CART第7戦はデトロイトの市街地仮設ストリートコースで開催。コースは対岸にカナダを見据えたデトロイト川に浮かぶベルアイル島の公園内に設置。14ターンのコースはパスが難しく、予選でのポジションが大きな鍵となる。
予選 6月16日(土)
CARTオフィシャルの突然のポップオフバルブに関するルール変更に対し、Honda勢はこの措置を不服として金曜日の朝のプラクティスをボイコット。午後のプラクティスでは走行したものの、テスト不足が懸念された。しかしそのようなハンディをものともせず、エリオ・カストロネベスが73.499秒で今季3度目のポールポジションを獲得。Honda勢は他にジル・ド・フェランが73.666秒で3位、ダリオ・フランキッティが74.024秒で4位に入ったほか、中野信治も9位に入る健闘ぶりを見せた。以下マイケル・アンドレッティが74.963秒で13番手、エイドリアン・フェルナンデスが75.004秒で15番手、アレックス・ザナルディが75.059秒で16番手と続く。予選セッション中、アクシデントに見舞われてマシンにダメージを負ったポール・トレイシーとトニー・カナーンはそれぞれスペアカーで予選アタックを続行。ポール・トレイシーは23番手で予選を通過するが、トニー・カナーンは脳震盪のため予選アタックを断念、残念ながら決勝は欠場することとなった。
決勝 6月17日(日)
快晴に恵まれた決勝日、レースは午後2時5分にグリーンフラッグ。ポールポジションからスタートしたエリオ・カストロネベスがクリーンなスタートを決め、トップのままターン1を制すると、そのまま2位以下を引き離しにかかる。快調にリードを保つエリオ・カストロネベスに加え、チームメイトのジル・ド・フェランが3位。1999年以来優勝から遠ざかっているダリオ・フランキッティが4位につける。
4周目のフルコースコーション下、予選23番手スタートのポール・トレイシーがHonda勢でただ一人ピットインする作戦に出た。その後30周を境に、グリーンフラッグ下でライバル達が次々とピットインするなか、ポール・トレイシーはトップを狙う。しかしエリオ・カストロネベスが圧倒的なリードで、依然トップをキープ。ポール・トレイシーもやむなく36周目にピットインする。
4度目のフルコースコーション後、グリーンフラッグでレースがラスト7周となった時、2位を走行していたP.カーパンティエの隙をつきダリオ・フランキッティが一気にこれをパス、ここでHondaはワン・ツー体制となる。更にマイケル・アンドレッティ、ジル・ド・フェランらもパスし、それぞれ4位、6位へと順位を上げた。2位へ上がったダリオ・フランキッティは前を行くエリオ・カストロネベスに追いすがるが、エリオ・カストロネベスもラストスパートを掛けて応戦。
結局、スタートから一度もトップの座を譲ることがなかったエリオ・カストロネベスがダリオ・フランキッティに約0.7秒の差をつけ優勝。第2戦ロングビーチと同様のポール・トゥ・ウインとなる完全優勝で今季2勝目を挙げたカストロネベスは、昨年のこのデトロイトでCART初優勝を遂げて以来、恒例となっている“フェンス登り”を再び披露、地元デトロイトのファンから大喝采が上がった。
Hondaは昨年9月の第16戦以来となるワン・ツー・フィニッシュを成し遂げ、依然マニュファクチャラーズポイントでトップを維持。またドライバーズポイントでもカストロネベスがトップにわずか4ポイント差に詰め寄る結果となった。
一方、予選9番グリッドからスタートした中野信治だったが、31周目のピットストップで燃料がうまく入らず、70秒以上のタイムロスで22番手までポジションを下げてしまう。その後中盤以降から徐々にポジションアップを図り、44周目には15位、65周目には13位まで挽回するも、追い上げはそこまで。中野はチームオーナーでもあるエイドリアン・フェルナンデスの真後ろ、13位でレースを終了した。
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