
ハーシュタ(HARSTD)というノルウェー北部の街を訪ねた。
4月にこのOCEAN MASTER STORYで「ノルウェーの大渦巻」で知られるサルトストラウメンをご紹介したが、ハーシュタはそのサルトストラウメンよりもさらに北に位置する街で、ノルウェーの首都のオスロから、空路で1時間40分ほどかかる。
北緯66度33分以北の地域は北極圏と呼ばれるが、ハーシュタも北極圏内に位置し、真夏の白夜※1と真冬の極夜※2を経験できる場所である。
4月にこのOCEAN MASTER STORYで「ノルウェーの大渦巻」で知られるサルトストラウメンをご紹介したが、ハーシュタはそのサルトストラウメンよりもさらに北に位置する街で、ノルウェーの首都のオスロから、空路で1時間40分ほどかかる。
北緯66度33分以北の地域は北極圏と呼ばれるが、ハーシュタも北極圏内に位置し、真夏の白夜※1と真冬の極夜※2を経験できる場所である。
※1 夏至前後に太陽が沈まない現象のこと。
※2 白夜の逆で、冬至前後に太陽が沈んだ状態が続く。
※2 白夜の逆で、冬至前後に太陽が沈んだ状態が続く。


ハーシュタの街を訪ねた目的は、世界中にファンが多いノルウェーサーモンの養殖場で、Honda船外機が活躍していると聴いたからだ。
訪ねる養殖場はクレイヴァ養殖場といって、設立は1986年。ノルウェーにおけるサーモン養殖の草分け的な存在だ。
クレイヴァ養殖場が管理するイケスは、船速15ノット程度の送迎船(ワークボート)で、ハーシュタの港から1時間ほど走った島沿いに点在する。
イケスの背後の絶壁を眺めれば、それはまさしくフィヨルド地形の一端なのだが、さらにそのフィヨルドらしさを感じたのが、送迎船に付くGPSプロッタを覗き込んだ時だ。
表示されている海底地形図(等深線)によれば、岸ベタなのに水深が100m以上ある。さらにその海は250mほどの深場へと続き、崖沿いの海底地形が、えぐられて造られたことが容易にイメージできる。フィヨルド形成による深場を利用して行われているのが、クレイヴァ社によるサーモン養殖の特徴といえるだろう。
訪ねる養殖場はクレイヴァ養殖場といって、設立は1986年。ノルウェーにおけるサーモン養殖の草分け的な存在だ。
クレイヴァ養殖場が管理するイケスは、船速15ノット程度の送迎船(ワークボート)で、ハーシュタの港から1時間ほど走った島沿いに点在する。
イケスの背後の絶壁を眺めれば、それはまさしくフィヨルド地形の一端なのだが、さらにそのフィヨルドらしさを感じたのが、送迎船に付くGPSプロッタを覗き込んだ時だ。
表示されている海底地形図(等深線)によれば、岸ベタなのに水深が100m以上ある。さらにその海は250mほどの深場へと続き、崖沿いの海底地形が、えぐられて造られたことが容易にイメージできる。フィヨルド形成による深場を利用して行われているのが、クレイヴァ社によるサーモン養殖の特徴といえるだろう。



ハーシュタ沖の深場に並ぶイケスの数は12。
それぞれに13万匹ほどのサーモンが養殖されているというから、総数は単純計算で約156万匹。凄い数だ。
聴いた話では、1匹のサーモンが育つまでには18カ月がかかるそうで、育ったものから順次水揚げ。
もっとも気遣うことは何か、管理スタッフに訊いてみた。
すると「品質管理」と即答。そのために必要なことは「充分な栄養を与えること」なのだそうだ。ただし餌のやり過ぎは逆効果。そのためにコンピュータによる管理を徹底している。
12のイケスのど真ん中に、船体が青白2トーンカラーに塗り分けられた「マザーシップ」と呼ばれる管理母船が碇泊しているのだが、そのブリッジに餌やりの管理システムが組み込まれたコンピュータシステムが置かれ、常時イケスをモニターしている。水中カメラでイケス内を撮影した映像も送られてくるから凄い。
それぞれに13万匹ほどのサーモンが養殖されているというから、総数は単純計算で約156万匹。凄い数だ。
聴いた話では、1匹のサーモンが育つまでには18カ月がかかるそうで、育ったものから順次水揚げ。
もっとも気遣うことは何か、管理スタッフに訊いてみた。
すると「品質管理」と即答。そのために必要なことは「充分な栄養を与えること」なのだそうだ。ただし餌のやり過ぎは逆効果。そのためにコンピュータによる管理を徹底している。
12のイケスのど真ん中に、船体が青白2トーンカラーに塗り分けられた「マザーシップ」と呼ばれる管理母船が碇泊しているのだが、そのブリッジに餌やりの管理システムが組み込まれたコンピュータシステムが置かれ、常時イケスをモニターしている。水中カメラでイケス内を撮影した映像も送られてくるから凄い。




Honda船外機、BF150をマウント作業艇は、船側(せんそく)をチューブに囲われ、一見RIB風だ(Rigid-hulled inflatable boat=RIB)。そのチューブからは、ガンネルに沿って30センチほどのブルワークが立ち上がり、ぐるりとデッキを囲っている。作業性を重視したあまり、殺風景になってしまったデッキを波から守っているのだ。この手の体裁のボートは様々な養殖場で目にしてきた。有名なところでは、イギリスのボートメーカー、フュージョンマリン社が造るホーネット490というのがあり、ずばりFish Farm Tender Craft(フィッシュ・ファーム・テンダー・クラフト)と呼ばれている。
船底はフラットとは言わないまでもV角は非常に浅く、キールと船底に付けられた数本のストレイキ(リフティング・ストレイキ)で保針性を補っている。
船底はフラットとは言わないまでもV角は非常に浅く、キールと船底に付けられた数本のストレイキ(リフティング・ストレイキ)で保針性を補っている。
写真・文:大野晴一郎