釣り方・釣り具解説

ボートに乗船する時は、たいていボート店のスタッフがアシストしてくれるので、それに従えば安全に乗ることができる。サポートがなく一人で出艇する時は、まずボートを波打ち際まで運び船首を沖に向ける。その後、波打ち際からボートを押し出しながら乗船し、すぐにオールを持って漕ぎだす。釣りを終えて戻ってきた時は、船首から陸地に勢いよく乗り上げるように、最後までオールを思い切り漕いで接岸させるのが基本。ただし、ボート店によっては、船尾（後部）を陸に向けてバックで漕ぎながら接岸させる場合もある。いずれにしてもスタッフがいる時はその指示に従えばよい。

ボートの操船もしっかりマスターしたい。オールはだいたい木製で、水かき部分のブレードがプラスチックで出来ている。ブレードは表裏が決まっていて、反っている側が船尾に向くように持つ。座席の中央にしっかり座り、足はスノコに付けて踏ん張る。この時、スノコに横棒が渡してあるボートではそこに足を掛ける。進む時はブレードを海面に出し、まず手を伸ばしながら上半身を前に倒す。するとオールが自然に船首側に移動する。そこから腕を曲げないようにブレードを海面に入れたら、今度は上半身を後傾させていきながら、体の動きに合わせて腕を胸のほうに引き付ける。

完全に後傾して腕を引き付けるとブレードは自然と海面を割っている。そうしたら再び最初の動作に移る。これを繰り返すことでボートは進んでいく。ボートを腕だけで漕ごうとすると、どうしても利き腕側に大きな力が入ってしまい、ボートがまっすぐに進まず曲がってしまう。効率よく漕ぐコツは、まずは体を大きく動かすこと。そして、後傾した時の腕の引き付けの動きで、オールを回転運動させるような感覚が掴めると、無駄なくスムーズにボートを漕げる。

ボートは後進させることもできる。その時は、まずブレードの反った面を前進時とは反対の船首側に向ける。次に腕を股の間に入れるように押し下げ一度ブレードを海面から出す。そのまま手前に回すようにしてブレードを船尾側から海に入れ、腕が胸の位置まで上がったところで前に押し出すように伸ばす。あとはこの繰り返し。腕を前に押し出す時に、上半身も一緒に前傾させるようにすると腕に掛かる負担を軽くできる。

以上が操船の基本だが、いずれにしてもボートを漕ぐ時は、周囲の安全に常に気を配ることが大切。こまめに進行方向を確認し、他のボートや岩礁帯などにぶつからないように気を付ける。2人乗りなら、後ろの人に積極的に方向修正や安全確認を手伝ってもらうといい。なお、ボート店によっては、よいポイントがある少し沖合まで、エンジン船で曳航してくれる。別料金がかかるところもあるが、遠くのポイントへ行きたい時は活用するとよい。その際、スタッフにポイントの詳細を聞くこともできる。