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2001 CARTチャンピオンシップシリーズ
  第5戦 ツインリンクもてぎ(日本)
 
  2001年 5月19日開催 前のレースへ | 次のレースへ  
  天候:晴れ 気温:27℃ 観客:72,000人  
     
  カストロネベスが2位表彰台、マニュファクチャラーズでトップに躍進!
地元期待の中野は一時5位を走行、最終的に8位入賞!
 
 
 
2位カストロネベス(左)と3位カナーン(右) ツインリンクもてぎのスタート 8位入賞の中野走り 7万2千人の観客が集まったツインリンクもてぎ
 
 

シリーズ第5戦は今年で4回目を迎えたツインリンクもてぎで開催。7万2千の大観衆が見守る中、午後12時半からスタートした決勝レースで、ポールポジションのエリオ・カストロネベスが前半をリードする。中盤に入ってもHonda・ターボV8勢はトップ10に7台が走行するという圧倒的な強さを発揮。エリオ・カストロネベスはレースをリードしながらも、燃料をセーブする走りで後半に備えた。しかしラスト数周のところでフルコースコーションが発生し、エリオ・カストロネベスは2位のままゴールする。一方、13番手からスタートした中野信治は後半に一時5位を走るなど、地元日本のファンの期待に応える走りを披露。最終的に8位でフィニッシュした。

 
   

予選 5月18日(金)
木曜日から始まったプラクティスで、毎回上位を独占したHonda・ターボV8エンジン。快晴となったツインリンクもてぎで迎えた金曜日の予選、初夏を思わせる気温28度という絶好のコンディションのもと、午後1時30分から注目の予選がスタートした。オーバルでの予選は、1台ずつのシングルカー・クオリファイで行われる。

2万1千人もの日本のCARTファンが見守る中、Honda勢のトップを切ってコースインしたのはアレックス・ザナルディだった。1998年以来、久し振りにもてぎへと帰ってきたアレックス・ザナルディは26.088秒を記録してトップタイムをマーク。その後第1回と第2回の日本ラウンドの覇者、おなじみのエイドリアン・フェルナンデスが直後にアタックするが、26.097秒とアレックス・ザナルディにわずか及ばなかった。

今回が2回目のツインリンクもてぎとなる中野信治は8番目に登場。地元日本のファンの期待を一身に背負ってコースインした中野信治だったが、不運にもステアリング周りの計器版が作動しないというトラブルに見舞われる。最適なシフトアップポイントなどのインフォメーションが得られないまま、感覚を頼りにアタックするしかなかった中野信治は26.280秒。決勝は13番手のポジションから追い上げることになった。

この後、木曜日のプラクティスで総合トップ・タイムをマークしていたトニー・カナーンがアタックし、チームメイトのアレックス・ザナルディを上回る26.022秒を記録してトップに浮上。だがそのすぐ後、この2日間のプラクティスで総合トップのタイム(25.720秒)を出していた昨年の2位、ダリオ・フランキッティがこの予選で初めて26秒を切る25.991秒を叩き出す。Honda・ドライバーによって、またもトップが入れ替わった。

絶好調のダリオ・フランキッティの次は、昨年の覇者マイケル・アンドレッティがコースイン。しかし狙ったセット・アップがうまく決まらず、26.215秒で11位。このままダリオ・フランキッティがポールポジションを取るのか、予選もいよいよ終盤に入ったところでコースには第2戦ロングビーチの覇者、エリオ・カストロネベスが登場した。

プラクティスにおける総合タイムでダリオ・フランキッティに次ぐ2番目のタイムを記録していたエリオ・カストロネベスは、最初のアタックでいきなりダリオ・フランキッティを上回る25.849秒をマーク、一躍トップに踊り出た。今年こそ優勝を狙うHonda・ドライバー達の激しいトップ争いに、スタンドからも大歓声が上がる。

その後、エリオ・カストロネベスのチームメイトで昨年のシリーズチャンピオン、ジル・ド・フェランがアタック開始。1周目で25.993秒を記録して更なるタイムアップが期待されたが、コースインする際に痛恨のピットロード速度違反をしていたことが判明し、2周目のタイムがカウントされなくなってしまう。このペナルティが無ければ2位のタイムを出していたジル・ド・フェランだが、結局3位に終わってしまった。

