SCENE :
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ラストチャンスをもう一度。夕マヅメ、イチかバチかの大勝負!?

ラストチャンスをもう一度。
夕マヅメ、イチかバチかの大勝負!?

ぜったい後悔したくない!

大きいニジマスが釣りたいよ~
後大きいニジマスが釣りたいよ~
2度あることは3度あるって言うけれど、釣りはそんなに甘くない。私の経験上、大きなチャンスを逃した釣り人に「もう1回!」は、ほとんどありません。さっきの魚がラストチャンスだったかもしれない。たぶん、いや、きっとそうだよね……。

ニジマスがでエサを食べているのに気づいて、ルアー+フライの仕掛けで表層を流していたマミヤちゃんにもアタリが。だけどフッキングがうまく行かなかったようです。周りではたまに魚を掛けてる人もいるけれど、テンションが下がってしまった私たちにはもう、釣れる気がしません。
こんな時は場所を変えるのがいちばん。もうすぐ夕マヅメだし、再び釣れる時間帯に入るはず。まだ釣っていない上流の池も気になるしね。だけど、マミヤちゃんにはもうちょっと釣って楽しんでもらいたい気もするしなぁ。
「どうしようか。またさっきの川で釣ってみる?」
「川だと、大きい魚は釣れないんですよね」
「そうだけど……。大きいのねらうと、釣れない可能性もあるよ?」
「それでもいいです。でっかいのが釣りたい!」
「セニョールトルネード」はすそのフィッシングパークが発祥の地
「セニョールトルネード」はすそのフィッシングパークが発祥の地
マミヤちゃんに大物がヒット!だけど足元でフックアウト……
マミヤちゃんに大物がヒット!だけど足元でフックアウト……
スタッフの飯塚さん、本気モードのレッスン開始!?
スタッフの飯塚さん、本気モードのレッスン開始!?
これで、ふっ切れました。やっぱりそうだよね。同じようなサイズばっかり釣っても、バラしてしまったモヤモヤは消えるわけがないんだし、こうなったらイチかバチか、やってみます。ぜったい後悔したくないもん!

上流の池は先ほどの場所に比べて少し規模が大きく、水深もあるみたいです。だけどほかのお客さんもけっこう来てるなぁ。とりあえず空いている場所に入らせてもらって、まずは自前の"ネイルスプーン"をキャスト。魚はたくさん見えるんだけど、なかなか追ってきません。

受付の際に対応してくれた飯塚さんが、私たちの様子を見にやってきました。「え、大きいの釣れてないの? しょうがないなぁ」と、しばらく私の釣りを見学。ちょっと緊張するなぁ(笑)。だけどその後、すごく貴重なアドバイスをもらうことができたんです。

スプーンの基本を再確認。

スプーンは金属製のルアーなので水に沈みます。だから、深い場所をねらう場合は投げたあとにカウントダウン(数をカウントしながらルアーを沈めること)すればオッケー、どんな水深でも使えるルアーだと、私は思い込んでいました。だけど実際は「それぞれのスプーンが泳ぐ水深は決まっている」のだそうです。

たしかに、スプーンを沈めたあとにごくゆっくりとリールを巻けば、深い場所を「通過」させることはできます。だけど、それではスプーンを「泳がせる」ことはできない。なぜなら、ある程度の速度で引いてやらないとスプーンは動かないから。魚を反応させるには、個々のスプーンがきっちり動く速さでリトリーブする必要があり、そうするとスプーンはほぼ一定の水深を泳ぐことになるんだそうです。
崖沿いのエリアはプレッシャーが低くて釣りやすいんだって
崖沿いのエリアはプレッシャーが低くて釣りやすいんだって
ハリに掛かったニジマスはグングン走る、止まらない!
淡水にもワラサ(ブリ)みたいにパワフルな魚がいるんだ!
ハリに掛かったニジマスはグングン走る、止まらない!淡水にもワラサ(ブリ)みたいにパワフルな魚がいるんだ!
動画で解説!
大きなニジマスに大興奮!(1分16秒)
大きなニジマスに大興奮!(1分16秒)

スプーンの使い方を教わったことが今日一番の収穫かも
スプーンの使い方を教わったことが今日一番の収穫かも
つまり、浅い層をねらう場合は軽いスプーン、深いところを探るなら重いスプーンというように、ウエイトの大小を使い分ける必要があるんですね。ところが、私の作ったネイルスプーンは、カラーは豊富だけどウエイトは全部同じ。これでは釣れる水深を探し当てることができません。そうだったのか……。

「釣るためのコツ」は、それだけじゃありませんでした。たとえばこの池のなかでは、岸沿いが崖になっている場所の近くが釣りやすいんだとか。なぜかわかります? その場所には釣り人が立てないので、ほかのポイントよりもプレッシャーが低いんです。なるほど! その後、飯塚さんのアドバイスでポイントを変更し、ルアーも例の"ビーズのアクセサリー"にチェンジ。これは「セニョールトルネード」といって、この釣り場で誕生したオリジナルルアーなんだそうです。
終了直前、マミヤちゃんのロッドがギュンギュン絞り込まれた!上アゴがグイッと曲がった精悍なニジマス、私のより大きい!
終了直前、マミヤちゃんのロッドがギュンギュン絞り込まれた!上アゴがグイッと曲がった精悍なニジマス、私のより大きい!
その結果、どうなったかといえば――ご覧のとおり、私もマミヤちゃんも大きなニジマスをキャッチすることに成功! ねらうポイントやルアーの種類、カラーや泳層、そしてタイミングさえ合えば簡単に釣れるのに、ほんの少し何かがズレるとまったく釣れない。ルアーフィッシングの面白さと難しさを、一気に学んだ1日でした。
そうそう、この釣り場は夜9時までやっているから、ナイターでも釣りが楽しめるんです。だから朝からのんびりスタートだったわけ。照明のなかで暗い水面にキャストする独特の雰囲気は、デートにだって使えるかも? ただし、あんまり夜更かししないようにご注意を~。それではまた、次回をお楽しみに!
※撮影:浦壮一郎/文:水藤友基
※このコンテンツは、2010年7月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。