Laps
19 C.FITTIPALDI Newman/Haas Racing/Toyota 6Laps
20 A.ZANARDI Mo Nunn Racing/Honda 12Laps
21 A.TAGLIANI Player's/Forsythe Racing Team/Ford Cosworth 12Laps
22 S.NAKANO Fernandez Racing/Honda 12Laps
23 R.MORENO Patrick Racing/Toyota 24Laps
24 A.FERNANDEZ Fernandez Racing/Honda 34Laps
25 D.FRANCHITTI Team KOOL Green/Honda 39Laps
26 C.DA-MATTA Newman/Haas Racing/Toyota 117Laps
27 B.HERTA Forsythe Championship Racing/Ford Cosworth 123Laps
(参考:1mile=1.609344km)