Honda勢最後はランキング2位、ダリオ・フランキッティのチームメイトであるポール・トレイシーのアタックとなったが、CARTからエンジンのブースト圧をコントロールするために支給されたポップオフバルブが不調で、26.432秒と不本意な結果に。結局、エリオ・カストロネベスがそのままポールポジションを決め、得意のガッツポーズでファンの声援に応える。今年のロングビーチに続く2回目、通算6回目の予選トップだ。

エントリーした25台が全員1秒以内に入る大接戦となった予選で、Honda・ドライバーはエリオ・カストロネベス、ダリオ・フランキッティ、ジル・ド・フェラン、トニー・カナーンの4人がトップ4を独占。他にもアレックス・ザナルディの8位、エイドリアン・フェルナンデスの9位と6人がトップ10に入る大活躍を見せた。

決勝 5月19日(土)
今年で4回目の開催となった“ツインリンクもてぎ”でのCART第5戦。好天に恵まれた土曜日の決勝レースは、7万2千もの大観衆が見守る中、午後12時半からグリーンフラッグを合図にスタート。オープニングラップのクラッシュでフルコースコーションが出されたものの、8周目にグリーンフラッグで再開されると、その後レースはコーション・フリーのハイペースで進んだ。

ポールポジションからスタートしたエリオ・カストロネベスはレース序盤をリード。その後方では、昨年の覇者マイケル・アンドレッティが33周目に、そして77周目にはポール・トレイシーもそれぞれギアボックストラブルに見舞われ戦線離脱。それでもHondaターボV8エンジン勢は中盤にかけて一時7台ものマシンがトップ10を走行するなど、予選に続きホームコースでの健闘を見せる。

レースも約半分が経過し、100周目前後で各マシンがグリーンフラッグ下でのピットストップを行うと、これを境にトニー・カナーンがリードを奪い、後半に向けレースを引っ張る。しかしトニー・カナーンをはじめ、各マシンが3回目のピットインを行った際に順位が入れ替わり、K.ブレックがトップでレースは終盤へ。ラストスパートで逆転勝利を狙う2位のカストロネベスは、燃料を温存し最後の数ラップに賭ける。

ところがチェッカーまで残り6周を迎え、N.ミナシアンのアクシデントでフルコースコーションが発生。最終ラップにグリーンフラッグとホワイトフラッグが同時に降られてレースが再開するも、トップのK.ブレックには届かず。カストロネベスは2位表彰台を獲得し、ポイントンランキングでも2位に浮上する。3位にはトニー・カナーンが入り、アレックス・ザナルディも今シーズンの自己ベストとなる7位に入賞。Hondaはマニュファクチャラーズ・ポイント・ランキングで合計70ポイントとなり、トップに躍進した。

地元日本のファンが熱い声援を送る中、13位からスタートした中野信治はアレックス・ザナルディに次ぐ2番目に速いベストラップをマーク、一時5位を走行する大健闘を見せる。181周目に給油のため最後のピットストップを行い、残り数ラップに挑んだ中野信治だったが、最後のフルコースコーションで挽回のチャンスを失う。それでも最終的に8位まで返り咲いてフィニッシュ。今シーズン2度目となるポイント獲得に成功した。

 
 

H.カストロネベス(2位)
まず始めに、勝つことができなくてHondaには申し訳ないことをしてしまった。レース中マシンはとてもいい仕上がりで、優勝することができる資質を備えていた思う。序盤のハイペースが終盤の燃費に響いたね。でも貴重なチャンピオンシップポイントを獲得してポイントランクでも2位に上がることができたから、この調子で次のミルウォーキーもいきたいと思う。

T.カナーン(3位)
今日のマシンは本当に素晴らしかったよ。ここまで仕上げてくれたクルー達にはとても感謝している。今日のようなレース展開の場合、燃費とピットの作戦がレースを大きく左右するんだ。それと幸運の女神の力も必要だね。今日は終盤ピットを行ってフルパワーを使いながらケニーを追撃する作戦を採ったんだけど、最後の最後でイエローが出てしまったからね……。

A.ザナルディ(7位)
今日はトップ争いをすることができる素晴らしい仕上がりのマシンだっただけに、Hondaには申し訳ないことをしてしまったよ。この結果にはガッカリしている。恐らく燃料計が不調だったと思うんだけど、レース中ガス欠になってしまってね。幸いバックストレートでのことだったからピットに戻ることはできたんだけど、時すでに遅しという感じだった。

中野 信治(8位)
8位という結果には満足していないが、勝てる速さを確認できたのは収穫だった。ピットでタイムロスをするなど、細かいミスもあったが、それを除けば問題は無かったと思います。最後のイエローが無ければ、前のクルマ2台がピットインして僕も順位を6位に上げていたはずです。そういう意味でも、予選といい、ついていないレースになりましたね。

