ドゥーハン、ポールtoウイン!!ホンダ勢、5位までを独占し、
500cc連勝記録(21)に向け、カウントダウン!
500ccクラスは、ムジェロを5年連続で制しているドゥーハンがポールポジションを獲得。2番手にバロス、3番手にビアッジ、そして4番手にチェカとホンダNSR勢がフロント・ロウを独占。以下、クリビエ、コシンスキーとホンダ勢が続いた。岡田忠之は、初日の予選で転倒、左手を負傷して欠場。7番手に阿部典史(Y)、8番手に青木宣篤(S)、NSR500Vのジベルノーは15番手。決勝はバロスの好スタートで始まり、ビアッジ、ドゥーハン、クリビエ、阿部がトップグループを形成したが、中盤にはこのグループから、ビアッジとドゥーハンが抜け出し、マッチレースの様相となった。闘いは、予選タイムに匹敵する1分53秒台のハイペースとなり、9周目にビアッジをかわしたドゥーハンが、ビアッジを振り切って23ラップを走り切り、今季2勝目(通算48勝)を上げた。2位には、地元イタリアの声援を受けたビアッジ、3位にクリビエ、4位にチェカ、5位にコシンスキーとホンダ勢が上位を独占。6位にはチェカとコシンスキーと激しい接戦を演じた阿部(Y)、以下、クラファー(Y)、青木宣篤(S)の順。
今戦の結果により、ホンダ勢は、昨年来の連勝回数を「19」に伸ばし、次戦の、世界タイ記録「20」へ向け、期待が高まった。
250ccクラスは、PPスタートの原田(A)がクラッチトラブルのためにスタートに失敗するという波乱で始まったが、序盤からロッシ(A)、ルッキ(A)、カピロッシ(A)のアプリリア勢がトップグループを形成。宇川、ペルジーニ、青木治親のNSR勢が続いた。そしてスタートで出遅れた原田が、ホンダ勢を抜いて4番手に浮上した7周目に、雨のために赤旗中断。約1時間のインターバルを置いて残り周回数(15ラップ)で再スタートが切られた。雨のために中断されたが、レースは完全なドライコンディションで行われ、両ヒートの総合タイムでルッキが初優勝。2位にロッシ、3位に原田と地元イタリアでアプリリア勢が表彰台を独占した。以下、カピロッシ(A)、ペルジーニ、青木治親、宇川徹とホンダ勢が続いた。
125ccクラスは7台による激しい優勝争いとなり、最終ラップまでもつれ込んだ。そして最終ラップの最終コーナーで首位に立ったジアンサンティ(H)がハイサイドで転倒。それに巻き込まれる形で上田(H)がコースアウト、チェッキネロ(H)が転倒したマシンに乗り上げて転倒する波乱となり、その混乱を無事に乗り切った眞子(H)が今季初優勝。2位に地元イタリアの16歳のメランデリ(H)が初の表彰台を獲得、そして、スカルビーニ(H)と、ホンダ勢が表彰台を独占した。4位には転倒したジアンサンティのバイクに乗り上げてペースダウンした坂田(H)、5位には宇井(Y)がつけた。
M.ドゥーハン(500cc/優勝)
優勝を争うことになったビアッジは、抜こうと思えばもっと早い時点で抜けたが、今日は気温が高くてタイヤの消耗が激しいことが確実に分かっていた。朝のウォームアップが終わった時点でミシュランのエンジニアに、レース中に、数周でいいからペースを落として欲しいと言われていた。ところが、序盤からどんどんペースが上がって、どうしようかと思った。ビアッジを抜いてから、彼は一度もしかけてこなかったし、勝負どころのタイミングが分かりづらかった。ここは好きなサーキットだし、今年も優勝することが出来て嬉しい。
M.ビアッジ(500cc/2位)
いいスタートが切れたが、バロスはもっとスタートが良くて、彼を抜くのは大変だと思っていた。しかし、序盤からペースを上げたかったし、ブレーキングを遅らせてすぐに抜くことが出来た。サインボードで「+1.1秒」と出たときは、このペースを維持しようと思った。ところがミックはバロスを抜いてすぐに追い上げてきたし、自分のミスもあって、あっという間に追いつかれてしまった。でも、今日は2位に満足している。ムジェロを500で走るのは初めてだし、初めて走った金曜日に比べたら今日の走りには納得している。
A.クリビエ(500cc/3位)
序盤はミックとビアッジについていけると思ったが、終盤はタイヤの消耗が激しくてペースを落とした。後ろとの差が7秒もあったし、チャンピオンシップを考えると、今日は確実に表彰台を狙おうと思った。しかし、ポイントを確実に取ろうと思って走るのは、面白くないし、集中力を維持するのが大変だった。
S.ジベルノー(500cc/14位)
タイヤの消耗が激しくて、終盤は完全にペースを落とさなければならなかった。開幕戦から抱えている問題は同じで、いいバランスを見つけることが出来ないのが最大の理由。このバイクを作って来た青木拓磨と基本的に乗り方が違うし、これまでもいろいろと試してきた。今は思うような成果が上がっていないが、これから自分に合ったバイク作りを進めていきたい。
岡田 忠之(500cc/欠場)
予選初日の4周目、さあ、これからペースを上げようと思った瞬間、ハイサイドで転倒してしまった。フリー走行でいい車体のセッティングが見つけられず、予選で新しいセッティングをトライしようと思っていた矢先のことだった。左手首を骨折して欠場することになって非常に残念。一日も早くレースに復帰出来るように頑張ります。
青木 治親(250cc/6位)
スタートの時にクラッチの調整に失敗して焦った。そのうちにクラッチが張ってきて上手く走れなくなったが、雨でレースが中断して助かった。クラッチを交換した第2レースは、いいスタートが切れて集団の中でいい走りが出来た。総合で6位だが、ペルジーニ(5位)を抜きたかった。
宇川 徹(250cc/7位)
アプリリアの後ろの集団でトップを走っていたが雨で中断。第2ヒートはソフトのタイヤを選んだのだが、消耗が激しくて、ペースを上げることが出来なかった。第1ヒートの5位をキープすることが出来ればランキングで3位に上がることが出来たのに残念だった。
眞子 智実(125cc/優勝)
最終日の予選でいいセッティングを見つけることが出来たので、優勝出来るかなと思っていた。でも、7台の優勝争いになるとは思っていなかったし、最後の最後まで誰が勝ってもおかしくないレースだった。'96年に初優勝してから、表彰台には立てるのだけど、なかなか勝てなかったから、本当に嬉しい。
M.メランデリ(125cc/2位)
今日はスタートが良くて、レースのラップタイムも思ったほど速くなかったのでついていくことが出来た。最初は6〜7位になれればと思っていたから、本当に嬉しい。予選で眞子と上田の後ろについて走った時に、ラインの取り方の違いに気づいて、ギヤのセッティングを変えたのが、決勝レースに生きたようだ。
●次戦は、5月31日 フランスGPです。
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