安全上の理由から延期となった第3戦の翌週、今季2度目のオーバルとなった第4戦。舞台となる “ナザレススピードウェイ”は一周0.946マイルのショートオーバルで、比較的バンク角が浅く、ロードコースに近いマシンセッティングとなる。
予選 5月5日(土)
土曜日午後に行われたオーバルならではの一台ずつによる予選で、第2戦で優勝したエリオ・カストロネベスが20.007秒のタイムで5番グリッドを確保。その隣の6番グリッドには、20.059秒でエイドリアン・フェルナンデスが並び、後方8位には20.148秒のポール・トレイシー。10位には20.187秒のトニー・カナーンがはいり、Honda・ターボV8エンジン勢はトップ10に5台が入った。
以下ダリオ・フランキッティが20.201秒で12位を得、ここナザレスがホームタウンのマイケル・アンドレッティが20.205秒で13位。昨年のナザレスでチーム・ペンスキーに待望の100勝目をもたらしたジル・ド・フェランは20.319秒、15位からスタートとなる。また。前回のテキサスでHonda勢トップとなる5位のタイムをマークした中野信治は、今回が初めてのナザレスとなり、20.455秒で19位。アレックス・ザナルディが20.505秒で21位からスタートとなったが、今回の予選はトップから24台までが1秒以内に入るという厳しいもので、ドライバーの差はほとんどないといってもいいだろう。
決勝 5月6日(日)
季節はずれの雪で順延となった昨年とは打って変わり、見事な青空が広がったナザレス・スピードウェイ。午後1時5分にグリーンフラッグでレースがスタートしたが、B.ハータがスピンしてオープニングラップからフルコースコーション。その後の再スタートでも予選5位のエリオ・カストロネベスがスピンして11位まで後退するなど、波乱の幕開けとなった。
レース序盤はエイドリアン・フェルナンデス、ポール・トレイシーが5位、6位につけて様子を窺う。なかなかパッシングが難しいこのコースでは、ピットストップのタイミングがキーとなるため、各チームは慎重にそのタイミングを測る。
そして73周目にM.ジョルダインJr.がスピンしてイエローフラッグが出されると、ほぼすべてのマシンがピットインを行う。このピットインでは中野信治がクルーの迅速な作業により、一気に19位から14位までジャンプアップ。反対にジル・ド・フェランはピットを出る際にエンジンストールしてしまい、14位から19位までポジションを下げてしまった。
ほぼ折り返し地点となった112周目、高木のスピンでイエローとなり、ポール・トレイシーとジル・ド・フェランがすかさずピットイン。この後グリーンフラッグでレース再開となるが、昨年のナザレス覇者であるジル・ド・フェランとA.タグリアーニが接触。2台のマシンはターン3の外壁に激突し、ともにリタイア。再度フルコースコーションとなった。
レースも後半に差し掛かった126周目、ピットインのタイミングをずらしていたトニー・カナーンがトップに浮上し、ダリオ・フランキッティが2位、中野信治が3位に上がってきた。その後141周目にダリオ・フランキッティがピットへと入り、ここからトニー・カナーンと中野信治による激しいトップ争いが展開する。中野信治は燃費を気にしながらも果敢にトニー・カナーンを攻め、二人のテール・トゥ・ノーズのバトルにスタンドの観客も大声援を送る。
しかしレース終盤となった182周目、燃料が厳しくなった中野信治はグリーンフラッグ下でのピットインを余儀なくされて15位まで後退。またトニー・カナーンも190周目にピットインとなり、ルーキーのS.ディクソンにトップの座を明け渡す。
このとき3位にはレース中盤のフルコースコーション下でのピットストップが功を奏していたポール・トレイシーが上がってきた。最後までそのポジションをキープしてチェッカーを受けたポール・トレイシーは、開幕戦に続く今年2度目の表彰台を獲得。ポイントランキングでも合計40ポイントとなり、トップとタイで並ぶことに成功した。
今回はピットインのタイミングで上位入賞を逃した中野信治だったが、予選19位からのスタートながら着実にポジションを上げ、終盤のトップ争いでは何度も前を行くトニー・カナーンを猛チャージ、アグレッシブな走りを披露してくれた。
いよいよ次の第5戦は4度目となる日本ラウンド、ツインリンクもてぎでのHondaドライバー達の熱い走りを期待したい。
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