The 37th Tokyo Motor Show - 2003.10

The 37th Tokyo Motor Show FACT BOOK
The 37th Tokyo Motor Show 2003 2003.10.22
安全技術
より大きな安心のために、Hondaはさらなる安全性を追求しています。
Hondaは、「人間尊重」の基本理念のもと、すべてのクルマづくりにおいて高い安全性を追求しつづけています。事故を未然に防ぐためのアクティブセーフティ。そして万一の際に人への被害を最小限に抑えるパッシブセーフティを基本に、それぞれに関する技術を高次元に進化させています。さらに衝突を予測しその被害を可能な限り軽減するという「Hondaプリクラッシュセーフティテクノロジー」を実用化。リアルワールドでの衝突事故実態に則したさまざまな研究実験を積み重ね、Hondaの安全技術は、さらなる進化をめざしていきます。
運転負荷を軽減する、高速道路運転支援システムHiDS
ドライバーの疲労を軽減することも、事故の未然回避につながる。このような考え方から、Hondaでは高速道路走行時のドライバーの緊張を緩和し、長時間運転による集中力低下や疲労の軽減を目的に、高速道路運転支援システムHiDSを開発。車速をコントロールして前走車との車間を適切に保つ「車速/車間制御機能(IHCC)」と、車線維持をアシストする「車線維持支援機能(LKAS)」のコンビネーションによる、先進のアシストシステムです。
※Hondaインテリジェント・ドライバーサポート・システム
車速/車間制御機能[IHCC]の基本制御パターン(概念図)
レーダー検知範囲:車両前方100m以内 角度16度
作動車速:45km/h〜100km/h
定速制御 前走車なし 減速制御 前走車検知 追従制御 前走車に追従 加速制御 前走車離脱
定速制御
前走車なし
減速制御
前走車検知
追従制御
前走車に追従
加速制御
前走車離脱
車線維持支援機能[LKAS]作動イメージ
車線維持範囲:直線路〜半径230m以上の曲線路
作動車速:65km/h〜100km/h
車線維持支援機能  道路に沿うよう、ステアリングの動きを適切にアシスト。 車線維持支援機能
道路に沿うよう、ステアリングの動きを適切にアシスト。
車線逸脱警報機能  車線逸脱の危険性をアラームで警告。 車線逸脱警報機能
車線逸脱の危険性をアラームで警告。
追突時の被害を軽減するHondaプリクラッシュセーフティテクノロジー。
万一の衝突事故に対して、まず「ドライバーに危険を知らせ、回避を支援する」こと、そして「衝突が避けられないような状況では、可能な限り被害を軽減する」ことを目的に、研究開発をすすめてきた「Hondaプリクラッシュセーフティテクノロジー」。その最初の成果となるのが、追突軽減ブレーキ(CMS)とE-プリテンショナーです。走行中ミリ波レーダーにより、前走車との距離や相対速度などを検知。追突のおそれがあるとコンピュータが判断した場合は警報を発し、さらに危険度に応じてブレーキとシートベルトを制御することで、ドライバーによる危険回避操作の支援と追突被害の軽減をはかります。
追突軽減ブレーキ(CMS)+ E-プリテンショナー作動イメージ
前走車に接近
[前走車に接近]
走行中ミリ波レーダーにより前走車を検知。前走車へ接近し、追突のおそれがあるとシステムが判断した場合、音と表示で警報を発します。
さらに接近
[さらに接近]
自動で軽いブレーキをかけ、シートベルトの弱い引き込みを行うことで体感警報を与えます。
追突の回避が困難
[追突の回避が困難]
自動で強いブレーキをかけ、シートベルトの強い引き込みを行うことで衝突による衝撃・被害を軽減します。
G-CON G-FORCE CONTROL TECHNOLOGY
さらなる進化を遂げた、Gコントロール技術。
Hondaは、衝突時の衝撃(G)をコントロールして人への傷害を軽減する独自の「Gコントロール技術」を、世界初の屋内型全方位衝突実験施設でのクルマ相互の衝突実験などにより、リアルワールドでのさまざまな視点から追求してきました。その中に、大きさや構造、硬さが異なるクルマとの衝突に対応する技術、コンパティビリティ対応技術の研究があります。これは、衝突時の自己保護性能を向上させると同時に、相手車両への攻撃性低減の両立をはかる技術。この相反する2つの要素を両立するために、エンジンルームにおいて衝突エネルギーを分散させ、効率よく吸収する、革新のコンパティビリティ対応ボディを実現しました。Newライフ、Newオデッセイから採用を始めています。
テスト車両によるクルマ相互の衝突実験
テスト車両によるクルマ相互の衝突実験
コンパティビリティ対応ボディ
歩行者のためのGコントロール技術も、一歩一歩進化へ。
Hondaでは、万一の歩行者衝突時の傷害軽減をめざした、歩行者傷害軽減ボディの開発にも取り組んでいます。そのために、より人体に近い構造で、きめ細かなデータが収集できる第二世代歩行者ダミーを開発。そこで得られたデータをもとに、ボディの傷害軽減部位を頭部から、さらに胸部・腹部・下肢へと拡大し、歩行者傷害軽減技術のさらなる進化をめざしています。
側面衝突時の頭部への衝撃を緩和する、サイドカーテンエアバッグシステム。
側面衝突時に子供から大人までさまざまな体格の乗員の頭部や頚部を広範囲で保護し、特にセンターピラーへの頭部衝突を防ぐ展開性能を実現しました。サイドウインドウのほぼ全面をカバーするエアバッグを瞬時に展開させるために低温ガス(全圧縮ガスタイプ)インフレーターを採用。約0.015秒という速い展開速度に加え、バッグの厚さ・面積の拡大も可能となり、衝突の衝撃をより効果的に吸収。衝突時の頭部に加わる衝撃を大幅に低減し、頭部への傷害を軽減しています。

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