ホンダホームページへ
モータースポーツへ
INFOSへ

| BACK | RESULTS | RANKING |
 
ロードレース世界選手権シリーズ
第12戦カタルニアGP(スペイン)


ドゥーハン、今季6勝目!! 岡田との1-2フィニッシュ!

ヨーロッパラウンド最後のレースとなったカタロニアGPは、サーキット始まって以来の大観衆8万人を集めて開催された。今大会は、500ccクラスでチャンピオン争いを繰り広げるクリビエの地元ということで、初日から熱気に包まれた。クリビエの故郷はバルセロナの北に位置するセバという街で、ビアッジ、ドゥーハンとの激しい戦いに注目が集まった。サーキットはクリビエTシャツに身を包んだ熱狂的なファンで埋まり、一周4.727mのサーキットは、スペイン人初の500ccタイトル獲得を願う応援旗で埋まった。
また、カタロニアサーキットは、地元スペイン勢の活躍が目立つサーキットで、昨年はドゥーハンが優勝しているが、一昨年はチェカがホンダ500cc100勝目を飾り、2年前にはクリビエが優勝している。また、ホンダのメインスポンサーとなっているレプソルの地元開催ということで、ホンダ勢は初日から気合の入った走りが展開された。

予選初日、朝方まで降っていた雨の影響で、午前中のフリー走行はウエットからドライへと変化する難しいコンディションとなったが、午後は完全なドライ。そして2日目の予選と決勝は、快晴という絶好のコンディションで行われた。
500ccクラスは、8月のテストでレコードタイムをマークしているビアッジのリードで始まった。以下、バロス、ドゥーハン、クリビエ、岡田と予想通り、ホンダ勢が上位を独占した。しかし、2日目になって地元の声援に応える形で、クリビエがトップに立つ。1分45秒583というレコードタイムで今季初のPPを獲得することに成功した。2番手には0.147秒差でビアッジ、以下、バロス、ドゥーハンとホンダ勢がフロントローを獲得。2列目には、青木宣篤(S)、岡田、ケニー・ロバーツJr(M)、バイル(Y)が入り、ここまでが約1秒とい大接戦となった。ジベルノーは10位。コシンスキー11位、地元で優勝候補のひとりチェカは12位と低迷した。
250ccクラスは、カピロッシが今季6回目のPPを獲得。2番手にロッシ、ルッキとアプリリア勢が続き、4番手に宇川徹がつけた。以下、原田哲也(A)、ジャック、宮崎敦(Y)、青木治親と混戦模様。125ccクラスは、ロカテリが今季2回目のPPを獲得。以下、眞子智実、東雅雄のホンダ勢と、坂田和人(A)と日本人勢が続いた。以下、宇井陽一(Y)、ジャンサンティ、加藤義昌(Y)、徳留真紀(A)。メランデリが12位、5月のフランスGPで右腕上腕部を骨折、今大会から復帰した上田昇が14位につけて注目を集めた。

迎えた決勝レース。500ccクラスは、一周目から激しい戦いとなった。ホールショットを奪ったのは予選3番手からスタートとしたバロスで、ビアッジ、阿部(Y)、ドゥーハン、岡田と続いた。しかし、1コーナーで、藤原克昭(S)とバイル(Y)が接触、PPスタートから地元の声援を一身を集めて優勝に燃えていたクリビエも巻き込まれて転倒という大波乱。この混乱で、戦いは上位5台に絞られることになった。バロスとビアッジがペースを上げ、阿部(Y)、ドゥーハン、岡田がジリジリと離される展開。しかし、2周目の1コーナーで、ビアッジがイエローフラッグを無視してバロスを交わす。さらに、バロスがビアッジを抜き返したことで、この二人の選手に、スタートから16周目にピットストップのペナルティが下される。ジリジリとこの二人を追い上げていたドゥーハンが、この時点で首位に立つことになり、2位に岡田、3位に阿部(Y)という順になった。ピットストップしたバロスは、このペナルティで6位に順位を落とし、これを無視して走行を続けたビアッジは失格となった。
結局、25周の戦いを制したのはドゥーハンで、今季6勝目。2位の岡田は、開幕戦日本GP以来、2度目の表彰台に立つことに成功した。3位に阿部(Y)。以下、クリビエ、チェカ同様、地元の声援を受けたジベルノーが4位に入り、大観衆の声援を受ける。以下、クラファー(Y)、カタロニア2勝目を狙ったチェカは6位に終わった。この結果、チャンピオン争いを繰り広げる上位3人のランキングは大きく代わり、ドゥーハンが再び首位に立って、失格ノーポイントに終わったビアッジに21ポイント差。転倒ノーポイントに終わったクリビエは、ドゥーハンから28ポイント差の3位に終わった。

250ccクラスは、2番手スタートのロッシ(A)が、首位を走る原田哲也(A)を7周目に捕らえて、前戦イモラGPに続いて2連勝。2位には、前戦イモラGPの予選で左足首を骨折しながらの熱走を見せた原田哲也(A)で、3位にカピロッシ(A)とアプリリア勢が上位を独占した。予選4番手からホールショットを奪い、一周目トップに立った宇川徹は、その後、ペースを上げられずジャックに逆転を許して5位。以下、ペルジーニ、青木治親とホンダ勢が続いた。

125ccクラスは、スタートから中盤までは8台の混戦。終盤になってセカンドグループの8台も加わっての大集団となったが、その中から眞子智実が抜け出して今季4勝目。再び、ランキング2位に浮上。2位にジャッサンティ、終始、レースの主導権を握った東雅雄が2戦連続で3位表彰台に立った。

