ドゥーハン、通算50勝!! ホンダ勢、上位4位を独占!
ドイツGPの開催されたザクセンリンクは、ドレスデンから西南に約100キロの距離にあり、グランプリが開催されるのは26年ぶり。'96年に完成したニューサーキットは、アップダウンに富んだ一周3.508kmのテクニカルコースで、予選から激しい戦いとなった。初日の予選は曇り、2日目の午前中には雨という不安定な天候だったが、午後には快晴となって絶好のコンディション。500ccクラスは、開幕戦日本GP以来、8戦ぶリにビアッジがポールポジションを獲得(通算2回)。2番手にロバーツJr(M)、3番手にドゥーハン、以下、ラコーニ(Y)、クラファー(Y)と波乱の展開となった。
250ccクラスは原田(A)が今季3回目のPP。以下、カピロッシ(A)、ポルト(A)、ロッシ(A)とアプリリア勢が続き、ペルジーニ、宇川、マクウィリアムス、ビンセント、青木とホンダ勢が続いた。
125ccクラスは2レース前のオランダGPで15歳10ヵ月というグランプリ史上最年少優勝記録を達成したメランデリが初PPを獲得。2位に坂田(A)、3位ジャンサンティ、4位に宇井(Y)と4メーカーが入り乱れる激しい戦いとなった。
500cc決勝レースは、予選3番手からスタートしたドゥーハンがホールショットを奪い、ビアッジ、クラファー(Y)と続き、その後方からバロス、ロバーツJr.、ジベルノー、阿部(Y)が追うという展開。序盤には、後方から追い上げて来たバロスがドゥーハンを交わすシーンも見られたが、再びバロスを交わしたドゥーハンが、後続を振り切って今季4勝目。ホンダ50周年にふさわしい500cc通算50勝目を上げることに成功した。
トップを快走するドゥーハンの後方では阿部(Y)が序盤に転倒してリタイア。2番手争いは、ビアッジ、クラファー(Y)、バロスの3人に絞られたが、クラファー(Y)が転倒でリタイア。終盤になってバロスを振り切ったビアッジが、ドゥーハンから約3秒遅れて2位に入った。3位には、終盤になってバロスを交わしたクリビエ。以下、バロス、ラコーニ(Y)という結果。5番手を走行していたジベルノーは終盤にリタイアとなった。この結果、前戦イギリスGPでランキングトップに浮上したドゥーハンは、ビアッジとの差を12として、5連覇の期待が膨らんだ。
250ccクラスは、スタートから激しい戦いとなった。ホールショットを奪ったのはPPスタートの原田(A)で、ロッシ(A)、カピロッシ(A)が追うという展開となった。その後方では、ペルジーニと宇川が激しい4番手争いを繰り広げていたが、1コーナーの進入でラインがクロス。ともに転倒してリタイアとなった。トップを走る原田(A)はその後、ペースを上げて独走状態を築いて今季4勝目。日本人選手の最多勝利記録を13へと伸ばした。そして2番手争いは、ロッシとカピロッシ、その二人を追い上げてきたマクウィリアムスの3台が激しく競り合う展開。その中からマクウィリアムスが抜け出してグランプリ6年目にして初表彰台を獲得。ラストラップにカピロッシ(A)を交わしたロッシ(A)が3位に入った
125ccクラスはPPスタートのメランデリが1周目2番手。2周目にトップに浮上すると、レースの主導権を握ることになった。その後方から予選6番手の眞子智実が追い上げて、中盤までメランデリと独走状態を築くが、追い上げて来た坂田(A)を交えた3人に優勝争いは膨らむことになった。そしてラスト5周でメランデリがラストスパートを掛ける。ジリジリと離される恰好で、眞子、坂田(A)と続いたが、4周を残して坂田が転倒、最終ラップに首位を走るメランデリが転倒と大波乱となり、2番手を走行していた眞子が逆転優勝を飾った。今季2勝目を上げた眞子は、ランキング2番手に浮上。再スタートして13位でゴールしたメランデリは3番手。
M.ドゥーハン(500cc/優勝)
今日は自分にとって50回目の優勝とNSR500の100回目の優勝になってうれしい。でも、レース中はそんなことは考えていなかったけどね。
