ドゥーハン、2位。ホンダ勢の連勝は、22でストップ。
ドニントンパークで開催されたイギリスGPは、例年より1ヵ月早い開催。天候に恵まれず、連日、曇り空が続いた。500ccクラス予選は、前戦オランダGPで激しい戦いを演じたドゥーハンとクラファー(Y)が再び激突。クラファー(Y)が暫定PPを獲得したドゥーハンを逆転して初PPを獲得。タイヤ交換のタイミングに失敗したドゥーハンが、惜しくも2番手に終わった。3番手には初日6番手と慎重な出だしを見せたビアッジが浮上、4番手に阿部典史(Y)。クリビエとバロスは2列目。ジベルノーが3列目からのスタートになった。マドリードGPでホンダ21連勝の記録を達成したチェカは、初日のフリー走行で転倒、腹部を負傷して2日目の予選をキャンセル。コシンスキーの代役として出場することになったボルハも最終予選で転倒して右手を負傷して決勝をキャンセル。欠場者が多いレースとなり、決勝は20台で闘われることになった。
迎えた決勝レース、2戦連続でフロントロウを獲得した阿部がホールショットを奪う。2番手にクラファー。ドゥーハンは3番手から追い上げることになった。以下、ビアッジ、クリビエ、ジベルノーと続き、中盤にはクラファーがトップに浮上。ドゥーハンも阿部を交わしてクラファーを追い上げた。しかし、初PPから勢いにのるクラファーは中盤にリードを広げ、そのままトップでゴール。2番手を走行していたドゥーハンは、クラファーを追い上げたが届かず2位。だが、ランキングでトップに浮上することに成功して、いよいよ5連覇の期待が膨らむことになった。3位には阿部。ここまでは、ばらけた展開となったが、クリビエとバロスが激しい4番手争いを演じ、その後方ではビアッジとジベルノーが6番手争いという見どころのあるレース。最後はクリビエがバロスを抑え、ビアッジとジベルノーの戦いは、ジベルノーの転倒で決着がついた。
250ccクラスは、予選3番手の原田哲也(A)がホールショットを奪い、それをロッシ(A)、ペルジーニ、青木治親、カピロッシ(A)、宇川徹が追うという展開となった。しかし、前回オランダGPで初優勝を達成したロッシ(A)は3周目に転倒してリタイア。以後、原田(A)と追い上げてきたカピロッシ(A)の闘いとなり、最後はエンジントラブルでペースダウンした原田(A)を抜いたカピロッシ(A)が今季2勝目を挙げた。その後方では、ペルジーニ、青木、宇川の3人による激しい3番手争いとなり最終ラップのヘアピンで前に出たペルジーニが3位で初表彰台を獲得。宇川が4位。前戦オランダGPで初表彰台を獲得した青木は5位という結果。
125ccクラスは、予選2番手の宇井陽一(Y)が絶好のスタートでレースの主導権を握り、眞子智実、ロカテッリ、ジャンサンティ、チェッキネロとホンダ勢が追う展開となった。PPスタートの坂田和人(A)はスタートに失敗。1周目14番手で出遅れたが、驚異的な追い上げでトップグループに肉薄。終盤はジャンサンティとの一騎討ちとなったが、最終ラップに坂田(A)がジャンサンティを交わして今季4勝目。ジャンサンティは初優勝こそ逃したが今季3回目の表彰台を獲得した。序盤トップに立った眞子は宇井(Y)と接触して転倒リタイア。この接触でトップグループから遅れた宇井(Y)が今季初表彰台の3位に入り、序盤に出遅れたメランデリが驚異的な追い上げで4位に浮上。ランキング2位を守った。
M.ドゥーハン(500cc/2位)
今日のクラファーは本当にいいレースをした。でも、今回は僕にとっても決して悪い日だったわけじゃない。むしろ、いい日になったと思う。2位でフィニッシュすることが出来たし、ポイントも取ることが出来たしね。
確かにレースはハードだったが、その原因は天候にあると思う。スタートする前はもっと晴れると思っていたし、それでハードタイヤをチョイスした。しかし思うように天候が良くならずに、タイヤのグリップが悪くてコントロールが難しかった。頑張れば頑張るほどスライドしたし、タイムを詰められるのはブレーキングだけだった。自分だけじゃなくて、他のチームにとっても今日はタイヤの選択はギャンブルだっと思うし、自分よりも他のチームの方がギャンブルに成功したってことじゃないかな。
A.クリビエ(500cc/4位)
今日は全力を出し切った。とにかくスタートが悪かったのが痛かったし、予選でいいポジションにいないのが最も大きな原因だった。結局、1周目にロスした分を取り戻すために苦労してしまった。後半は阿部と同じペースで走れたのに、その時には、ちょっと離れすぎていた。中盤まではビアッジ、バロスと激しい闘いになった。最後はバロスとの競り合いになったが、抜かれないようにインを閉めて走った。
A.バロス(500cc/5位)
今日のレースはすべてが上手く行った思う。ミシュランのニュータイヤをテストしてフロントのいいマッチングを見つけることに成功した。車体のセッティングも決まったし、レースを消化する毎に確実にいい方向に行っていると思う。
M.ビアッジ(500cc/6位)
今日は守りのレースを強いられてしまった。それもこれも全てはタイヤチョイスを失敗したためで、グリップ不足に悩んだ。スタートしてしばらくして、今日はトップグループについていけないと思い、安全策に切り換えた。
宇川 徹(250cc/4位)
前半ペースを上げられなかった。中盤にペースを上げたけれど、その時にはトップグループと大きな差が出来ていた。セカンドグループの中で何とかトップでゴールしようと思ったが、最後にペルジーニに抜かれてしまった。アプリリアと闘うためにも、もう少しバイクのポテンシャルを上げていきたい。次のドイツは何とか優勝したい。
青木 治親(250cc/5位)
最後に抜かれてしまったのは残念。今日はペルジーニの方が最高速が伸びていたし、仕方がない。次回は頑張ります。
M.メランデリ(125cc/4位)
1周目のラストコーナーで失敗して大きく順位を落としてしまった。18位まで落ちてしまってエアーボックスも壊してしまった。いつものスピードがなくなってしまったけれど、何とか3番手争いまで浮上することが出来た。最後は宇井に抜かれてしまったけど、シーズンの始めには思ってもいないランキングとポジションでレースをしているし、満足している。
●次戦は、7月19日 ドイツGPです。
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