鈴鹿8耐前哨戦“鈴鹿200km(SB)”開催。
伊藤真一、今季最高のバトルを制して、嬉しい2連勝!!
怪我を押して参戦の武田、9位。
GP250は、加藤が2位表彰台をゲット。
鈴鹿200キロは鈴鹿8時間耐久の前哨戦として重要なレースに位置づけられている。約1時間20分、35周で争われ、レース中、ピットインするため、そこで、給油のみでアウトするか、タイヤ交換をするかなど、チームの作戦が勝敗を左右する。この闘いでライダーのポテンシャル、マシンの速さ、耐久性、チームと総合力が試されることになる。事前テストからトップタイムをマーク、レースのシュミレーションなどを行い、マシン、タイヤと入念な準備を重ねた伊藤は、ここでも、優勝候補だった。レースウイークのフリー走行で転倒してしまうアクシデントがあったが、予選ではポールポジションを獲得、リズムを取り戻す。開幕戦もてぎで右膝内側じん帯を切り、まだ、怪我の癒えない武田は、痛みを押して走行をこなし予選4番手、フロント・ロウに並ぶ走りで称賛を集めた。
快晴に恵まれた決勝レースは絶好調の伊藤と、WSBから一時帰国、初めてゼッケン1のマシンを駆る芳賀紀行(Y)との一騎討ちとなった。伊藤は2ラップ目に首位に立つが、勝利を見据えながら、追い上げてきた芳賀(Y)を前に行かせるなど冷静にレースを展開する。18ラップ目に予定通りピットイン。給油、前後共タイヤを交換しコースに復帰する。19ラップ目には7番手へとポジションを挽回、ニュータイヤを装着した強みを発揮、追い上げに追い上げ、28ラップ目には2番手にジャンプアップ。給油のみでピットインタイムを短縮し、走り続けるトップ芳賀(Y)の背後に迫る。32ラップ目、伊藤がトップに躍り出て、ラストスパート。だが、芳賀(Y)は食い下がり、伊藤をぴたりとマーク。息詰まる接近戦のまま最終ラップに突入、一歩も譲らない2台は、折り重なるようにシケインに進入する。トップを死守する伊藤はインを守り、芳賀がそのインに強引に割って入ろうとする。マシンが触れ合う激しい争いから芳賀がバランスを崩し転倒、伊藤は、トップで最終コーナーを駆け抜け嬉しい今季2勝目を挙げた。第3戦筑波は守りに守っての勝利だったが、ここでは、攻めに攻めての勝利となった。また、WSBで大活躍、世界中から最も期待される若手として注目を集める芳賀を下したことで、伊藤の評価は大きく上がることになった。2位には北川(S)、3位には吉川(Y)がつけ表彰台に登った。痛みを押して参戦した武田は、レース序盤、5台に膨れ上がった2番手争いをリードする力走を見せたが、5ラップ過ぎから痛みが増し、徐々に順位を下げてしまう。19ラップ目にピットイン、伊藤同様、給油、前後タイヤ交換する。ステップに自力で足を乗せられない程の疲労と痛みが襲うが、コース復帰、耐えに耐えて9位完走を果たし、貴重なポイントを得た。
GP250の加藤大治郎は第3戦筑波のアクシデントで左鎖骨骨折、左足打撲の怪我を負い、5月11日に手術、16日に退院したばかりの身体だった。まだ、痛みは残り、レースが出来る状況とは言いがたいものがあった。それでも、予選では3番手を獲得、フロント・ロウにマシンを並べた。決勝では、マシンを切り返すS字などで思うように身体を動かすことが出来ず、ブレーキングでも痛みがあり苦戦する。それでも、松戸(Y)との激しい2番手争いを展開。最終ラップに力を振り絞るように松戸(Y)をパスする底力を見せ2位を獲得、表彰台に登壇した。優勝は中野(Y)で4連勝。3位、松戸(Y)となった。
GP125は仲城(H)が0.04秒差で菅谷(H)を下し2勝目。2位菅谷(H)と3位藤岡(H)は、今季初の表彰台獲得。ホンダの1-2-3フィニッシュとなった。
伊藤 真一(スーパーバイク/優勝)
最終ラップでは、芳賀選手とシケイン勝負になると思っていたので、絶対にインを守ろうと誓っていた。今回は、芳賀選手とのバトルを楽しみにしていたから、勝てて嬉しい。やはり、乗れているライダーなので、とても、いい刺激になったし、いい勉強になったと思う。今まで、勝負弱いと言われることもあったけど、今回のレースでは、勝負に出て攻めて勝てたのが、とても嬉しい。この調子で、是非8耐でも頑張りたい。
武田 雄一(スーパーバイク/9位)
テストでも予選でも6ラップくらいから痛みが出ていたので、最後まで走り切れるか心配でした。でも、出るからには、1度くらいトップに出ようと、序盤から積極的に走ったけど、2位に立つのが精一杯。決勝でも5ラップ目から痛みが大きくなって、ピットインした時は、やめようかなと、一瞬、弱気になるほどでした。でも、最後まで走ろうと頑張りました。伊藤さんがドンドン離れて行ってしまい、悲しかったし、悔しい。一日も早く、怪我を直してトップ争いがしたい。
加藤 大治郎(GP250/2位)
思うように走れなかったので、中盤は松戸選手の後ろについて精一杯走っていました。それでも、1つでも上の順位でチェッカーを受けたかったので、最終ラップに力を振り絞って、前に出ました。早く怪我を直して、自分の走りが出来るように頑張りたい。全日本は暫くお休みですが、8耐に出るので、そこでいい走りがしたいです。
●次戦は、8月9日MINEサーキットで開催されます。
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