今回は予選があまり良くなかった。転んでいるしコースを飛びだしたりしている。どうすれば上手く走れるかと集中していたが、あまり上手くはいかなかった。朝のウォームアップでもいろいろやったけれど完璧ではなくて、グリッドでサスのセッティングを変えた。それでもここは新しいサーキットで、みんなが同じ条件でスタートする。こういうサーキットは好きだけど、ストレートは短いしコーナーも多いし大変なサーキットだった。
スタートは上手くいったけれど、満タンの時はあまりいいフィーリングではなくて、バロスにトップを譲った。しかし、軽くなるにつれていい感じで、再び、トップに立つことが出来た。後半になってビアッジに少しだけ追い詰められたが、3秒のリードを保とうとした。ラストラップにやっと勝てるかなと思ったよ。
M.ビアッジ(500cc/2位)
今日はとにかくスタートからゴールまで全力で走った。スタートはホイールスピーンして失敗してしまった。それに前半はバロスとクラファーに抜かれてしまったり大変だったが、何とかミック(ドゥーハン)を逃がさないように頑張った。が、結局、ミックには届かなかった。でも、今日の結果には満足している。
A.クリビエ(500cc/3位)
スタートでミスをして、それを挽回するのが大変だった。ここは抜き所がないし、1周に1人ぬくのがやっとの状態。1周目は8番手だったけれど、3番手に上がるのが本当に大変だった。それでも、あまりいい感じで走れなかったアッセンとドニントンに比べて、今回はバイクのフィーリングも良くて、やっと自分の走りが出来たような気がする。これから1ヵ月の休みがあるが、その間にバルセロナでテストして、次のチェコに挑みたい。
そして今回の表彰台をケガをして欠場しているチェカに捧げたい。彼が早く直って、グランプリに戻ってこれることを祈っている。
J.マクウィリアムス(250cc/2位)
ひどいスタートになってしまったが、すぐに4番手に浮上して、ロッシとカピロッシに追いつくことが出来た。途中、ガソリンのブレーザーパイプのトラブルで大きなロスをしたけど、すぐにペースを取り戻すことが出来た。今日は硬めのコンパウンドを選んだので、スムースにライディングするように心掛けていた。こんな素晴らしい結果を残せて本当に嬉しい。チームとスポンサーに感謝している。
宇川 徹(250cc/リタイア)
今日は何も言うことはない。1コーナーでペルジーニを抜こうと思ったら、ペルジーニがアウトからかぶせてきた。もう、逃げ場がなかったし、それでぶつかってしまった。とにかく残念。次の8耐で頑張ろうと思う。
眞子 智実(125cc/優勝)
今日は本当に勝てるとは思っていなかった。前回のイギリスGPで左手の小指を負傷して、レースに出られるかどうかもわからなかったし、終わってみたら最高のリザルトで、自分でもビックリしている。
それにしても今日のメランデリは速かった。結局、最終ラップに彼は転んでしまうけど、あのまま走っていたらとても追いつけなかったと思う。でも、中盤になってツキを落としていたし、優勝出来て本当に嬉しい。
L.ロカテッリ(125cc/3位)
ついてない選手には申し訳ないが、僕にとっては、今日はラッキーな一日だった。それにしても最終ラップに一体何が起きたのか自分にはわからなかった。ゴールしたら3位だと言われて、ビックリしてしまった。それにしても、今日のレースが今年の最高の成績だなんて、もう少し頑張らないといけない。
M.メランデリ(125cc/13位)
まったくバカなレースをしてしまった。眞子が追い上げて来ているのが、自分にはすごいプレッシャーだったけれど、普通に走っていても2位か3位にはなれていたと思うと、本当に残念。転んでから再スタートしうと思ったら、ブレーキが壊れていてエンジンの調子も悪かった。優勝出来たレースが、13位になってしまうなんて、ホント、バカなレースをしてしまった。
●次戦は、8月23日 チェコGPです。
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