G.ド・フェラン(13位)
スタート直後は「これはいける」っていう手応えがあった。だけどそれも最後まで続かなかったようだね。ラスト7周目に3位を走行中、突然後方から火がでているのが見えた。どうやら熱で油圧管が裂けてしまい、それが原因で火災が発生したようだ。まったくツイてないよ。

A.フェルナンデス(16位)
レース中、突然メーターパネルの表示がすべて消えてしまい、燃料も分からないから早めにピットストップするしかなかった。お陰でだいぶタイムをロスしてしまい、最後のピットストップの直前、ターン3のあたりからエンジンがバラつきはじめて、それで万事休す。それさえなければトップ6ぐらいには入れる自信はあったよ。

D.フランキッティ(17位)
ターン1に進入する際、なにか異常な音がした。ピットに戻ってみてエキゾーストパイプが壊れていたのが分かった。まったく残念だ。それまでマシンはまったく問題が無くて、とても乗れている感じだった。うまくいけば表彰台だって夢じゃなかったはずだ。

P.トレイシー(18位)
すべてのギアがだめになってしまった。5速にシフトダウンした瞬間、3速以外が全部壊れた。チーム・スタッフのことを思うと非常に辛い。マシンの出来は最高だったんだが、結果が付いてこなかった。予選では本領発揮出来なかったけど、決勝では自由自在に走る事が出来たんだ。ギアボックスが壊れるまではね。

M.アンドレッティ(23位)
良くはっきり分からないが、ギアボックスが壊れてしまったようだ。マシンの調子はかなり良かっただけに、この結果は非常に残念だよ。レースは周回遅れをうまく交しさえすれば、トップとの差を詰める事が出来たはずで、実際それを楽しみにしていんだ。

朝香充弘HPD副社長
われわれが懸命に作ったエンジンで表彰台を獲得してくれたエリオ・カストロネベスとトニー・カナーンには感謝しています。今回のもてぎ用エンジンの開発テーマであったパワーをはじめパフォーマンスには不足はなかったのですが、これがレースというものですね。目標はあくまでもマニュファクチャラーズ・チャンピオンなので、この後のレースもがんばっていきたいと思います。

 
       
 
     
  CARTチャンピオンシップ 第5戦 結果表  
 
POS DRIVER ENTRANT/ENGINE STATUS
1 K.BRACK Shell Team Rahal/Ford Cosworth 178.113mph
2 H.CASTRO-NEVES Marlboro Team Penske/Honda 3.650sec
3 T.KANAAN Mo Nunn Racing/Honda 1Lap
4 C.FITTIPALDI Newman/Haas Racing/Toyota 1Lap
5 J.VASSER Patrick Racing/Toyota 1Lap
6 M.PAPIS Miller Team Rahal/Ford Cosworth 1Lap
7 A.ZANARDI Mo Nunn Racing/Honda 2Laps
8 S.NAKANO Fernandez Racing/Honda 2Laps
9 S.DIXON PacWest Racing Group/Toyota 3Laps
10 R.MORENO Patrick Racing/Toyota 3Laps
11 M.JOURDAIN Jr. Herdez Bettenhausen/Ford Cosworth 4Laps
12 M.GUGELMIN PacWest Racing Group/Toyota 4Laps
13 G.DE-FERRAN Marlboro Team Penske/Honda 7Laps
14 O.SERVIA Sigma Autosport/Ford Cosworth 10Laps
15 N.MINASSIAN Target Chip Ganassi Racing/Toyota 11Laps
16 A.FERNANDEZ Fernandez Racing/Honda 53Laps
17 D.FRANCHITTI Team KOOL Green/Honda 75Laps
18 P.TRACY Team KOOL Green/Honda 124Laps
19 P.CARPENTIER Player's/Forsythe Racing Team/Ford Cosworth 147Laps
20 T.TAKAGI Derrick Walker Racing/Toyota 150Laps
21 B.HERTA Zakspeed/Forsythe Racing/Ford Cosworth 151Laps
22 A.TAGLIANI Player's/Forsythe Racing Team/Ford Cosworth 161Laps
23 M.ANDRETTI Team Motorola/Honda 168Laps
24 B.JUNQUEIRA Target Chip Ganassi Racing/Toyota 200Laps
25 C.DA-MATTA Newman/Haas Racing/Toyota 201Laps
(参考:1mile=1.609344km)