Dio M.A.-C.ABS・ST1100 Pan-European CBS-ABS
- 1995.12
「T.R.-C.ABS」の実用化にあたっては、大型二輪車用として、「New Dual Combined Brake System」と「New ABS」を結合させることで、個々のシステムが発揮する以上の効果を得られるシステム、すなわち“長距離を快適に移動する”ために、“簡便な操作でより短い距離で停止できる”機能をブレーキシステムに対して要求し、より快適なスポーツ・ツアラーの具現化を目指し開発を進めました。
これまでホンダは、大型二輪車用のブレーキシステムとしては、'92年にホンダ独自の二輪車専用ABSをST1100へ搭載するとともに、'93年には世界で初めて「Dual Combined Brake System」をCBR1000Fに採用するなど、ライディングにゆとりをもたらす機能をブレーキシステムに追求してきました。
そして今回「ゆとりある、先進のスポーツツアラー」として欧米市場で高い評価を獲得している輸出専用モデルST1100に「T.R.-C.ABS」を搭載することで、'96年モデル「ST1100 Pan-European CBS-ABS with TCS」として、大型二輪車用前・後輪連動ABSの実用化に見通しを得ました。
今回採用した「T.R.-C.ABS」は、「Dual Combined Brake System」とABSそれぞれのシステムを基本的部分から見直し、シンプル化するとともに、両システムの結合を実現させました。
これにより、レバーまたはペダル単独操作での最大発生減速度を向上させると同時に、ブレーキのかけすぎによる車輪ロックを自動制御し、特にペダル操作のみで、後輪のABS作動後も入力を追加し、前輪の制動力をさらに増加させることで、ほぼ最大の減速度を得られることが可能となり、これらによって、様々な走行条件下で、“簡便な操作でより短い距離で停止できる”大型スポーツ・ツアラーに最適な世界初の画期的なブレーキシステムが実現しました。
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