第14戦は前回のミド‐オハイオに続く今年4回目のロードコースでのレース。ミルウォーキーから約70マイル程北に位置するコースは、高低差のある14ターンのサーキットで一周4.048マイルとシリーズ中最も長い。決勝レースは55周、358.3kmに渡って行われる。
予選 8月18日(土)
土曜日の予選は雨が降ったり止んだりする不安定なコンディションで、いつもどおり2つのグループに分けて行われた。終盤、レッドフラッグで中断となったセッションが、残り2分のところでグリーンフラッグとなり再開。この時点でHonda勢はトップ10にすら入っていなかったが、最終ラップでジル・ド・フェランが2分4秒909のタイムで4番グリッドを確保。チームメイトのエリオ・カストロネベスも6番手に上がる。そのうしろ7番手にはマイケル・アンドレッティが着け、17位にトニー・カナーン。オーバーステアに悩まされた中野信治は21位で、アタック中2度コースアウトしたアレックス・ザナルディは23位に終わる。昨年、最後尾からの追い上げで見事レースを制したポール・トレイシーは24位。また昨年のディフェンディングポールウイナー、ダリオ・フランキッティはスピンを喫して25位だった。アタック1周目にスピンしてしまったエイドリアン・フェルナンデスは、26番グリッドからのスタートとなる。
決勝 8月19日(日)
朝から降り続いた雨は決勝前に止んだものの、コースのいたるところに水溜りがあるため、スタートから数周の間をイエローフラッグ下で走行。ようやく5周目にグリーンフラッグでレースがスタートする。ところが10周目にマイケル・アンドレッティが他車と接触し、17位まで後退してしまう。
レースが進むにつれて次第に路面は乾いていき、タイヤをレインからスリックへと交換するドライバーも出始めた。しかしターン11付近には大きな水溜りが残っており、ここでスリックへ交換したばかりのドライバーが相次いでスピン、11周目にフルコースコーションが出される。この事態を重く見たCARTオフィシャルは14周目にいったん赤旗を出してレースを中断、流れ出る水をせき止めるための修復作業を行う。フルコースコーション中にトップグループのドライバーの中でピットインしなかったエリオ・カストロネベスがトップ、中野信治は5位を維持したままピットへ戻った。
午後1時56分、約48分の中断を経てようやくレースは再開、16周目からの再スタートとなる。このあと22周目に出されたフルコースコーションではダリオ・フランキッティ、エイドリアン・フェルナンデス、マイケル・アンドレッティ、中野信治らがピットへ。ここでもエリオ・カストロネベスはピットインせずトップを堅持。この時点で3位に着けていたジル・ド・フェランも33周目には2位に浮上し、前戦に続くペンスキーのワン・ツー体制となった。
序盤の度重なるフルコースコーションでタイムレースとなるのは必至とみられた35周目、グリーンフラッグ下でエリオ・カストロネベスを含むトップグループがピットストップ。この時、すでに先のイエローでピットインしていたマイケル・アンドレッティが3位、そしてエイドリアン・フェルナンデスもトップ5に顔を出す。
2時間のタイムリミットが迫ってきた41周目、マイケル・アンドレッティがピットインして燃料だけを補給し3位でコースに復帰する。ここでもしぶとくピットインせずに2位に上がったエイドリアン・フェルナンデスは燃料をセーブしながらの走行で、トップになかなか追いつけない。反対にラスト2周のところでマイケル・アンドレッティに先行を許してしまう。
結局このままマイケル・アンドレッティが2位でチェッカーを受け、今シーズン3度目の表彰台を獲得。ポイントランキングでも4位に浮上する。また最多リードラップ賞を獲得しながらも7位に終わったエリオ・カストロネベスは、結果的にポイントリーダーへと躍進。今年初めてHondaのドライバーがランキングトップとなった。
予選21番手からのスタートとなった中野信治は、途中のレース中断時点で5位まで上がったものの、その後の再スタートでポジションを落としてしまう。40周目にトップ5へ復活した中野信治だったが、41周目のグリーンフラッグ下でのピットストップで再び順位を下げてしまい、最終的に15位でフィニッシュ。上位入賞は果たせなかった。
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