The 39th Tokyo Motor Show FACT BOOK
The 39th Tokyo Motor Show 2005.10.19
FCX CONCEPT
低床化を実現する、新世代 V Flow F.C.プラットフォーム。
FCX CONCEPT
VFlow
燃料電池車はスタックをはじめ、モーター、システム部品、水素タンクなどスペースを要する装置を搭載するために、従来はフロア、全高が高くならざるを得ませんでした。そこでHondaは、この課題を独創のプラットフォームによって解決。新開発のV Flow F.C.プラットフォームは、高効率とコンパクトを追求した3つのVがキーです。燃料電池スタックは、水素と酸素を上から下に流す方式(Vertical gas flow)を新採用。燃料電池を縦置きとし、センタートンネルに配置すること(Vertebral layout)で、効率の良いパッケージング(Volume‐efficient)を追求し、これまでの燃料電池車にない低床プラットフォームを開発しました。また、フロント駆動モーターをギアボックスと同軸化することで、ショートノーズを実現しました。
新しい水マネジメントを採用した、新開発 V Flow 燃料電池スタック。
今回Hondaが開発した燃料電池スタックは、100kWの高出力を達成しながら、センタートンネルに収まるコンパクトサイズ。これにより効率の良いパッケージを実現しました。そして、燃料電池の性能の鍵を握るのが、発電時の生成水の流れを制御する水マネジメントです。新開発燃料電池スタックは、これまでにない発想による水素と酸素を上から下へ垂直に流す方式(Vertical gas flow)を採用。生成された水を、重力を利用することで効率的に排出し、氷点下性能と信頼性をいちだんと向上させました。また燃料電池車が全地球を走るモビリティとして、超えなければならないハードルが、寒冷地での始動です。Hondaは2003年、独自の技術を投入し開発した「Honda FC STACK」で、世界で初めて-20℃での始動を可能にしました。新開発V Flow燃料電池スタックはさらに改良を重ね、ガソリンエンジンと同様の極低温性能を実現しています。 新しい水マネジメントを採用した、新開発 V Flow燃料電池スタック。
力強い走りを実現する、3モーター オールホイールドライブ(3Motor AWD)。
《FCX CONCEPT》は、エネルギー効率の良いフロント1、リア2の3モーター駆動方式を採用。電気エネルギーを4輪で効率よく路面に伝え、低床プラットフォームが生み出す低重心との組み合わせにより、トルクフルで自在に操れる走りの楽しさを実現しています。 力強い走りを実現する、3モーター オールホイールドライブ(3Motor AWD)。
同軸型駆動モーター・ギアボックス
80kWのフロント駆動モーターは、出力軸をギアボックスと同軸にすることで小型化を実現し、ショートノーズに寄与しています。
リアインホイールモーター
リア左右のホイール内に、25kWの薄型偏芯モーターとブレーキを配置。限られた空間に、コンパクトにレイアウトしました。フロアにモータースペースを取る必要がなく、低床スタイルの実現に貢献しています。
新開発の水素吸着材を内蔵し、水素搭載量を向上させた、次世代水素タンク。
燃料電池車の難関のひとつが、水素の貯蔵法です。課題は、水素搭載量の増大とタンクの軽量・コンパクト化の両立。水素の搭載量を増やす方法のひとつとして、タンクの貯蔵圧力をさらに高圧にする方法があります。しかし、その圧力に耐えるためにタンク強度の要求が高まり、重量が大きく増加してしまいます。そこでHondaは、高圧タンク内に新開発の水素吸着材を内蔵するという、700気圧への高圧縮化の道ではない新しい手法を採用。350気圧の充填圧力で、水素搭載量を約2倍(従来比)の5kgに向上させました。スリムなタンクで広い室内とガソリン車に匹敵する航続距離350マイル(約560km)をめざして研究を進めています。
※Honda計算値
新開発の水素吸着材を内蔵し、水素搭載量を向上させた、次世代水素タンク。

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