選出の心
60歳まで後少し、今までは家族で乗ることを考えて選べなかったスポーティーなクルマに乗ってみたいと奥様に相談したVOVさん。結果はVOVさんのHonda愛とシビック タイプRの実用性を理解してもらえて見事OK!普通車のように乗れるCOMFORTモードなど走り方を使い分けて、奥様とのドライブ、サーキット走行と、タイプRの走りを思う存分お楽しみください!8月の大賞おめでとうございます!
気持ちを抑えきれず妻に相談
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シビック タイプR(FK8)が雑誌に載った頃からいつもの販売店の営業Kさんとは色々と相談していました。発売前の7月にはすでに見積書は作成して頂いていました。しかし、金額が張る買い物ですし、妻の承諾が得られるか自信は無いし、今なのか数年後なのか迷っていました。
高齢者の操作ミスによる事故がニュースで報道されます。60歳が直ぐそこの自分を考えると、10年位あっという間に過ぎてしまいます。のんびりしていると、こういう元気な車に乗らないで一生が終わってしまうとも考えました。通勤途中の販売店で実車を見て触ってしまうとたまりません。そこの営業さん曰く、カタログモデルで誰でも買えますが、のんびりしていると注文が殺到して待つことになるかもしれませんよ。と背中を押されました。妻は私がHonda好きなのは十分承知しています。シビック タイプRのカタログを見せて、これが買いたい。とストレートに言いました。
このスタイルは若者向きなんじゃない?シビックってもっと小さくてかわいかったよね。フィットはまだまだ乗れるんでしょ?そう正常な判断の回答でした。さらにやりとりは続きました。
燃費はフィットより悪いんじゃないの。車体が大きくなって裏道は走れない、駐車場も選ぶようになるよ。駐車しておいても、イタズラされないか心配でしょう。この羽は目立つね。後ろは普通に乗れるんだね。スピードは出さないでね。安全運転をお願いします。――かしこまりました。
元気に運転出来るのも後十数年かもしれない、もっと歳をとったら最後は軽自動車で終わるだろう。今後はハイブリッド車か電気自動車が増えてくる、こういうエンジンの元気な車は最後かもしれないと個人的に思っていました。これこそ本当の一生のお願い!この車に乗ってからあの世に行かせて下さい。
シビックと言えば、人が4名普通に乗れて荷物もそこそこ積めて実用的だとは妻もすぐに納得しました。熱意が通じて購入を承諾して頂きました。

Hondaへの想い
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本田宗一郎さんの物語を最初はマンガで読んで、その後CB750FOURやスーパーカブがHondaの製品だと知り、非常に興味を持ちました。他社の真似をしない、役に立つ新しい技術を開発して実用化している点が好きです。CVCCというエンジンが最初に排気ガス規制をクリアした事は有名です。二輪のレースやF1での活躍も頼もしい限りです。そういう頂点での技術開発が市販製品にも生かされていると思うとHondaの二輪、四輪を買いたくなります。
二輪は何台か乗り継ぎ、今はCBR1100XX、スーパーカブ110を所有していますが、どれもトラブルはありません。CBR1100XXの安定感、加速力は格別です。四輪でもこういう感覚のクルマに乗りたいと考えていました。
自分で初めて買った車は中古のHonda Z GSS 5MTでした。水中メガネのデザインが印象的な外観と、室内は軽自動車とは思えないカッコ良さでした。エンジンは最高出力回転まで元気よく回り楽しく運転出来ました。結婚してからアコード セダン、レジェンド、子どもが3人になってオデッセイが活躍してくれました。妻用にアクティ ストリートを買い、普通車と軽自動車の二台体制で来ましたが、途中で子どもが免許を取ったのでフィットを追加しました。オデッセイをN-BOX +に買い換え、アクティ ストリートを息子のN-WGNに買い換え、フィットは私が通勤に使うようになりました。どのクルマも普通に乗る分には十分な性能を持っていますが、Hondaにはスポーツカーがあるのは知っています。NSX、S2000も乗ってみました。宝くじでも当たれば私専用車として買いたいと常々考えています。
シビック タイプRの実用性はやっぱりシビックです。でも本気を出せばCBR1100XXを四輪にしたようなクルマです。なんとか買える値段で発売してくれて助かりました。Hondaには一般の人が買える便利で使いやすいクルマと、誰もは買えないけど他メーカーに負けない高性能なクルマの両方を作り続けて頂きたいと思います。

購入の決め手
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これまで新車で買った車はどれも10年以上乗りました。新婚当初や子どもが一緒に行動する頃は使い勝手のいい金額的にもそこそこの車で選ぶ事しか出来ませんでした。趣味的な好きという理由では車を買う余裕はありませんでした。しかし、3人の子どもも社会人となり、もう学費の心配もありません。我が家のクルマ選びのポイントは使いたい用途に適しているか、予算内に収まるか、その中で機能やスタイルが好みに合うかです。