M.ドゥーハン(500cc/優勝)
これまでツキのないレースがいくつもあったが、今回は運が自分に向いてきたような気がする。今回の勝利は、そいいうこともあるが、チーム全体が頑張ってきたからだと思っている。今年は浮き沈みの多いシーズンになってしまったが、今日は、自分たちの思い通りのレースになることが出来た。
アレックスが転んだのは残念だが、転ばなければ絶対に優勝争いに加わってきたと思う。ビアッジとバロスのイエローフラッグの件は、彼らもイエローフラッグの意味が分かっているはずだ。黒旗が出ていた後にビアッジに抜かれたのは、争う意味がまったくなかったし、先に行かせることにした。今日は予選と状況が違って、ホイールスピーンが至ることろで出て困った。それで3速でいかなければいけないのに、いつもより余計に一速上げなければいけないところもあった。本当に厳しいレースだったが、今日は最後まで諦めなかったなかったよ。

岡田 忠之(500cc/2位)
今日はミック(ドゥーハン)と同じように、タイヤのグリップが悪くて苦労した。しかし、前にミックがいて、今日は何とかついて行こうと思っていた。中盤までは、阿部と競うことになったが、ブレーキングで詰めることが出来なかった。気持ちに余裕ばあるのだが、5月のイタリアでケガをした左手首がまだ完全じゃなくて、無理が効かなかった。阿部を抜いた後、ミックに追いついていくことが出来たが、ラスト5周のスパートがやっぱりすごい。序盤のタイヤがグリップしない時も、ミックはタイヤから白煙を出していたし、あそこまで走れるのはやっぱりすごいと思った。
今年はケガで休んでいたレースも多いが、いつも全力を尽くしてくれるスタッフやHRC、そしてホンダに感謝している。

S.ジベルノー(500cc/4位)
今シーズン2番目にいいリザルトなので、すごくハッピーだ。このコースはストレートが長くてVツインにはけして合っているコースではない。スズキのライダーがまるでブルーキミスしたみたいに抜いて行って、クラッシュが起きて、それで前のグループと大きく離れてしまった。今日はリヤが滑りまくって大変なレースだった。

A.バロス(500cc/7位)
すごく残念な結果だった。今日は勝てるレースだった。バイクもタイヤも良くて、ビアッジの後ろにいてまったく問題もなかった。あと0.5秒速く走れって言われても出来るぐらいだった。ビアッジのペナルティのボードを見た時は、あいつはフライングしたなって思った。次に自分のゼッケンが出た時は、何だかわからなかったが、とにかく止まった。でも、2周目の黄旗で追い越して行ったのはビアッジで僕が抜いた訳じゃない。抜いてしまったのは、あいつがオーバランしそうになったので、別に抜いた訳じゃなかった。でも、今回のペナルティについては不満だが、ルールはルール。それに従わなければならない。自分はルールを守って、この順位なんだ。ビアッジは提訴しているが、これで順位が変わるようなら、僕は納得することは絶対に出来ない。

A.クリビエ(500cc/リタイア)
スタートは良くなかったけれど、アクシデントに巻き込まれたのはそのせいではない。1コーナーに6位か7位で入った時に、後ろからヒットされた。あれは多分、バイルだと思うが、何が起きたのかわからなかった。今日は勝てると思っていたし、すごく残念だ。まだ残り3戦で75ポイントあるし、今回、自分がノーポイントに終わってしまったことで、ミックを有利にさせてしまった。

M.ビアッジ(500cc/失格)
今回のレースについては提訴しているので何も言うことはない。レース前から調子が良かったし、今日は勝てると思っていたし、今日の25ポイントは自分のものだと思う。

0.ジャック(250cc/4位)
スタートから全力で走った。とにかく全力で走った。フロントもリヤも滑りまくって、まるで氷の上を走っているようだった。宇川との差を広げてフィニッシュしてやろうと思っていたし、結果として、それが出来て嬉しい。カピロッシとのバトルをしている時は表彰台も行けるんじゃないかと思った。今日はチームが頑張ってくれてマシンの状態は完璧だった。

宇川 徹(250cc/5位)
スタートはうまく行ったのだが、そこから先は厳しい戦いだった。今日はタイヤのグリップに苦しんだ。トップグループについていけなくて、ジャックに抜かれたのも悔しい。序盤はいいけど、じり貧というレースが最近は多いので、次のレースはその雪辱を果たしたい。

青木 治親(250cc/7位)
今日は途中からエンジンが思うように回らなくなって厳しい戦いになった。レースの途中に目の前でウクウィリアムズが転んだのはビックリした。その時にアクセルを緩めてしまって、僕の後ろにいたペルジーニとものすごい勢いで接触して危ない状況だった。

眞子 智実(125cc/優勝)
今日は朝のウォームアップでエンジンが回らなくて、どうしようかと思っていた。それは決勝になっても変わらず、序盤は8台の優勝争いの中で苦労した。それが終盤になって大集団になってペースが落ちたのが幸いした。最後は東と二人で逃げて、最後はトップでゴールすることが出来た。マシンのセッティングは完全ではなかったけれど、イモラから2連勝を飾れて、とても嬉しかった。

東 雅雄(125cc/3位)
今日は思っていた以上に大集団になって苦労した。それが終盤にはその倍近くまで膨れ上がったのが計算違いだった。しかし、その中でトップに何度も立つことが出来たし、最後は3位に落ちてしまったが、転ばないで3位でゴール出来たことに納得している。それにしても、勝つのは本当に難しいと実感するレースになってしまった。

●次戦は、10月4日 オーストラリアGPです。

| BACK | RESULTS | RANKING |