前車のフィットは1.5Wの5MTでした。発進、加速、エンジンブレーキはオートマチックとは違いエンジン回転がダイレクトに感じられ、如何にも自分で運転している感覚がたまりません。シフトレバーをカチャカチャと操作する、クラッチを踏むなんてそれこそ運転する楽しみです。次に購入する車もマニュアルミッション車がいいと考えていました。妻もマニュアルミッション車の運転は出来ます。N-BOX + ターボの4WDを購入する前はアクティ ストリート 4WDの5MTでしたが、妻がほぼ毎日元気に走らせていました。
新型シビック タイプRは全幅が1,875mあり、気を使うだろうなと考えていました。ショッピングセンターの駐車場に停めましたが、隣のクルマとの間隔が狭くなるので注意が必要だと感じました。でも、ドアミラーは他タイプのシビックと変わらないし、世間ではほぼ同じ幅の車両が溢れていますから大丈夫だろうと思いました。
シートに腰掛けるとお尻がスッポリと収まり、脇のサポートもいい感じにフィットして身体が安定します。程よいクッション性があり、固いと感じる事はありません。座面は高さ調整が出来ますが、一番低いポジションでも視界は良好です。排気音は低音が効いたいい音です。シフトレバーは操作も軽く、節度感がありショートストロークで小気味よくギアチェンジが出来ます。クラッチペダル操作は軽く、これで320psを断続するのか?と拍子抜けするくらいあっけなく普通に発進出来ました。フィットの頃のようにアクセルペダルを踏むとビックリするくらいの加速力で驚きました。250ccから1,100ccのバイクに乗り換えたような感覚です。
また、ブレーキペダルの操作にすごい剛性感を感じましたし、良く効きます。ハンドルは適度に重く、操作に対してクイックにタイヤが反応します。245/30R20という超扁平タイヤが、たわむこと無く向きを変えてくれるからでしょうか。サスペンションはフワフワしていないのがいいです。路面の状態が伝わってきて、コーナリングでの安定感は抜群です。ガタガタする道路でも角の取れた振動にしてくれます。
シフトダウンする時のレブマッチシステムは便利です。クルマに任せることにしました。ダイレクトフューエルシステムは便利です。サイドブレーキレバーが無くなり、不便かなと思いましたが、オートブレーキホールド機能は便利です。停車中は駐車ブレーキがかかり、ブレーキランプが点灯するのでAT車と同じように後続車に停止中をアピール出来ます。MT車の場合、停車中は駐車ブレーキをかけてニュートラルにすると、ブレーキペダルから足を離します。そういうクルマが極少数派になった今はブレーキランプが点灯していた方がいいようです。純正ナビを装着したところ、ナビの右左折の案内が正面のメーター内に表示されました。ナビもちらりと見ますが、これは便利です。
これまで発売されたインテグラ タイプR、シビック タイプRは運転したことがありました。エンジンは魅力的でしたが、サスペンションが固く感じられました。自分一人だけではなく、妻や家族も乗せるとなると無理がありました。一般道がほとんどで、サーキット走行はあったとしても数えるほどとすれば、もう少し乗り心地の良いサスペンションが好ましいと思いました。その時々の必要な用途に合わせてサスペンションの設定が変更出来たら便利だと思っていました。
「COMFORTモード」にすれば、普通の車です。妻も文句をいいません。車体剛性は高いと思います。少し荒れた道を走ってもミシリとも言いません。
「COMFORTモード」は普通のクルマに近い乗り心地で、少し凹凸は拾いますが角の取れた振動で路面の状況がわかるいい感じの設定です。これなら妻を乗せても長距離ドライブでも問題ありません。アクセル操作に対する反応も緩やかになり、燃費も少し向上します。
まだ妻しか乗せていませんが、「このシートは乗り降りが少し大変。排気音はそんなにうるさくないね。(フィットはモデューロのスポーツマフラーを装着していましたので少しうるさかった。)」「私の飲み物を置く場所が無い(早速カップホルダーを吹き出し口に取り付けました。普段のN-BOX +が便利過ぎます。)」と言っています。 「SPORTモード」はサスペンションが少し引き締まり、アクセル操作に対する反応が鋭くなります。通勤でも問題なく走れますが、箱根の芦ノ湖スカイラインの様な道では最高のフィーリングでした。
「+Rモード」はまだ慣らし運転中なので本領を発揮出来ていません。今後試してみたいと思います。
感想をまとめると、安定感、剛性感、一体感、強力なエンジンが半端ない車だと思います。
現在は主に平日5日間、往復65kmの通勤とたまのドライブに使用しています。今後はサーキットでのスポーツ走行をやってみたいと考えています。私にとってクルマは単なる機械とは思えないです。どこにでも一緒に行ってくれる「相棒」って感じです。シビック タイプRは二輪車のように運転すること自体に喜びを与えてくれる存在です。四輪車はどちらかというと移動の手段であり、二輪車ほど運転すること自体が楽しいとはあまり感じませんでした。シビック タイプRは二輪車を運転する時のような楽しさを感じます。市街地での通勤ばかりではつまらない、遠乗りをして気持ちよく走れる道路をたくさん走りたい。たまにはサーキットでスポーツ走行をしてみたい。定年後も妻と色々なところへ出かけたいと思います。